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「ことば」でふりかえる

ヒロックが開校して早3ヶ月。
あっという間の3ヶ月のようにも思いますし、濃密な日々を振り返って「まだ3ヶ月」という感じもします。
noteを通じていろいろな活動を報告してきましたが、振り返ってみるとヒロックではどんな活動の中で「よく使われる言葉」があることに気づきました。

今回はその言葉たちを紹介することでヒロックの雰囲気、文化をお伝えできたらと思います。


「85%を見つけよう」

自由進度学習をはじめ、ヒロックの活動では自分で課題を決めることが多いです。そんな時に指針になるのが「自分の85%を見つける」という言葉です。
すでにできていること(100%できること、100点取れるもの)をずっと続けても成長はありませんし、現時点の自分の力では到底できない課題(0%)を無理やりやっても成長はありません。

85%、85点ほどの成果が出るような課題に向き合った時ほど「伸びしろ」が見えるのです。

「ねえねえ!今日のねらいは85%だったよ!2問間違えた!」
「明日はこのできなかったところをやる!そしたら成長したって言えるもん!」

ある子が自由進度学習の時に話してくれました。そして次の日はその2問をできるようになっていました。

ある意味、通常の学校の「いい授業」は教員やAIドリルが「この子にはこの問題がちょうどいいな」と自分が取り組むべき課題を与えすぎているように思います。
確かに成長はしますが、自分自身で成長を掴み取る機会、習慣を奪ってしまっていることもあります。
(もっとも、「◯年生だからこのぐらいできなくては」という考えのもと、子どもに合わない課題設定をしている授業もよく見ました。そう言った授業はそもそも論外ですが…)


コゥ・ラーナーは満点を取ることより、自分にとっての85%を発見することが何よりの成功だとも感じているのではないでしょうか。
自分で課題を見つけ、自分を育む、その結果、自分でできることが増える。後述しますが、「幸せになる力」の一つだと感じていると思います。

自由進度学習で学習の振り返りをする様子


「いい失敗、いい学び」

ある男の子が話してくれました。
シェルパ「Aくんにとってヒロックってどんな場所?」
Aくん「ヒロックって勉強よりも大切なことをする場所だと思う」
シェルパ「勉強よりも大切なことってAくんにとって何?」
Aくん『うーん、「間違うこと」かな』
シェルパ「どうしてそう思うの?」
Aくん「間違うとその分成長できるから」

むしろその子は入学当初、「間違うこと」を嫌っていました。何か創作をする時間でも「綺麗にできないから嫌だ」と言うこともありました。

しかし、今のその子にとっては「間違うこと」は成長の糧になるし、なにより成長が大切だと言うことを感じてくれているのです。
「勉強」よりも「成長」が大事。
勉強は手段であって成長が目的であると言い換えることができます。
「ヒロックがこの子にとって成長の大切さを伝えられた場なんだ」とじーんときました。

掃除で「失敗」したこともありました(廊下がびちゃびちゃ)。


今では自分たちで「どこをどんな風に掃除をすると綺麗になるか」を
話し合いながら掃除しています。


「絵を描きたいけれどつくえがよごれてしまう」
「どうすればいいだろう?」
「やってみたらどう変わった?」
自分たちの行動を振り返って「よりよい毎日」を創りあげています。

1学期をことばで振り返って


この3ヶ月で感じたのはことばを使って、物事への理解を深めてきたんだなぁと感じています。「失敗」も「勉強」も「成長」も4月当初に知っていたそれらではありません。それはコゥ・ラーナーもそうでしょうし、シェルパもそうです。
お互いがことばを使いあって、理解を深め合って、学びあった結果、
「ヒロックの文化」を創ってきたように思います。






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