『あなたの心にダイレクト向かい飛車』制作秘話④偽りの充足感に溢れた空虚な日々。「おれは絶対に味方でいる」
こんにちは、hikky(のぞみんP)です。
さあ、昨日の続きを始めよう。
ありがたいことに「どんな話になるんだ??」と注目してくださる方もいるようなのですが、ヤマ場はもう少し先です。
【2019年 6月上旬~7月中旬】
3人でチームを組んで、動くことになりました。
のぞみん:演者
私:プロデューサー、マネージャー、カメラマン、運転手
Z:アドバイザー
おれの負担が大きいなー、とは当初から思ってました。
(まあ仕方ないか、プロに手伝ってもらうんだから。言うこと聞いておけば間違いはないみたいだし。)
Z「宣材写真が必要だ!とにかく写真を撮りまくるぞ!
お前の写真の腕も上げていかないといけないからな!
一朝一夕にはカメラの腕は上がらない。
だがお前の凝り性な性格はカメラマンに向いてる!
じっくりやっていこう。」
私自身は「おれ、けっこう適当なんだけどな。ギターの音作りとか、細かいとこにこだわるの苦手なんだけど。まあでも、いろんな人と仕事をしてきたらしい、この人が言うのならそうなのだろう。」
こうして、週に1~2回のペースで撮影が始まりました。
旭山記念公園、小樽運河、小樽商科大学(私の母校)、サッポロファクトリー横の旧永山武四郎邸…
このブログのトップ画になっている写真、『あなたの心にダイレクト向かい飛車』のジャケット写真は、この頃に旧永山武四郎邸で撮ったものです。
直前にサッポロファクトリーの美容室で働いている、素晴らしいスタイリストさんにメイクとセットをしてもらい、その足で撮影。
いい写真ですね!笑
少しボカシてあるのはわざとですよ、一応ね。
この画像はちょっと粗いけどね。
ところで将棋の詳しい方は、このジャケット写真を見て、違和感を感じた方もいるのではないでしょうか?
指摘されたことは、今のところないのですが。
写真でのぞみんが指している一手は後手『2二飛車』。
右から2番目、奥から2番目に、飛車を動かすことです。
『向かい飛車にする』一手です。
それではこちらの冒頭を再度聴いてみましょう。
最初に「後手3三銀」って言ってますね。(ちなみにこの声は、私の声を加工したものです。)
「3三」とは右から3番目、奥から3番目のマスのことです。
でもジャケット写真の「3三」の地点にいるのは、なぜか「角」なのです。
なんと、この写真の盤面は『ダイレクト向かい飛車』ではないのです。
『ダイレクトじゃない向かい飛車』なのです。
どうしてこの写真を採用したのか?
もちろん私のやることにはすべて意図があります。
嘘です。
この将棋盤は、のぞみん家のものをお借りしたのですが、のぞみんが駒台を忘れてきたのです。
歌詞にも出てくる角交換(お互いに角を取り合って、持ち駒にすること)をした後に『2二飛車』を指すのが『ダイレクト向かい飛車』なのですが…
取った角を置く場所(駒台)がない。(Ω\ζ°)チーン
私「…仕方ないから、ダイレクトじゃない向かい飛車で写真撮っとくか」となったわけですね。
その後、とってもバタバタして撮り直すヒマがなかったため
私「ダイレクトじゃないけど、ジャケットこれでいい?」
のぞみん「いいですよ(`・ω・´)キリッ」
という流れになったわけですね。笑
なんか制作秘話っぽいですね!!笑
同じ時期、『あなたの心にダイレクト向かい飛車』は、私の大学時代のバンド仲間によって、どんどん形になっていきました。
マルチな才能を持つ音楽オタク、アレンジャーのmikky
カッコいい音でカッコいいフレーズしか弾けないベーシスト、TAKAHIRO
ものの10分で、あっという間にイカすソロを弾いてくれたギタリストrikky
バラードver.の鍵盤はすべて彼によるもの、てっぺい
このメンバーに頼んだ時点で、良いサウンドが出来上がるだろうことは、まったく心配要りませんでした。
ある程度できあがってきたところで、のぞみんの仮歌入れ。
6月半ばくらいだったかな。
心配になりました。
思ってたよりヘタ。
一応私も歌っていたし、バンド時代含めて色々な歌い手も見てきましたが…
典型的な『カラオケで上手いって言われて調子に乗ったタイプ』だな、と思いました。
