国立大卒ADHD引きこもりニートとにじさんじ

Vtuberグループにじさんじに惚れ込んだ人間が自分語りします。
ソフトな表現にしているつもりではありますが、この文章には前世や魂といった概念が登場します。

序章

私は幼い頃から察しの良い、物分りの良い子だった。私には兄がいたけれど、体は弱く兄はよく入院していた。母は兄の病院に行くので、私は母方の祖母の家に預けられることが多かった。おまけに兄は頭も悪く、父方の祖父母が私の目の前で、「この子はしっかりしていて良いけど、兄の方はだめだ」と言うのを聞いた覚えがある。別にお前が褒められたのなら良いだろうという考えもあるだろうけれど、私は祖父母からそんな話は聞きたくなかった。服も自転車も私が使うものはほとんどがお下がりで、自分でなにかを選ぶことがなく、誰かが選んだものを受け取ることのほうが多かった。私は末っ子の妹ではなく、長女だった。

中学、高校とろくに遊ぶこともなく、勉強ばかりして過ごした。家族は優しく、まぁ良い家庭に育ったのだと思う。幸い勉強だけはできたというか、やらざるを得なかったというか、ただ環境に流されるまま国立大学に入学することになり、きっと自分はこれからも何不自由なく過ごすのだろうと思っていた。

大学を出てから、新卒でプログラマーとして働きはじめた。大学が情報系の学部だったので、それ以外することがなかったからだ。父親は消防士、叔父は警察官、祖父は県職員、叔母は小中学校の事務、いとこの母は小学校の教員と、そろいも揃って公務員だったので、特に父親は私にも公務員になってほしかったのだろうと思うのだけど、私が無能すぎて公務員試験には受からなかった。かといってプログラマーの仕事もうまくいかず、怒られてばかりだった。夜に仕事が終わって大通りの歩道橋を歩いて帰る頃、橋の下にたくさん車が走るのを見て、ここから落ちたら死ぬのかなとぼんやり考えて、いやいや自分は何を考えているんだと頭に浮かんだ考えを振り払ったこともある。暗い話はもっと書こうとすれば書けるのだけど、この辺にしておこうと思う。

まぁそんな感じで仕事を首になって、その後二社ほど事務職を経験したけれど、結局それもうまくはいかなかった。頭だけは良いので職場の業務改善アイディアコンテストで入賞しておきながら、仕事ができなさすぎて首になるという謎の経験もした。事務職を首になって、学歴だけの無能であることが情けなくて、ぼろぼろ泣きながら父親に、もうがんばれないよと言った。父は私よりもずっと努力家で、優秀な人だ。でも彼は私の優秀さを誰よりも信じていて、私ががんばれないということを受け入れられなかった。「父さんよりずっと頭の良い人が何を言っているんだ」と何度も言われたのだけど、私にはもうがんばれない、無理、と言うことしかできなかった。私はニートになった。

それからというもの、だらだらと日々を過ごしていた。Youtube見るくらいしかすることが.なくて、毎日いったい自分はどうなるんだろう、このままずるずると死んでいくのだろうかと、漠然とした不安を思いながら生きていた。

あるとき、Youtubeのおすすめに、ある動画が表示された。

月ノ美兎

美兎、月ノ美兎。そういえば昔、名前だけは聞いたことがあった。
実際には見たことがなかったし、一回くらい見てみようか。

これが私とにじさんじの出会いだった。

引きこもりニートとにじさんじ

最初にどの動画を見たのかは覚えていない。ただバカみたいに笑ったことだけははっきりと覚えている。もし月ノ美兎およびVtuberグループにじさんじをまだ見たことがない、ネットのノリみたいなものが好きな方がいれば、ぜひ見てみてほしい。

次におすすめに表示されたのは、鈴鹿詩子だった。これまたおもしろかった。私自身は普段BLは読まないのだけど、詩子さんを見るときだけは、やっぱりホモセックスは最高だぜ!という気持ちになれる。美兎ちゃんと詩子さんの二人は今でも特別な感情を持っているライバーだと思う。

美兎ちゃんがシャニマスの担当について発言したとき、小糸ちゃん、自分とは正反対の存在だからこそ起こるものがあると思う、みたいな趣旨の発言をされていたんだけど、かわいいかはともかく、ひっそりと家の隅で一人のニートが心を動かされていた。

