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ももちゃんのお話し🐱

にゃー

まだ小さな娘と 
玄関の前で道にチョークで落書きをしていたら
ブロック塀の上から

なにしてるにゃー?

とでも言うように声を掛けてくれたネコさんと
目があった

にゃーん

と私が応えると
ストンと
ブロック塀から私たちの足元に降りてきた

どこから来たん?

にゃー🐱ゴロゴロ

大人になる前の子供って感じ?
人懐っこいね 飼い猫さん?
これ食べる?

手に持っていた 娘のおやつのクッキーを
差し出すと

ありがとにゃー🐱

手からクッキーを食べてくれた 
めっちゃかわいい!

ここいらへんを仕切ってるボスネコさんは

ゴロちゃん

ゴロちゃんは近所の飼い猫さん
穏やかに のんびりネコ社会を仕切っています。

シッポをピンと立てて
おはよーとやってくる

おはよーって挨拶すると

ピンと立てたシッポをユラユラ揺らして
こっちにやってきて 足元にスリスリしてから
朝日当たりのいいうちのガレージで
しばらくゴロンとしている


娘が幼稚園に行く時間になると
クッキーねこさんが現れて
一緒に幼稚園まで歩いて着いてくるようになった

いつしよに行くにゃ〜

ゴロちゃんも横目でクッキーねこさんを
見てるけど 何にも言わない

クッキーねこさんは
娘を幼稚園まで一緒に送り届けて
そしてまた私と下の息子と一緒に帰ってくる

シッポをユラユラ揺らしながら
少し前の塀の上を歩いたり
少し遅れて着いてきたり…


どうやら、
近所の古いアパートが立ち退きになり
そこに住んでいたねこさんらしいことがわかった

クッキーねこさんは
娘とその友達に
ももちゃん と名前をつけられた

ゴロちゃんの遊びにくるガレージが気に入ったのか ももちゃんはガレージて寝泊まりしだした

家の三人の子供達はネコアレルギーなので
家の中に入れてあげることができなかった

ガレージにダンボールで小屋を作った
ちゃんと屋根もつけた

ももちゃん 
お家には入れてあげられへんねん
ごめんな ここで我慢してな

ここでいいにゃー🐱

秋の初めから そこがももちゃんの家になった

朝晩どんどん涼しくなってきたら
毛布をふやして分厚くして
毛布の下の方に使い捨てカイロをいれた

肌寒くなってきた頃
風よけに
ベビーカーのカバーをかけた

寒くない?

大丈夫にゃー🐱

ももちゃんは本当に
言葉がわかっているようで
家に入れてくれとは言わずに
その小屋でまんまるくなって暮らしていた。

本格的に冬になるまで
毎日幼稚園に送り迎えをしてくれて
幼稚園でも有名なねこちゃんになった

ももちゃんは 少し離れた自販機まで
飲み物を買いに行くときも 

どこいくにゃー?

って言って後を着いてきた

家に入れないけど
ダンボールの自分だけの小屋がとっても気に入ってくれていた

でも

あるときから
ももちゃんは小屋に戻らなくなった
外は冬本番で とっても寒いのに…

でもすぐに何故だか判明!

娘がすぐ近くの友達の家に遊びに行くとき
ももちゃんも

いっしょに遊ぶにゃー🐱

とその友達の家の中まで着いて行ったそう

ももちゃんな
○○ちゃんのお家に入れてもらえて
炬燵の中がお気に入りになってるで〜
と娘😊

なんとも 厚かましいというか
ねこのくせに警戒心がないというか😅

でも安心した あったかい部屋で
優しい家族と一緒で
人懐っこいももちゃんにピッタリの環境❣️
良かった

でも
いつ戻ってきても大丈夫なように
小屋は一応残しておいた

ももちゃんが来なくなって半月ほどした
寒い夜

にゃー にゃー

ももちゃんの声が聞こえた

ガレージの前の部屋の窓を開けると
ももちゃんがいた

にゃー にゃー

どうしたんや?
今日はここで寝るん?

ちがうにゃー
ゴロゴロ
○○ちゃんの家でお世話になってるにゃー

うん しってるよ〜

ゴロゴロ

いっぱいゴロゴロ言いながら
足元にスリスリしなから
いつもよりたくさん話してくれる

ありがとにゃー🐱

ももは向こうの子になるにゃー

世話になったにゃー

ありがとにゃー

じゃ いくにゃー🐱

そう言ってももちゃんは帰っていきました

少し寂しかったけれど
それから ももちゃんは
とっても とっても大切にされ
相変わらず
自由奔放に😊

家族が家にいない時も
少しだけ窓を開けてもらっていて
家の塀のところに座って
世の中を眺めていました

幼稚園だった娘が高校に上がる頃
おばあちゃんになったももちゃんは
色んな病気になりました

病気になった時も
ちゃんと病院に連れて行ってもらい
いつも おトイレは公園でしてたのに
家で粗相をするようになっても叱られず

もうボチボチ逝くにゃー
みんな ありがとにゃー

そう言ったかどうかはわからないけれど
虹の橋を渡っていった

多分 神様の足元へ寄っていって
ももって言うにゃー
とか言って いつの間にやら
神様のお供になってたりして

なんて思うのです

ゴロちゃん?

ゴロちゃんは長生きしました

年老いてから
他所からやって来た
牛のような模様のねこ

私は うし と呼んでいる

うしに ボスの座を奪われたけれど
ももちゃんのいる所に行くまで
朝になると
日当たりのいいガレージにやってきて

ゴロンと日向ぼっこしていました

うしの奴 また喧嘩してるな
と横目で見ながら…



























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