音をしゃくらずに真っ直ぐ歌うことができない。
協力してくれていたmikkyに「仮歌だし、もう少しユルくていいんじゃない?」と言われながら、最初の歌入れでダメ出ししまくったのが、結果的には良かったのか
2か月も経つ頃には、すっかり上手になっていました。
個人的に歌い手には
①歌に歌わされている
②歌を歌っている
③歌を従えている
の3つの段階があると思っていて。
わずか数か月の間に①⇒②に進化した、と思います。
「おめでとう! のぞみん は のぞみーん に しんか した!!!」
って感じです。
なんでもないです、忘れてください。
そんな感じで、表面的には色々と順調に進んでいるような気がしていたのですが。
段々と「キツイ」と感じるようになってきました。
のぞみんとの撮影以外でも、毎日のように繰り返されるZとの打ち合わせ。
週に複数回、朝まで繰り返されるZと一緒の飲み会。
Z「帰るなんて言わないよな?みんなで飲んでる、この楽しい良い雰囲気をお前がブチ壊しにはしないよな?」
彼は自分ではない誰かを引き合いに出して、自分の言うことを聞かせるのが、とても上手でした。
営業の世界の常識。「第三者の影響力」は強力です。
オススメしたいものを、「いいと思う」と単に言うより「あの人がいいって言ってた」と言う方が、心には刺さるものです。
かくして、本業の仕事にも影響が出始めました。
これは断り切れなかった自分の責任もあるけどね。
それでも楽しい日々でした。「いま楽しい」んだと自分に言い聞かせていたのかもしれない。
それでも、心のどこかで「この人は何かが絶対にヤバい」と思い続けていました。
「完全に心を許したら終わりだ」と思っていました。
日に日に、その思いは強くなりました。
エスカレートする要求。
時々意味のわからんことをわめいて突き放し、急に優しくなる。
なのに離れられない。
DV男になぜか依存してしまう女性の心理と全く同じです。
マズいとわかっていても、ここでダメになってしまったら、今まで我慢してきたことも、すべてが終わってしまうかも。
Zを切ることは、それを受け入れてきた過去の自分を否定することだからです。
人間は自分で自分を否定することを最も嫌うようです。
蟻地獄。マインドコントロール。
それでも「もう付き合いきれない」と思う時が、近い将来に必ず来る。
その時が、のぞみんのプロジェクトが落ち着いたときか、それよりも前か。
Zがどんなに大物で、能力のある人間だとしても。
7月のある時、のぞみんにこんな話をしました。
私「もしかしたら…だけどさ。
いつか、もしかしたら近いうち、Zと付き合い切れなくなって、おれは彼と離れるかもしれない。
そうなったとしたら、希の好きにしてほしい。
CDのこととか今やってることを考えたら、希はZについていった方がいい気がする。
おれには経験も能力もない。CDの作り方もわからない。
ただ、何が起こっても絶対におれは100%、希の味方でいるのは約束する。
曲はちゃんと完成させるし、できる限りの力は尽くす。」
のぞみん「?????(∵)」
私「…まあ、たぶん大丈夫だと思うけど!」
なんのことかわからない表情をするのぞみん。
今覚えてるかな、この時のこと。
いつの間にか、呼び方が『希』に変わっていたのでした。
【2019年 7月 20日】
7月も下旬に差し掛かろうかという頃。
いつものようにZとの打ち合わせ。唐突にZに言われました。
Z「今日からクラウドファンディング始まったからな」
私「え???(∵)」
【次回】
突然始まったクラウドファンディング。
「俺に任せろ」って言ってたし、大丈夫なんだろうな。(他人事)
第4回、むちゃくちゃ長くなってしまいました。
ジャケット写真のくだりで尺を使い過ぎた。
こぼれ話がメインの回です。
取っ散らかってしまった。
なんか愛の告白のような、ドラマみたいなセリフがありましたが。
一応、本当に念のために言っておくと。
私とのぞみんの間に恋愛関係は、今も過去も一切ありません。笑
明日もどうぞお読みください!
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