しばらく動画を漁ったあとに、ひさしぶりにこんなにゲラゲラと笑ったな、世の中にはこんなに無茶苦茶な人生を過ごした人が存在していたのかと思った。
自分の人生にもこんなバカみたいな可能性があったのかとぼんやりと思った。こんな生き方が自分もできただろうかと憧れる気持ちが湧いてきた。

とはいえ、この二人はあまりにも自分からかけ離れた存在だった。言ってしまえばにじさんんじライバーなんて全員自分とかけ離れた、遠くの存在なのかもしれないけれど、一旦それは置いておいてほしい。美兎ちゃんと詩子さんは私にとって憧れの存在であり、とても手の届かない存在だったんだ。

いろいろ過去の動画を漁っていくうちに、美兎ちゃんと詩子さんは、にじさんじという同じVtuberグループに所属していること、にじさんじには他にも大勢のライバーが所属していることを知った。あの頃はこんなに大勢覚えられないだろうなと思っていたね、懐かしい。

大型コラボの動画をいくつか見るに連れ、いろんなライバーの良さを知った。その度に面白いなぁとゲラゲラ笑った。ふと大型コラボの際に、いつも画面の端にひょろがりのもやしがいることに気がついた。個性的な人が多いにじさんじの中で圧倒的に普通の人で、なんだこいつと思ったような気がする。

今では立派な燃えカスとなった、炎上の代名詞。にじ高ベンチの炎のエース。当時はまだ炎上していなかった夢追翔というライバーの存在を、その時はっきりと認識した。

彼は本当に、本当に普通の人だった。知れば知るほどただの人で、周りの天才達の引き立て役とまではいかないかもしれないけれど、少なくとも埋もれているように感じた。当時見た過去の動画の切り抜きでは、知名度と登録者が釣り合わないと言われていたような気がする。だから、そんな普通の人がにじさんじで活動するのは、とても努力が必要だったのがわかった。配信者はもちろん、配信者以外の普通の生活をしている人だって毎日努力して、日々の生活を送っているのだと思う。でも夢追翔はただの普通の人で、努力だけで夢を叶えたのだと強く感じた。

いくつか彼の過去の動画を見るにつれ、徐々にその努力で夢を叶えた人という印象は徐々に強まっていったんだろうと思う。

あるとき彼の新衣装の発表があった。赤いアイドル衣装みたいなやつだ。袖が取れる。
当時私は新衣装の発表というのを、新しいスキンの追加だと考えていて、あぁ配信で使用できる立ち絵が増えるんだな、そのお知らせがあるんだと思った覚えがある。

まぁでも軽い気持ちで、ちょっと見てみるかと思った。結論を言うと、一人でぽろぽろと泣いてしまった。無職ニートなんでスーパーチャットなんて縁のないものだったとはいえ、そこまで健全なお金の使い方には思えなかったのだけど、その時スーパーチャットは応援したいという気持ちの現れだと思ったんだ。別に何らかの見返りを求めるわけではなくて、活動のなかで彼を応援する人が増えて、彼に元気をもらう人が増えて、その結果として新衣装だったり、スーパーチャットだったりにつながっていると感じて、彼が大勢の人に応援されているということがうれしくて、ぽろぽろと泣いた。私は本当に彼を好きになったのだ、ファンになってしまった、そんなふうに思った。

私はその日新衣装のスキンではなく、努力で夢を叶えた人の姿を見た。


しばらく経った後、Zepp福岡というイベントがあった。
これは葛葉、叶、加賀美ハヤト、剣持力也の四名という、どちらかというとアイドル売りの傾向のある男性ライバーが出演する音楽イベントで、夢追翔が司会を担当していたらしい。剣持がドル売りかは一旦置いておこう。舞元よりはドル売りやろ。私はニートなのでイベントとは縁がないのだけど。

でも夢追翔がイベントの後で感想を語る配信は見た。
そこで彼は「すごく良かったけど、本当は司会ではなく出演者として出たかった」と言っていた。

その一言で私は思ってしまった。ライバーになりたい。
強い憧れを抱きながらひどく遠い存在である、月ノ美兎と鈴鹿詩子という二人との間に、夢追翔という存在を介すことで、ずいぶんと私はそちらに気持ちが持っていかれてしまった。

