【簡単】必ず描くのが上達する漫画の読み方まとめ【実証済】

今回は簡単に漫画が上達する漫画の読み方をお教えします。

◆こんな方にオススメ

・漫画を描いているけど、出版社の人に「初歩的なところが出来ていない」と言われる

・漫画の模写をしたり色々描いたけど自信がない

この記事ではこのような悩みにお応えします。

この記事を描いている私は、漫画の執筆歴12年ほど。全くの初心者で某アニメーションスクールからも見放されたほど漫画が描けませんでしたが、プロの講師と出会い、指導を受けた事で今はフリーランスで漫画のお仕事をしています。

《本記事の内容》
1.漫画を描くのに必要なのは「観察量」と「作画量」
2.【3分】プロの作品を使って漫画の「読み方」解説
3.【体験談】私がこの方法を編み出して現在も使っている理由

1.漫画を描くのに必要なのは「観察量」と「作画量」

漫画を描くのに必要なのは、描いてテクニックを覚えるのとプラス色んな作品や、日常にあるものを正確に「観察」する事が成長への近道で、それプラス、その観察量と同じだけの「作画量」をこなす事が最短の方法です。

2.【3分】プロの作品を使って漫画の「読み方」解説

① キャラクターの動かし方
この漫画に登場する主人公は「根はポジティブなんだけどちょっと陰気な女の子」という設定です。それを「初めて読む読者に簡単に伝える」ということが最初のステップです。

・「陰気な性格に見える女の子」はどんな特徴があるか?
そこでこの作者のテクニックでは、ヒロインの見た目で一番特徴的な「黒髪」を強調しています「長い髪」とありますが、人によって「長い」のイメージはボブだったり、セミロングだったりと色々ありますよね?

では「陰気な雰囲気」を出すにはどれくらいの長さにすれば多くの人に伝わるでしょうか?一コマ目の絵を見ると肩下10センチ以上はありそうですね?ちなみにこの場合は腰より約10センチくらい上の長さで描いていました。
また、モノローグの「夏でも白い肌」という言葉と、「あのぅ これ・・・」というか細い声で「なんとなく日の当たらないところで生活してそうな大人しい女の子だな」というイメージが読者に伝わります。

②右から左に視線が流れるように描かれている
漫画は文章とは違って、絵とセリフとモノローグでお話が展開していき、1p当たりのコマ数が多くて7コマ位と言われています。日本語の場合、目線は右→左の方向に流れるので、進む方向に絵を動かしていきます。

キャラクターの特徴を追いながら、視線が自然に右→左に流れ、「逆Z(ゼット)」の方向に絵を動かしているのがわかります。

また、冒頭に「あはは、まじでー」とおしゃべりしながら歩く女の子2人がいます。この2人はどちらかというと明るくて、クラスの中でももしかしたらムードメーカー的な存在になる感じかもしれませんね。この2人を使ってさらに効果的に主人公の「陰キャラ」の部分を引き立たせて、さらにリズムよくストーリーが盛り上がっていきます。わかりやすいのは下から2番目のコマです。

①→②の方向に目が流れるように、「なんか声かけられたな」という時の気づいた表情を先にもってきて、その次に「え」というセリフがきています。「逆でもありなんじゃないの?」とは私も思いましたが、昔それで編集部に持っていったときに一瞬で「あ、この人素人だな」と分かりやすく見抜かれるポイントだったというのも実証済みです。

③ページをめくらせるテクニック
漫画はどんどん絵や台詞を追って読み進めていって物語の世界に入り込んでいくので、次のページを読ませるきっかけを1ページ目の左に作ります。この1ページ目の最後の「ひっ」という表情ですが、

主人公の顔を見た瞬間のリアクションで、この時点では主人公の顔がまだわかりません。この表情と少しゆがんだ吹き出しの「ひっ・・・」というセリフが、次のページを読ませるきっかけとなる「めくらせるテクニック」です。ちなみに先ほども紹介した下から2番目のコマで、二人の背景には爽快な青空が広がっていて、アングルも抜ける感じでさわやかです。それがさらに一番下の一コマを引き立てているので、さらに次のページへの期待感が高まります。

ここまで既存の作品から引用して漫画の基本的な読み方① キャラクターの動かし方、②右から左に視線が流れるように描かれている、③ページをめくらせるテクニックの解説をしました。「漫画って読者にこう読ませるように描かれてるんだ」と、この先漫画を読む際に参考にしていただけたらと思います。

3.【体験談】私がこの方法を編み出して現在も使っている理由

私は今でもこの見方で漫画を読んでいます。読みながら「この作者はこうやってめくらせる、こうやって視線を流している」と、テクニックを盗んでいます。日々何枚も漫画を描いていると、基本的な見方を忘れてしまったり、未熟な部分を見て見ぬ振りをして、結果的に完成度の低い物をクライアントさんにお渡ししてしまう事になるので、クライアントさんとの信頼関係の為に、基礎を崩さずに観察して作画するようにしています。
私は12年の間、漫画を出版社に持ち込みしていていつも言われる事がありました。それは「もっと色んな作品を読んでテクニックを盗んで」という事です。
それを言われる度に「いや読んでるよ。沢山読んで、なんなら丸々1作模写もしたりしてるのに何が足りないの?」と、肩を落としていました。漫画を独学で勉強して10年目にようやく巡り合ったとあるプロの講師の方に、基本的な漫画の作り方を教わる事ができ、そこからようやく自分の作品でお仕事をさせていただけるくらいまで成長できました。

↑リモート結婚式用の新婦様エピソード漫画

私は海外に「漫画を描けるようになりたいけど、絵を何百枚も描いていても一向に上達しない」という悩みを抱えた友人が何人かいましたが、彼らに私が編み出した観察方法を教えると約2週間で飛躍的に観察力を伸ばし、漫画が上達していきました。恐らくこの観察の仕方を覚えていただいたら、色んな作品に応用できるのではと思います。


いかがでしたでしょうか?

皆さんの今後の人生に少しでもお役立ちできれば幸いに存じます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?