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食革命について

インドネシアで創った会社「Revolusi Makanan(レフォルシ・マカナン)」
この社名には会社の方向性が込められている。
直訳すると、食革命。

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Revolusi Makananの頭文字をとってRM Group

革命がつくものと言えば、フランス革命やキューバ革命、産業革命が有名だが、いずれにも共通するのが、当時主流であった巨大な権力や産業などの強者が、新しい小さな弱者の集合体によってひっくり返されるということである。

インドネシアは、食産業において、世界で一番革命を起こしやすい国だと思っている。
きっかけは、インターネットの出現からスマートフォンまでの発展である。
スマートフォン市場はシェアリングエコノミーを生み出し、インドネシアではライドシェアサービスGojekが生まれた。Gojekは人だけでなく、物も運び、食産業にも大きな影響をもたらす事になる。理由は省略するが、ここまでライドシェアサービスが一般化している国は世界でインドネシアが一番なはずだ。2019年9月現在で、Gojekの登録ドライバー数は100万を超え、フードデリバリーサービスGO FOODの登録飲食店も10万を超える。

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GO FOODによって、飲食店は座席数や立地条件に捉われず、多くの顧客に商品提供できるようになった。弱者である名もなき小さな食のスタートアップが、アイデアと情熱で、強者である巨大飲食チェーンや有名店を倒すことだってできるのだ。

この大きな時代の変化を加速させるのが、料理学校だと考えている。

強者への挑戦切符は用意されても、まだまだほんの一部しか戦う事が出来ないからだ。まだまだそれぞれの力が足りない上に、まだまだ数も足らない。料理人を育成し、料理人のスタートアップを支援する機関、それが料理学校である。
つまり、料理学校でどんどん革命軍を育成していくのだ。

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南ジャカルタで開講した「JAKARTA TASTE 料理教室」

革命軍がどんどん育ってくると、彼ら彼女らが存分に活躍するフィールドが必要である。食のスタートアップの登竜門、それが「シェアリングキッチン」だ。

今世の中では、WeWorkに代表されるCo-working spaceがシェアリングエコノミーのトレンドの1つとして存在するが、シェアリングキッチンは、オフィススペースのシェアリングならぬキッチンスペースのシェアリング、言うなればCo-cooking spaceである。実は、世界的にはすでにいくつか事例があり、米国ではゴーストキッチン、インドではクラウドキッチンと呼ばれている。1つの大型キッチンを複数者でシェアし、効率的にデリバリーフード事業を行うことが可能となるのだ。

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インドネシア財閥サリムグループ傘下のキッチン付コワーキングスペース

学校でシェフが育成され、Co-cooking spaceで起業し、人気商品を作ることができれば、さらにフードトラックやレストランを持つなど次のステップに進める。学校でクラウドファンディングサービスを運営し、卒業生に学校からお墨付きを与えることで、スムーズな投資環境を作ることも可能になる。

料理学校で教育、Co-cooking spaceでデリバリーフード起業、クラウドファンディングによってたくさんの料理人が自分のお店を持って夢を叶えていく。お店を持ってからも、孤立することなく、料理学校から様々なサポートが受けられる。突出して成功した料理人は、ヒーローとして憧れの的となり、それに憧れてやる気を持った若者が遠くの島々からも集まってくる。学校では仕事も提供され、お金が無い人には、奨学金制度もある。卒業できれば、卒業証書を持って有利な就職活動ができる。どんな貧乏でも、やる気次第で頑張った人が、報われる世の中だ。

それらが実現するまでの食革命は続いて行く。

8年前、初めてジャカルタに降り立った頃、なんて逆転不可能な世の中だと思った。高級マンションの間に広がる錆びてボロボロのトタン屋根街に生まれたら、逆転の概念すら生まれることは無いのではないかと…。

そんな世の中でも、どんな人生でも、それぞれの人生の大秘宝は必ず実在する。

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頑張った人が報われる世の中に

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