そうか、司会がいないのか。だったら私がやりたい。
今思えばずいぶんイカれた発想だと思うけれど、何もがんばることができない私は彼らの隣に立てるのなら、がんばれる気がすると、そのとき本気で思った。
ふと新卒で働いていた頃のことを思い出した。新歓の飲み会で無茶振りされたときに、勢いだけでした一発芸が「同期の中で一番面白かった」と言われてうれしかったこと。お世話になった上司に「君はもっといろんな人に会いなさい」と言われたこと。私ライバーになるべきかもしれない。今まで見たことがなかったもの、知らなかったことを知るべきかもしれない。

神田さんが昔、自分にお金を使うなと怒っていた話を知っていた。おかずを一品追加できる人がスパチャしてね、と。今の自分はどうだろう、とても安心して応援できるような人間ではない。自分を応援してくれる人に、私にお金を使ってくれなんて言いたくない。だったら。

就職しよう。

私はライバーになるために、もう一度社会に出てがんばろう。だめかもしれないけど、がんばってみよう。応援してもらえる自分になろう。

自治体の引きこもりの相談窓口を探して電話をかけた。
もう長いこと人と話すことから離れていて、はい、と電話に出た人に何と答えたら良いかわからなかった。

「あの、これって、相談とか乗ってくれるところであっていますか」

のどの筋肉が落ちていて、口の可動域がとても狭く、か細い声しか出てこなかった。

「私、ずっと家にいて」

「でも何とかしたくて」


「助けてほしい」


ニートと心の相談窓口

私が最初に取り組んだのは声をまともに出すことだった。のどが動かない。無理して動かそうとすると、ひっかかりのようなものを感じて、それ以上動かない。普通に人と話す声量を出そうとすると、ガラガラの低い声しか出なかった。

心の相談窓口では県の心理カウンセラーの方に、よくここを見つけて勇気を出して電話をかけてくれたと褒めていただいたのだけど、寝れてえらいと言われているような気持ちだった。彼女には年度末で移動になるまでお世話になることになった。彼女はよく私のことを、本当に素直でかわいくていいこ、会ってお話すると私の方が勉強になると言い、ずいぶんと良くしてもらった。

彼女には今までのこととか家族のこととかを聞かれ、冒頭で書いたことよりも暗い内容を話した。今なにかしたいことがあるかと聞かれたときに何も思いつかなくて、家族から離れたいこと、引きこもって伸ばし放題になった髪を切りたいということしか思いつかなかった。
愛情深く優しい両親に育てられて、自分は何も不自由なく生きてきたと思う。ほかにもっと苦労をされた方はいくらでもいるのだと思うのだけど、自分はなんてわがままなのだと思うのだけど、それでもその時一番に望んだことは親から離れることだった。

あまり焦らず長期的に、少しづつがんばってみましょうという話で、とりあえず終わった。
さすがにVtuberになるために社会復帰しようとしていることは言えなかった。冷静に考えて意味わからんもんな。

ニートとオーディション

さて社会復帰の第一歩とはいかないにせよ、引きこもりを脱するための段階は踏むことができた。

社会復帰の進捗はともかく、私はやらねばならぬことがあった。オーディションだ。

配信経験もなければFPSもやったことがない。歌ってみたなんて出したことがない。
でもオーディションは出なければならぬ。そのためにがんばろうと思ったんだもんね。お前頭おかしいよという冷静なご意見は一旦置いておいていただきたい。

謎の特技はいろいろとあったのだけど、創作活動の経験として書けるものがない。
Minecraftがバカほど上手ければ、FPSがバカほど上手ければ、嘘と人狼がバカほど上手ければ、配信経験のなさはある程度カバーできるとは思った。Minecraftはちょっとは練習した。嘘は無理、なんでも表情に出るし、なんなら身振り手振りもやや大きめだ。騙されやすく何でも信じちゃう。ライバーになろうとする以上、夢小説のひとつやふたつ書けねばならぬと思ったのだけど、これも難しかった。たまたまテレビで見た奄美大島のきれいな青い海を見て、黛灰の擬人化やんけと思い、黛と旅行に行く話を書こうとしたけど、さっぱりだめだった。自分は妄想とか想像が苦手らしい。アンジュはすごい。

