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算数的探究「数と論理」2022秋
第8時「1という基準」
夏休み明けの一発目。砧公園でビニール袋を手渡し、それぞれが好きな「もの」を拾ってきました。
石や葉など、種類を絞って集めてくる子が大半でしたが、中にはバラバラな種類のものを拾ってくる子も。
聞くと、「緑の自然っぽいものを集めてきた!」
ちゃんとその子なりの基準があるんですよね。耳を傾けるって大切。
誰が一番多いか比べてみようか。
自分が何個拾ってきたかをそれぞれに数えてもらうと…あれれ?
木の棒は1本、でも折ったら2本。
ついてる葉っぱは6枚。これっていくつ??
数というのは、何をもって1とするかの基準を決めないといけないんだね。
1が揺れ動くものであることを体感した子どもたちでした。
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第9時「ひたすらどんぐりを集める!」
前回、1の基準があいまいで比べられなかったことを思い出すところからスタート。
そこで今回は、対象をどんぐりに絞り、30分ひたすら集めました!
1,2,3…数えながら、それぞれビニール袋に入れていき、最後に数字を書きます。
「109の次って何?」
「220ってどう書くの?」
協力する子、声に出す子、一人の方が集中しやすい子…それぞれのやりやすさも違います。
そして、数える必然、数字を書く必然。
最後にざっと、みんなが集めたドングリの数をシェア。
みんなが集めた合計はいくつだろう?それは次回に持ち越し。
一番集めた子は700なので、かなりありそうです。笑
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第10時「合計と平均」
スクールで、前回集めたドングリの数を集計しました。
一人ずつ、集めたドングリの数を板書していき、計算の得意な子に合計してもらいます。
計算ができると役に立つ、誰かのためになるというのを、モデルケースとして触れておくことって大切。
「えーと…4437!」
「4437ってこれくらいなんだー!」
「このスペースで約5000ってことは、公園全体でどれだけあるの!?10万!?」
調査の手法も学べます。
ちなみに、平均どれくらい拾ったんだろう。平均て知ってる?
砂山をモチーフに、「ならす」という方法も教えます。
ここも、算数の得意な子に計算してもらうことに。
「1人平均261個か!僕は大体平均だった!」
いつか平均の問題に直面した際に、ドングリの数を思い出してくれるといいな。
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第11時「バビロニア数字!」
前回まで、ドングリの数を使うのにアラビア数字を使っていました。
今回はアラビア数字が生まれる前の、バビロニア数字について。
なぜ10で次の位になるのか、この頃の数字は60で一区切りするのか?
「そういえば、時計って60で変わるよね!」
「12をもとにしていたのかー。確かに便利な数字かも。」
数にまつわる、現在まで脈々と続くヒストリーにワクワク!
後半は子どもたちの要望もあって、みんなで追加でドングリを集めました。
前回とあわせて8226個!
量も多いので、いつもの木の根元に広げました。経年変化も楽しみ。
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第12時「ドングリ1万個チャレンジ」
「ここまで来たら、ドングリ1万個集めたい!」
そんな子どもたちの強い思いで、1万個チャレンジ。
せっかくだから、ぴったり1万個にしよう、と持ち掛け、まずはスクールで計算。
「10000ー8226だから…残り1774個だ!」
ここも、計算の得意な子に、みんなの前で計算してもらいます。
あえて筆算を書くことで、子どもたちの興味の布石を打つ。筆算って、便利だよね。
大体2000個ってことだね、と、ここで概数についても説明。
「ってことは、21人だから、一人100個より少ないってことか。」
「1774を21人で割ると…84.4??」
「小数って、どうすればいいの??」
小数を知っている子はいても、リアルな問題解決場面になって初めて、小数の処理の仕方を考えます。まさに思考力ですね。
「84個拾う人と、85個拾う人に分ければいいんだ!」
それぞれの子が拾うドングリの数を確認し、いよいよ砧公園へ!
それぞれ集めたら、いつもの木の下に集まり、一人ずつ袋を開けて…見事1万個達成!
「1万って、こんなに多いのか―!」
人生で、1万個のものを目にすることって、そんなに多くないはず。
五感を使って味わった1万のドングリが、子どもたちの量感として瑞々しく残ってくれることでしょう。
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第13時「大きい数字って?」
「1万個のドングリって、すごい大きい数だったよねー」
「でも、もっと大きい数知ってるよ」
身の回りにはどれだけ大きな数があるだろう、ということで、数の大きさについて考えることに。
スクールの中で、自分が一番大きいと思う数字を見つけてきてね、と声をかけてスタート。
子どもたちは文具のバーコードや広告、本の中など、あらゆるところから「大きいと思う」数字を探してきました。
みんなが集まったところで、さて、どれが一番大きいだろう。ということで、みんなの見つけてきた数字を書いていきました。
比べ方を説明するという流れで、位取りについて説明。
一の位をそろえて、桁を確認するんだよ…と、バラバラに書いてある数字たちを移動させながらならべていきます。
一番大きい数字を知りたいわけではなく、アラビア数字は「0~9の10文字ですべて表せてしまう」というすごさに気付かせたかった本時。
半年かけてついに、アラビア数字にたどり着きました!
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第14時「小さい数字って?」
前回の流れからすると当然、
「じゃあ、小さい数字も探そうよ!」
ってことになりますよね。
前回と同じく、みんなで小さいと思う数字を探しました。
「桁が多いと大きかったんだから…」
と、前回の内容を思い出しながら探す子もいました。
2,とか、0,なんて数字が並ぶ中で
「0.8(零点八)」
え、何それ?
「2分の1」
ん…??
「マイナス50!」
マイナス!聞いたことある!
深入りはせず、数字にはいろいろあるということを、数直線上に並べながら確認しました。
数直線も、右に行くと大きくなり、左に行くと小さくなるって、大人にとっては当たり前だけど、子どもにとっては未知なんですよね。
少しずつ、徐々にしみこんでいく知識が理想です。
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