80.ものを言うには資格がいる ~立川談志さんと神田伯山さんの言葉~
以前にも書きましたが、神田伯山さんのラジオにハマっています。ポッドキャストで番組始まりのころから聴く事ができ、今では2周目に入っています。一回分の番組が10分から30分位なので、手軽に聴けます。
ある日の番組で立川談志さんの言葉として「ものをいうにも資格がいる」という言葉を紹介していました。とても印象に残りました。もしかしたら、立川談志さんや神田伯山さんの意図とは異なるかもしれませんが、この言葉を、この春新たに、指導者になる人、部下や後輩を持った人たちに贈りたい。
組織に属していながら、その組織を批判する人がいます。その人達には2種類の人がいると感じます。
一方は、自分の処遇や他者の出世を疎ましく思い批判している人。この人達は、そもそもその組織が嫌いになっている人。自分からすると「そんなに嫌なら辞めればいいのに」とても思うような発言が多い。
他方は、所属する組織の劣化を憂い、意見する人。この人達は、組織が好きだったり感謝しているからこそ、批判している。そのため、批判だけに終わらず、当該部署や役職者に対し直接意見を言うことを厭わない。
前者の人は往々にして自身の行動が評価に値しない人が多い。「他人の批判をする前に自分の行動を見直せ」と言いたくなる人が多い。
後者の人は自分自身の言動に責任を持っている。自分のやるべき事を理解し、行動し、努力し、成果を残している。
そこに大きな違いがあるのだろう。前者は自身の言動が伴わないため、「戯言」や「文句」としか受け止められない。しかし、後者は「意見」や「提言」として受け入れられる。
話は少し変わりますが、最近の言葉で「心理的安全性」という言葉が流行っています。「自分の意見や気持ちを安心して表現できる状態のこと」であり、上司や同僚に異なる意見を言ったとしても、人間関係が破綻したり、相手から拒絶されたりしないと感じる状態を指すそうです。
この言葉が出てきた時、すこし違和感を感じました。もちろん、後輩や部下が自分の考えを先輩や上司に積極的に意見する事は賛成です。自分も若い頃、いろいろ生意気なことを上司や先輩に対して言ってきましたが、上司や先輩の多くは丁寧に話を聞いてくれたと感じています(一部、そうでない人もいましたが)。
しかし、自分の意見を言うからには、そもそも指示されたことや、やらなければいけない事をしっかりやっていなければ、自分の意見を言う資格が無いと考えていました。もう少し正確に言うと「聞いてもらう資格がない」。自分なりの責任を果たしたうえでなければ(もしくは果たそうと努力したうえでなければ)、何をいっても空虚に聞こえるからです。「口だけ番長」といった言葉を昔聞いた記憶がありますが、的を射ていると思います。
組織に対して物申すには、または若手や部下を指導するには、自身にその資格がないといけない。その資格とは、自分自身の言動が恥ずかしくない、周囲の手本となるような姿を見せないといけないと感じます。仮にできなくても、「そうしよう」と努力している姿を見せなくてはいけないと思います。
もしかしたら、古い考えなのかもしれません。でも、私自身は「口だけ番長」にはなりたくないので、「もの言う資格」はこれからも意識していきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました♪
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