MMOを少しやっていて、その頃感想というか自分の気持ちをだらだらと書くブログをやっていたのだけど、身内しか読まないようなものだった。でもクソほど長い文章でも、面白くて過去の日記も含めて全部一気に読んだと言われるくらい、身内には大人気だったよ。
私リンパマッサージできるよ。あの内側からほぐすやつ。いや人体には血管とともにリンパ管という老廃物を運搬し排出を促す管があり、そこに老廃物を流し込んで、筋肉の疲れや痛みを取るやつ。シノビリフレではない。まぁでもこれは配信には使えないだろうね。
趣味は日本画鑑賞で、これはアピールすれば個性にはなるんじゃないかなと思った。リオン様とか洋画がお好きだし、ヒスピのように紅茶がお好きな方もいるしね。ただ配信として日本画に需要があるかっていったら、それはないやろな。
学歴だって別に高いわけじゃない。そこそこ高いは個性にならない。国立大学卒なんてろくなものじゃない。何がやばいかって、普段「頭良いんですね」と言われて、いや大したことないですよと答えるのに、内心うきうき、山より高いプライドもにっこり。陰キャは自分で陰キャと称するのは良いくせに他人から言われるのは嫌だし、二十代後半は自分からおじさんおばさんと言っておいて他人から言われるとむっとくる。そういうものだ。ちなみに東大、京大といった、いわゆる旧帝大に対するコンプレックスはやばい。最近ではYoutubeにまで東大卒おるやんけ。国語と数学は得意だったけど、数学と物理は満点なんてこともない。
しょうがないから飾り巻き寿司ができるということを書くことにした。具材をくるくる巻いて、金太郎飴のように模様を出すというものだ。配信もクソもねぇよ。おせち作りには呼んでくれ。

あとは雑談についての解説の本を図書館で借りて読んだり、声を出す練習をしたりした。もともと声は「いろんな声を聞いてるけど、その中でもめちゃくちゃ良い」と言われ、「ボイトレとかされてますか?」と聞かれるくらい良い声だったのだけど、特に男性らしい、低くてかっこいい声の出し方を本気で練習していた。Zepp福岡、前述の夢追翔が司会を努めたイベントはドル売りの男性ばかりだったから、そういうイベントで代わりになろうとしたら、やはり女性の声より男性の見た目と声の方が好ましいだろうと思ったからだ。MMO時代はチャットで男性だと思われることが8割だったので、精神性は女性よりもむしろ男性に近い。なんなら女性から交際を申し込まれた。心は男性、声も男性、あとはガワに一物を宿せばそれはもう男性だろうと、割と大真面目に考えていた。

特にこれといってアピールポイントがないから、度胸と根性だけは示そうとは思っていた。ホラゲーが怖くてできないので、もし受かったら漏らしてもいいように介護用おむつ履いてホラゲーやります、とかそんなことは書いたような気がする。

何も特技らしい特技として書けるものがないにもかかわらず、私は私にしか表現できないものがあると信じていたし、今もそうだ。きっと私にしかできない、何かしらの価値を提供できるだろうと信じていた。
だからこそ、ワンチャン受かってしまったらどうしようと本気で心配した。親はまちがいなく反対するだろう。本当に受かったとき、どうしても親に反対されたときには、もう家を出て東京に行こうと思っていた。遅れてきた反抗期はスケールが大きい。

ライバー

必要な事項を記入すれば、誰でもにじさんじオーディションに応募することができる。私もそうだ。

だけど、なかなか応募に向けての行動となると気が進まなかった。

炎上だったりクソマロだったり、楽しいことばかりではないというのはなんとなく知っていた。本当に私はライバーになりたいのだろうか。

一応でびでび・でびるの配信で、クソマロ食べログという普段配信に載せられないようなマロを読むという内容は見た。なんとなくもやもやとした気持ちにはなったかな。きっとたくさん叩かれるのだろうとは思うのだけど、なんとなく耐えられる、がんばれるような気がしていた。結局その当時そんな気がしていただけで、実際はどうかわからないけれどね。

でも、そもそもライバーって、どんな人なんだろうか。私はどういう立場になりたいと言っているのだろうか。どういう人間になりたいと思っているのだろう。

ひとつはっきりとした答えを提示してくれる手段があることを、私は知っていた。


にじさんじ 前世


検索結果はもちろんあっさり出た。便利な世の中だ。
前世について知らないという方は検索は自己責任で。おすすめは絶対にできない。この文章は特に知らなくても読める。

ガバガバロールプレイでJKがどう見てもJKではなくて、中学生の好きな飲み物はハイボール。そんなにじさんじを私は好きになったはずだ。そうだったはずだった。

でも実際には軽い吐き気に襲われて、しばらく気分は最悪だった。私はこころのどこかで、配信画面の立ち絵そのままとはいかなくても、せめて服や髪型くらいは似た姿で彼らが存在していることを望んでいたのかもしれなかった。

