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後悔と自戒

「本当に大切なものは失って初めて気づく」

この表現は本当に言い得て妙だと思う。


私はパートナーとお付き合いし始めて2年ほど経つ。

精神疾患とHSP気質のダブルコンボな私を理解しようとしてくれるし、それを含めて包みこんでくれる、すごく頼りがいのある人。

でもそれは、そこにいることが当たり前ではない

これは心の中で何度も何度も繰り返し唱え、ことある事に思い出しては自分に言い聞かせる程に、意識していた事だった。

私は今の彼が初めてのパートナーではない。失う怖さも知っていたつもりだった。

でもきっと私は心のどこかで、過信していたのかもしれない。


彼とは小さな口論すらしたことがなかった。

どちらかが折れるから、とかではなく、そもそも口論になることも、なりそうになることもなかった。
約2年間、毎日欠かさず会話しているのに。

それは私のHSP気質ゆえの、相手の気持ちを推し量るあまり、言葉をかなり選んで発する癖と、彼のおおらかで全てを包み込んでくれる性質故のことであると思う。

でも私は考えすぎて気持ちがすごく落ち込んでしまうことがある。

彼がこう思っているのではないか
私の発言で不快にさせてしまったのではないか
怒っているのではないか
悲しんでいるのではないか


私の疾患の特性として、1度不安を感じるとそれがどんどん膨れていって、涙が出てどうしようもなくなる。

冷静になって見てみると、どう考えても被害妄想でしかないのだが、これに本気で悩み、子どもみたいにわんわん泣く。

これは彼にとってかなりの負担だと思う。
分かってはいるが、「じゃあやめなきゃ」でやめられるものでもないのが、つらいところである。


でも彼はこんな状態の私にもしっかり向き合ってくれる。

泣いてる私の肩を抱いて、泣き止むまで隣にいてくれる。

安心させようと言葉をかけてくれる。

ここまで理解を示してくれるのは後にも先にも彼だけかもしれない。



でも、私は彼と離れて初めてこの偉大さを実感した。

もちろん彼にはずっとすごく感謝していたし、理解しようとしてくれているのも伝わっていて、彼の偉大さを実感している気になっていた。

でもそんなもんじゃなかった。
私にとって彼は、私が想像しているよりもっともっと大きな存在だった。

そこにいてくれるだけで安心できる存在。
ずっとそばにいてくれるし、いてあげられると思っていたのかもしれない。

少し離れた今、寂しくて仕方がない。考えただけで胸が苦しい。

そこにいることが当たり前じゃないと、何度も何度も繰り返して分かっていたはずなのに。

離れて気づいたって、仕方がないのに。寂しくなるだけなのに。

彼と私はお別れしたわけではないが、そうなった時のことを考えてしまう。

あぁ、失いたくない。

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