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引き分け
2020年6月27日 12:56
わたしは超絶怒涛のメンヘラ女だった。彼がいないと生きていけないと思っていたし、生きている意味みたいなものも、彼なしの人生では曖昧に感じられた。彼と会っていない日のことはあまり覚えていなかったし、会う予定がなくてもいつでも会えるようにと、すべての予定を彼のために空け、捧げた。「俺の精神安定剤になって。」たしか付き合う前にそんなことを言われた。いま思えばこの時点で相当ヤバい。この人
2020年10月28日 20:29
ついこの間まで半袖で暑い暑いと言って、日傘も手放せなかったのに、今は当たり前のように長袖に腕を通している。最近は金木犀の匂いなんかして、気が付けばもう夜だ。卒業が他の人より半年遅くなった彼は、たしかすこし秋を感じるこれくらいの季節に、この場所を離れていった。地元で就職することが決まっていたからだ。こっちで就職をしないと打ち明けられたときのことは、正直まったく覚えていないのだが、それでも