ニコ生出身が多い、なんてなんとなく知っていた。28とか34とか、年齢を数字で書かれるのは、まぁ別にそれはいい。だけど顔写真つきで紹介されるのは違った。
アイドルマスターのアイドル達は、ただの夢見る女の子だったかもしれない。だけどそれはフィクションだ。素人物のAVには本物の素人が存在しないのと同様に、ライバーだってプロと経験者ばっかりだ。

神も、吸血鬼も、鬼も、未来人もAIも、存在しなかった。でびでび・でびるの前世はでびっちだったし、早瀬走の前世はサトシだった。ふっくら大福もつるすべ饅頭も、人智を超えた顔の大きさをしてるわけじゃない。にじさんじなんて最初からなかった。一期生とはアプリのプロモーションのために集められたテスターだった。

ピアスつけてるってライバーもいるけど、そもそも私が生きてきた中で、ピアスなんて付けようとしたことがあっただろうか。そんなこと考えもしなかった。美容院で髪を染めることだって随分と不良になった気持ちだったのに。
メイドカフェ、執事喫茶で働いていたとか、そもそも私は客として行ったことすらない。ちょっとふわっと考えたことがあったとしても、実行に移すなんて想像もしなかった。チャットレディも、出会い系のサクラもしたことがない。ニコ生で配信しようなんて考えたこともないし、見るのも怖いイメージがあった。

私はいったいなんの夢を見ていたのだろうと思った。そもそも住む世界が違いすぎる。
異世界から来たライバーよりも、演者のほうがずっとずっと距離が遠い。

本当に私はライバーになりたかったのだろうか。


ニートと夢見るこころ

ライバーになりたいと思って、何もがんばれないと思っていた自分でもがんばろうと思った。そのはずなのに、ライバーになりたいかどうかすらわからない。しばらく元気になれない日が続いた。

数日経った後、ふとMMO時代のことを思い出した。私には親しくしていた人がいたけれど、それに嫉妬した人が嘘をついて、私が人を嫌うように仕向けたことがあった。当時はその嘘をあっさり信じてしまって人を遠ざけた。自分が嘘をまったくつかないので信じられないのだけど、嘘というものが存在するなら、私が見た前世というのはすべてが本当のことだろうか。

たとえばだけど、男性ライバーが「ひまわり柄のシャンプーを使っています、好きなアニメのキャラは平沢唯ちゃんです」って言うのは、うーんこれは本当松

そうではなくて、仮にの話。ある女性がネットで「男性ライバーに強姦されたあげく妊娠しました、堕胎を強要されました」と主張していたとして、それは本当のことかもしれないけれど嘘かもしれない。
もしそれが本当なのだとしたら、その女性がするべきなのはネットで騒ぐことではなく、民事訴訟だ。だいたい配信者のガチ恋勢なんて、もちろん良識のある方が多いのはわかってはいるけれど、一部のやばい人はやばい。過激な行動に走る人はいくらでも過激な行動ができてしまうし、ネットの性質上過激な内容な方が伝わりやすい。

一度最近見たものをすっぱりきれいに忘れてみようと思った。配信で見る彼らのことだけを考えてみて、他人が何を言っているかはすべて忘れよう。

配信で見る彼らのことだけを考えたら、なんだか急に怖くなくなった。だって本当に怖くないんだもん。ピアスは怖いなとは思うのだけど、それはただの外見的な特徴にすぎない。私の思い込みが勝手に怖さを作り出しているだけだ。
彼らが平気でできることで、私が心理的にできないことはたくさんある。だけど私は彼らのようになりたいと思ったんだから、変わらなければいけないのは、むしろ私の方だ。
ガワが男性で中身が女性でも、ガワで自分が男性だと主張しているのであれば、少なくともガワは男性だ。アンジュだって自分は女性だって言ってるから、きっと女性だ。

