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人は家をつくり、家は人をつくる


ひとの身体は「気を容れる器」

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わたしは機会あるごとに「東洋運勢学の辻説法」を心がけていますが、「家相」をテーマにしたセミナーは、いつも満員御礼の盛況になります。なかには住まいの建築図面を持参する方も少なくありません。念願のマイホームへ移転した直後から、家族の病気や体調不良、事業不振など、家相から生じた受講者の悩みは深刻です。

ひとの気は天の気と、地の気を容れる器ですが、家もまた、ひとの気を容れる器(うつわ)ですから、決して疎かにはできません。性善説をとなえた中国戦国時代の儒学者・孟子は、「居は気を移し、養は体を移す。大いなるかな居や」の言葉を遺しています。食べ物の栄養が健やかな身体をつくるように、ひとの住まいは人の気に影響あたえる場になると説いているのです。

良い家相は、住む人の心を強くし、悪い家相は住む人の心を衰えさせるのです。住居は大きく分けると健康面と、精神面に影響をおよぼします。太陽の光や熱の恩恵と、反対にそれらの弊害から身を守ることを考慮することで、健康を維持・向上させることが可能になりますし、精神面でも気分を爽快にすることによって、生活の安定と明日への希望がもてるようになるのです。

住まいはこの二つを満たして、プラスに作用する家相(間取り)が必須条件になります。コロナ禍の現在は、換気への配慮が喧伝されていますが、風通しの行き届いた住まいは、常に新鮮な酸素と血液、毛細血管の隅々まで補給することで、頭脳が明晰になり、内臓機能が活発になって若々しさを保つことができるのです。

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反対に通風や換気が悪く空気がよどんでいる家は、トイレの異臭や、浴室やキッチンの湿った空気が家中に停滞して、いつも酸欠状態になります。居住者は思考力が鈍るだけでなく、判断力にもミスが生じ、情緒不安定となり、ついには神経系の病におかされたり、消化不良や血行障害の要因にもなるのです。

家相をつくる

家相で真っ先に重視するのは鬼門や裏鬼門のほかに、トイレや浴室の位置です。トイレは体の中の不浄物、浴室は身体の表面の汚れを落とす場です。これらの不浄物が、人体の心臓にあたる家の中央にあれば、汚れた酸素や血液が全身を冒すことになります。家の中央でなくても、家族の誰かの十二支がトイレや浴室に当たっている場合は、その人物の健康を損ねる恐れがあります。

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立て売り住宅やマンションでは、家族全員の吉相を求めることは期待できません。家族の十二支にもよりますが、特に南北や東西にのびた長方形の家は、家族の誰かに凶意が発生します。大家族になるほど、正方形の家が望ましいのです。

家相が原因の家庭崩壊は、これまでに多く目撃してきました。主人にとって快適な住まいでしたが、奥様には居場所がなく、門限を決めて夜遅くまで外出していた挙句に不倫が発覚し、刃傷沙汰になったケースもあります。引っ越したとたんに、一家の大黒柱が突然、末期がんや不治の病に倒れた不幸も少なくありません。

古都の老舗に嫁いだ健康な新婦が、たちまち体を壊して車いす生活になり、10数年が経っています。事前の家相鑑定で、その家に嫁げば健康を損なうリスクを伝えていただけに残念でなりません。家族全員の幸せを願うなら、「家相をつくる」ことが理想ですが、経済的負担が重いだけに簡単ではありません。

「店」の漢字に占いがはいっているのは

皆さまのまわりに、出店と廃業を繰り返している店舗を見かけてことはありませんか。店という漢字は小学校2年生で教わりますが、家に占がプラスされた形声文字です。「占」は占いではなく「点」の省略で、決まった場所に出す屋根付きの店をさし、露天商や行商人の区別するために用いられた文字です。

ナニワの船場商人に聞いた話では、昔は店を出すときは方位と家相鑑定が必然だったから、「店」の字には占いが使われているのだと聞かされ、嬉しくなったことがあります。

今は自粛期間中でもあり、シャッターを降ろした店舗ばかりですが、平時でも出店と廃業を繰り返している物件を見かけます。コンパスをもって原因を探りますが、答えは明瞭です。入口(エントランス)の位置に問題があるのです。入念なマーケティングリサーチで満を持しても、物件の家相を見落としていては報われません。

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大阪市内の飲食店数は約9万5000店と見られていますが、コロナ禍の客足減で昨年4~11月に、約3500店が廃業に追い込まれました。家相などと言ってられない非常事態ですが、「山高ければ谷深し」で、コロナ収束後のリバウンドで、ナニワあきんどの商魂は必ず息を吹き返すと信じています。捲土重来を期すおりには、家相にも気配りしていただけるよう、期待しています。




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