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羊文学:継承されるギターバンドの系譜

羊文学いいですね。ちょうど90年代のオルタナティブ・ロック全盛の時代に青春を過ごした40代にはぐっとぐるサウンドです。

TelevisionやPixies、Sonic Youthとか、新しいところ(当時)だとYo La TengoやFlaming Lipsなんかにハマっていた私には歪んだ轟音ギターがとても懐かしく感じました。サウンド的には90年代オルタナティブ・ロックを継承しながら、そこにボーカル・ギターの塩塚モエカさんの瑞々しい歌が乗ることで日本語ロックの新しいページを開いていると思います。

90年代オルタナティブ・ロックは当時の日本だとくるりやスーパーカー、ナンバーガールなどがその先駆者と言えますが、それが20年位経って一周してまた新しい若い才能に継承されていると感じました

いくつか気に入った動画を紹介しておきます。

The First Takeの「あいまいでいいよ」。塩塚さんによると浮気の歌(?)らしいですが、前向きで明るいロック・チューンです。

塩塚 浮気っていうか曖昧な関係というか。春のモヤッとした空気と、付き合ってるか付き合ってないかわからない関係と、だから曖昧でいいかなって思って。モヤモヤってそういうときにたまるじゃないですか。それをパンッと吹き飛ばすようなイメージの曲にしようと。

「OOPARTS」。アンビエントなシンセが地球の終わりを描いたような曲の世界観にとてもマッチしている一曲。くるりやスーパーカーがシンセを取り入れてバンドスタイルからエレクトロに傾倒していったのを彷彿とさせますね。

塩塚 私の中で「羊文学は3ピースだから3人で演奏できない音は入れない」みたいなこだわりがあったんですよ。でも、くるりさんが「THE WORLD IS MINE」(2002年3月発表の4thアルバムで、ダンスミュージックに接近した1枚)をリリースしたときのインタビューで、シンセを取り入れたことについて「買ったから使ってみた」みたいなことを話されていて。「シンセを買ったから入れた」くらいの軽い動機でやってもいいんだ、と思って(笑)。

「more than words」。呪術廻戦のエンディング・テーマでおそらく羊文学がよりメインストリームで知られるようになった一曲なのだと思うのですが、こちらもシンセが入っていてバンドサウンドに広がりが出ていますね。

そういえば今年はYo La Tengoがフジロックに出てツアーもやって、来年初めにはTeenage Funclubが来るようですね。やっぱり一周回ってまたUSやUKインディーロックのギターポップやギターバンドが再評価されているようですね。

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