にじさんじというものが最初からすべて嘘で、存在していなかったとしても。ガワの中身が男性だろうと女性だろうと、どちらでもなくても、40代でも既婚者でも交際していようと、同性愛者だろうと異性愛者だろうと。ほかに私の知らないことがいくらでもあったとしても。
仮面がはがれたあなたに、何度でも同じ夢を見ると約束しよう。私は私がもらった夢と元気を誰かに届けたい。

よし、オーディションに応募しよう!
私は応募フォームに必要な事項を記入し、送信した。

一週間後、メールの返事は返ってこなかった。
私はにじさんじライバーのオーディションに落ちた。

ニートと夢のあと

オーディションに応募してみてから、一週間が経った。
自分の経歴には一切自信がなくて、もちろん受かるとは思っていなかったけれど、でももしかしたら本当に受かってしまうかもと思うくらい自分という存在には自信があった。

私がオーディションに落ちる前提で応募する前に何より恐れていたのは、落ちた後に苦しくて、にじさんじの配信を見れなくならないかということだ。でもそんなことはなかったので、良かったなと思う。

ベッドの上に座りぼんやりと、あぁ落ちたんだなぁと思った。本当に受かりたかった。

自分のことを思い返す。引きこもりニートになって、オーディションにも落ちて、これ以上落ちるところがないなあ。プライドも何も、落ちるところまで落ちたなぁ。

だったらもう、何やってもいいな。

昔の私の関心事は、第一に親に心配をかけないこと、第二に世間に迷惑をかけないことだった。今の私が思い返すと、少なくとも逆ではないか、第一に世間に迷惑をかけないことを考えるべきではないかと思うのだけど、本当にそういう思考だった。世間に迷惑をかけるより、親に心配をかけることのほうが怖かった。

だけど私は自分の意思でライバーのオーディションに応募することだってできた。私はやろうとすれば、自分が思っているよりも、もっともっといろんなことができる。
だって受からないだろうと思ったオーディションにメールを送って、採用担当者の方の手間を少し増やすことになったわけですよ。もし受かったら家出も視野にいれて、世間に迷惑をかけるようなことをして、失うものなんてもう何もない。Vtuberとかいう世間体カスのオーディションに応募できるなら、他に何をやったって大丈夫な気がした。

何やろうかなって考えて、そういや昔絵を描くのが好きだったなと思い出した。
絵がバチクソに上手ければ、時間もお金もだいたいのことが解決できると思った。自由になることが今よりもっと増えるかもしれない。歌ってみたを出すにも絵がいるから、もしかしたらライバーが私に声をかけてくれるようになるかもしれないし、なんならバーチャル個人勢になってもいい。

今の私が彼らの隣に立つ価値がないと言うのなら、ならそれだけの人間になってやろう。いつか直接ライバーと会話する機会があったら、そのときはきっと、私にもう一度人生をくれてありがとうって伝えよう。

そんなわけで、私は有り余る時間を使って絵の練習をはじめた。

すっぱりきっぱりオーディションに落ちた後、私は心理カウンセラーの方との面談があった。なんだか先月よりもずいぶんすっきりとした顔をされているけれど、なにかありましたかと聞かれた。

Vtuberの説明は難しかったので、アイドルと称することにした。
本当にこれ頭おかしいんじゃないのとかバカにして笑ってもらっていいんですけど、と前置きをして、私は話し始めた。

アイドルの動画を見て、自由な姿に感動したこと。アイドルになりたくて、アイドルになったときに応援してくれる人が安心して応援してもらえるよう、定収が欲しくて就職しようと思い、この窓口を探したこと。私は本当にアイドルになりたかったからオーディションに応募して、そして落ちたこと。落ちた後にこれからがんばろうと思っていること。

かなり突飛な話だったけど彼女は真剣に聞いてくれて、人って本当に何歳からでも、変わろうと思えば変われるんだって感動した、と言った。

そんなことがあってから、この文章を書いて投稿するまでに、実は彼女以外に2人の人に私のことを知ってもらう機会があった。ひとりは本当に泣いてしまったと言い、もうひとりも私のことを知ってこちらも元気になったと言った。三人にしか話していないけれど百発百中、全米も号泣だ。
後々いつか大勢の人にこの話を聞いてほしいなと思うことにもつながっていった。

