両親の関係性の問題は赤ちゃんの睡眠に影響する!?

育休中に乳幼児の睡眠について勉強をしています。

そんな中、Psychology todayというサイトで興味深い記事を見つけました。2011年と少し古い記事ですが、普遍的な内容だと思うのでシェアしたいと思います。

この記事が掲載されているPsychology todayとは・・・
人間の行動を心理学の見地から分析、研究している数少ないタイトル。ビジネス・科学技術といった話題から、人間・自己啓発・人間関係における悩みなどの様々なテーマに沿って、絶えず新しい心理学的見解を発信し続ける。フランスの女優Charlotte Gainsbourgなど著名人を取り上げることも。
               - 雑誌のオンライン書店Fujisan.co.jpより -

この記事を執筆されたMichael J. Breus博士は臨床心理士であり、また米国睡眠医学会の会員でもあるそうです。カルフォルニアの睡眠スペシャリストとして選出された経験を持ち、睡眠分野に関する権威の一人であるようです。


このレポートでMichael J. Breus博士は、夫婦間の問題と子供の睡眠障害には強い関連性があると述べています。

調査対象について:
子供が生後9ヶ月の時から9ヶ月に渡って350組みの家族を追跡調査。両親の行動と子供の睡眠習慣との遺伝的関連の可能性を排除するために養子縁組をした家族のみを調査対象とする。

夫婦関係の不安定さは子供の睡眠に影響を及ぼす

Michael J. Breus博士の研究では、夫婦関係の不安定なカップルの子供が9ヶ月の時点で、18ヶ月になった時に睡眠に問題を引き起こすことが予想できたそうです。この睡眠に関する問題には、眠りにつくことと眠り続けることの両方の意味が含まれています。夫婦間の問題は、子供がどんなに小さくても影響を及ぼすようです。

小さな子供の両親、特に母親は睡眠不足に陥りやすい傾向にあります。そして睡眠不足であることは夫婦の関係性に影響を及ぼす可能性がある、とのこと。

確かに、睡眠不足の時は相手を思いやる気持ちの余裕が持てないこともありますよね。まずは自分が満たされていないと相手を満たすことなんてできません。人間の基本的欲求である”睡眠”の大切さを痛感します。

また、親の睡眠習慣と子供の睡眠習慣には強い相関関係があることもこのレポートでは示唆しています。

両親が良好な関係を継続させ、なるべく睡眠時間を確保し、その上で子供の睡眠改善を計ることが大切なようです。

良好な夫婦関係と良質な睡眠を保つためにできること

やるべき家事・育児リストを共有すること。
家事・育児を見える化することで、夜間授乳を交代制にする、手を抜ける家事は何かを明確にするなどの工夫ができます。手を抜ける家事は手を抜いて、休憩をする時間も大切にしましょう。

自分自身を知ること。
睡眠に関する自分自身の自然な気持ちを大切にすること。早起きよりも夜が得意だという人もいるかもしれません。

One on Oneの時間を持つこと。
赤ちゃんとの生活では、特に母親は全ての時間を赤ちゃんに注意を向けたくなるかもしれません。でも、夫婦関係を育むことも同じくらいに大切です。パートナーとの二人で過ごす時間を、できれば毎日取れると良いですね。

子供が適切な睡眠習慣を身につけるために始めたいこと

就寝時間が近づいたら、活動レベルを落とすこと。
具体的には、テレビや音楽を読書や静かな遊びに置き換えることを提案しています。

就寝時のルーティンを確立すること。
毎晩、無理なく行えるルーティン(例えば、お風呂の後に絵本の読み聞かせをする、など)を確立することを提唱しています。このルーティンでは、親と子供の両方にとって静かで穏やかに、かつ楽しく過ごせる内容のものが良いそうです。

就寝時間を設定すること。
子供の就寝時間を決めたら、一貫性を持ってそれを守り続けることが大切なようです。1〜3歳の子供は一晩12〜14時間眠ることが良いとされる、とのこと。

1〜3歳の子供の夜間の睡眠時間、12〜14時間って長い!!と思っていたら、こんなデータを見つけました。
《各年齢別のベストな睡眠時間》
1歳〜2歳(幼児) 約11〜14時間 許容範囲は9〜10、15〜16時間
3歳〜5歳(未就学児)約10〜13時間 許容範囲は8〜9、14時間
                    -マンガで読むぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方(愛波文)より-

お昼寝をスキップしないこと。
お昼寝をさせない方が夜の就寝がスムーズになるのでは、と考えがちですがそうではないようです。お昼寝をさせること、また子供が眠りに落ちそうな時(疲れすぎている時、眠りに落ちた時ではなく)にベッドに子供を置くことで自力で眠りにつける力を育むと博士は述べています。


この研究では、子供に睡眠習慣を身につけさせることは夫婦仲の健全性を保つためにも重要であると結論づけています。

子供がしっかり睡眠を取れていると、親も眠る時間を確保しやすいですよね。しっかり眠ることで自分を満たすことができ、家族関係も良好に保ちやすくなる、と良いスパイラルになりそうです。

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