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アーティストがゴロゴロいる街

私はアートによる街おこしをしてみたい。

アートによる街おこしといっても、アート作品を観光で見に来るような形ではなく、あそこに歩いているおじさんもアーティストだし、そこの学生も、昨日会ったママもアーティストだ。というようなアーティストがゴロゴロいる街になったら面白いと思うのです。

連画という仕組み

以下に2つの詩があります。

それぞれ二人の人の写真で出来上がっています。

(一枚目は会ったことがない方の写真で、二枚目が私の写真)

1 「胎児の時空と火葬場に向かう廊下の接続」

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2 「セミと少女」

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次の作品は大学生が作った詩です。

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これらは連画という仕組みで生まれた詩です。

作った人は世間的にアーティストと呼ばれてはおらず、大学生も芸術大学ではない普通の大学生です。

連想ゲームのように他人の写真に自身の写真をつないでいく連画は30年ほど前にアーティストの安斎・中村が考案したプラットフォームです。

安斎さんは連画にまつわる話の中で「創造性は個人の資質である以上に場に依存するのではないか。」と言います。私は5年間にわたり連画に参加する中で創造的な経験をしていたので、この指摘はとても興味深く感じました。連画は創造性を誘発させる場なのだと思います。

私は上の大学生同士が作った詩を本当に素晴らしい作品だなと思うわけで、アーティストと呼びたいのです。


コワーキングオフィスでの活動報告

連画の本家はカンブリアンゲームといい、毎年、新年から3ヶ月ほど開催されていて私も5年前から参加させてもらっています。そこで今年私は分家と言う感じで、コワーキングオフィスのワークテラス佐久の壁面をお借りして連画の仕組みを実施しました。

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ここで生まれた詩を少しご紹介します。

1,「生まれ変わり」

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一枚目の柳澤さんの写真は捨てられたワインボトルが積み重なっているという退廃感が味わい深く素晴らしい写真ですが、wakana kouchiさんの二枚目はそこから転じてコルクの消しゴムハンコがハート型に整列しているという愛らしい作品でとても好きな流れでした。

2,「甘い眠り」

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1枚目の「これがホントのマスクメロン」はAtsukoIwasakiさんの作品です。ご自身の家で作っているメロンが重くなり過ぎて、使い捨てマスクで支えているという背景とインパクトの強い絵にそそられて、私はハンモックで眠る子供の写真をつなげました。メロンから子供へ「甘い眠り」というタイトルをつけました。

3,「世界のふち」

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2枚目はゆたかさんの作品で「edge」というファイル名が付いていて、一見難しいのですが、細かく見ていくと色々なつながりを発見できるという味わい深く尖った作品でした。三枚目は現実につなぎとめる意味も込めて私が付けました。

4,「無題」

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2枚目の作品はワインボトルの底の丸い黒さを引き継ぎつつ優雅に伸びている木の実が美しいです。柳澤拓道さんとエハラマサフミさんの作品によるもので洗練されていて非常に美しいと思いました。


ワークテラスの連画への参加方法

以下のページがあります。現在も運営中でネットからも参加可能です。よろしければ参加し味わってみてください。

facebookページ
https://www.facebook.com/Anker670

twitterページ
https://twitter.com/A670_Anker670


詩の面白さ

私にとっての詩の世界は倫理や道徳(あるいは論理?)よりも広い世界で、そのように世界を語ることはとても楽しいことです。

下の作品のように倫理道徳の外に少しはみ出したような危うさを持った美しい詩ができることもあります。

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私の好きな他の連画の詩

最後に私が好きな詩を下に記載しました。(カンブリアンゲームより)

「北北西」

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「digit」

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「宇宙の灰皿」

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「情感と構造と」

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「無題」

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「無題」

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「光を見失ったころ、亀は陸に上がる」

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「ひと皮剥くと、紅(くれない)」

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「廿世紀末の水晶玉」

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「2つしか無い出来事」

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※参考資料

連画は奥の深い仕組みでまだまだ言語化されてない事が沢山ありそうです。興味がある方は以下のリンクをご覧ください。


連画の新聞記事
http://renga.com/.../05/109be8a25a521176a8fdb41bdb584e20.jpg

連画ノート(連画を発案した安斎さんの連画についての考察)
http://renga.com/rengaarc/%e9%80%a3%e7%94%bb%e3%83%8e%e3%83%bc%e3%83%88/?fbclid=IwAR3z64rthfJQF9NIjMXcu0r6b_LEcAqBZI51xRk1IA-lBdoznCrJ4bWXTGY


連画の本家「カンブリアンゲーム」

http://cambrian.jp/

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