もし配信経験も特にないし、なんの特技もないけどにじさんじ入りたいですって人がいれば、とりあえずやけくそ気味に書けることを書いて応募してみると良いと思う。もちろん落ちるだろうとは思うけれどね、私は本当に受かろうと思って応募したし、今でもいたずらメールもスパムもしていないと自信を持って言える。採用担当者の方には少し仕事を増やして申し訳なかったなとは思うけど、応募してみてよかったよ。

ニートでADHDって終わりやな

ここからは少しづつ私が社会性を取り戻していく話になる。
心理カウンセラーの方との面談を通じて、どうも私はADHD、発達障害の傾向があるらしいと言われた。

正直にじさんじとの関わりは話として薄いので、書くかどうかは迷ったけど、タイトルの人生終わってる感が強まり、人目を引きやすいかなと思ったので、せっかくなら書こうと思う。

病院で知的水準、いわゆるIQをはかることになったので、結果を紹介する。私は専門的なことはわからないので、病院でもらった紙の内容をそのまま書く。

全検査IQ=118 (同年齢集団の平均=100)(誤差範囲 113~122)

言語理解(知識、言葉での理解や表現する力) 群指数124
知覚推理(目で見た情報から、推理・理解していく力) 群指数112
ワーキングメモリー(耳で聞いたことを記憶し処理していく力) 群指数109
処理速度(目で見た情報を処理して素早く作業する力) 群指数111

知的な能力は平均して高いくせに、能力のばらつきがひどく、普通の人が当たり前のようにできることが先天的にできないらしい。発達障害は障害者手帳も取ろうとすれば取れる、いわゆる手帳である。専門的な話は控えるけれど、心理カウンセラーいわく、そもそも脳の神経の伝達自体が通常と異なるらしい。障害が目に見えないからわかりにくいだけで、がんばろうとしてもできないのは当たり前のことであり、足を骨折した人に自分の足で歩けと言うようなもの、そんなの無理だから車椅子が必要とのこと。私もその話を聞いてしばらくは、そんなことない、自分がバカでだめで、どうしようもないからがんばれないんだと思っていたのだけど、今はそういうものなのだと思うようにしている。なかなか理解が得られない、一般就労が難しいのは、まぁしょうがない。
言語理解は突出して能力が高く、最近会った人には「ずいぶん話し方が柔らかく、説明もわかりやすいですね」と言われたので、まぁたぶん検査結果は合っているのだと思う。

不注意だったり集中力の欠如、遅刻癖などが発達障害の特性として挙げられるのだけど、別に障害に対して世間の理解を得ることが目的ではないので、おもしろエピソードとして紹介しよう。

・しいしいの遅刻エピソードを初めて見たときに「え?普通じゃね?」と思った。最近は遅刻が悪いことだと認識できたので、がんばってはいるけど、以前は一時間単位の遅刻は普通のことだと思っていた。
・電車に乗るのがへたくそ。当然のように逆方向の電車に乗ったり、乗り過ごしたりする。居住している市から隣の市に出かけ無事目的地にはつけたものの、用事が済んで帰ろうとしたらなぜか県外についた。
・新幹線に乗る機会があったけれど、目的地に対して「どうせ自分が電車に乗ってもまともに到着することはできないだろうから約束の数時間前に出かけよう」と最初から諦めて電車に乗った。当然のように新幹線で目的地を乗り過ごした。結果として約束の時間には間に合った。

ライバーやんけ!と思われた方、うむ!

正直私のエピソードをいくつか非公式Wikiに書いてもバレへんやろなと思ってる。ライバー並の社会適応能力で、社会でがんばろうっていうんだから、これはすごいことですよ。

引きこもりと社会とのつながり

その後はまぁいろいろがんばったりがんばらなかったり、いろいろとして過ごした。

当初私は今したいこととして、親から離れたい、髪を切りに行きたいというのを挙げたのだけど、オーディションに落ちてからは少しづつ親から離れたいという気持ちは薄れていった。髪もなんだかちょっと元気な日に、今日は家の外に出ても良い気がする!と突然思い立ち、あっさりと切った。

叔母が知り合いのエステ店の店長に、どういうわけかHTMLがわかってパソコンに詳しくて、デザインやキャッチコピーのセンスが良くて、時間はかかるけれど商品の紹介文を書くのが上手くて、頭もよくて理解力も高い、謎のニートがいると紹介してくれたので、私はその店長を技術面でサポートすることになった。なんか手違いで今はエステセラピストの練習などをしている。

