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【散文】涙の宝石

私は無力です。私が解決出来る問題は、時間とお金を積めば解決出来るものばかりです。
解決出来る問題しか見ようとしない私は、砂浜に刺さった細い棒切れの様に頼りないのです。
もしも、誰の役にも立てない自分の不甲斐なさに流す涙が、光り輝く夜の宝石となって、あの子の部屋のクローゼットの奥にある、内緒の宝箱に仕舞われたとすれば、それは何よりもの幸福なのでしょう。
でも、私が一番幸せにしたいのは彼女なのです。


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