父の勧めで国勢調査のアルバイトをしたのだけど、びっくりするほど失敗した。あとから失敗に気がついて、ちゃんとごめんなさいの報告だけはした。これは国勢調査の用紙をまちがえずに各家庭に配るというだけのことなのだけど、相変わらず「誰でもできる」ことができないらしい。

あとは割と積極的に料理をはじめた。まぁ簡単なものしか作れないけど、おかずを一品作って、少し離れて住む母方の祖母にときどき届けに行っている。なので引きこもりのくせに家の外に出る頻度は高い。

就職が困難な人のためのサポートをしてくれる自治体の施設に通うことになった。そこで勉強したり、職場見学に行ったり、自分の人生の中で経験してこなかったことをした。一般的には中学の頃などに職場体験とかするらしいのだけど、私学で勉強しかしてないのだ。
グループワークで自分の強みを見つけよう!みたいなやつをやった。A4のぺらぺらの紙20枚を使い、制限時間内になるべく高く積み上げるというものだ。はさみとのりは使用不可。丸めたり、折り曲げたり、手で切るのみ可能。男性3人のチームと私を含め女性2人のチームで競うことになったのだけど、なぜか私は過去にこの課題に取り組んだ記録も含め、歴代最高記録を樹立してしまう。引きニートが就職支援に行ったら無双してしまった件についてである。チート感もクソもない。まぁこういった課題というのは、実際に記録を出すというよりも、自分がどういう強みがあるのかを理解することが重要なので、どういう結果が優れていて、どういう結果が劣っているということもない。ただ自分という存在の意味不明さが深まった出来事だった。

あとはそういう就職支援みたいなところに出入りしていると、普段会うことができないレベルの変わった人に出会う機会があった。あまりにも衝撃的すぎて、この出来事に関しては詳細なメモを取っている。
その人は中学のころからろくに勉強をせず、経歴詐称をしながら就職と退職を繰り返して、80社になるらしい。美術、宗教が好き、仕事でイライラしたときにわざと読みづらくなる行書、つまり文字をつなげた書き方をして、読めないと言われてまた怒られるということだった。それで嫌になって辞めてを繰り返して、いっそ自分で起業しようと思い立ち、今法律の勉強をしているということらしい。
正直私にはそもそも80社辞めることすら難しいと感じた。だって私なんて3社辞めただけでも自分はどこかおかしい、がんばれないと思ったのに、この人はどこか自分が悪いと思う機会がなかったのだろうか。書道に自信があると本人は主張していたけれど、正直字がきれいとは言えなかった。イライラしてわざわざ読みづらい文字を書くって、それは単なる嫌がらせに思えた。自分はこんなところに収まっている器ではない、もっと立派な服を着て、ちやほやされて、もっと良い生活ができて当然だとでも思っているのだろうか。法律の勉強をして起業しようと思っているというのも、そんなにがまんができないなら起業ができたとしても続かない気がする。やめておいた方がいいと思うと内心思った。
でもまぁ、ふと自分のことを思い返してみた。無職引きこもりのニートで、絵の練習をしてます。字面のやばさバトルでは良い勝負ができるレベルだ。ただ国立大卒という過去の栄光だけで、正直あまり変わらない。たまたま私が優しく真面目で尊敬できる両親に恵まれたからこそ、愛情深く育てられたからこそ変なところで絶望せずにいられるだけで、もしかしたら私もこんなふうになっていたかもしれないと思った。

そんな話を心理カウンセラーにした。やばい人の話には絶句していた。でも私も似たようなものだよね、という話をすると、「私はこうやって直接お会いしてお話しているから、違うってわかるけど、文字にすると・・・」みたいな反応だった。彼女は私のことをずいぶん過大評価していたこともあったのだけど、理屈はしぶしぶ理解するような感じだった。
私が話終えた後に彼女はこう言った。「今まで苦労したかもしれないけれど、だからこそ見えるものが増えたのかもしれない。これだけ頭が良くて、できることも多くて、でも弱い人の立場に寄り添って考えられる人はなかなかいないと思う。あなたにしかできないこと、伝えられないことがあるかもしれないね」

最近のニート

クソ長い文章をここまで読んでくれた人がいるんだろうか…
嘘松かっていったら、こんな壮大な松ができるなら俺なんらかの仕事に就けると思う。よかった無職引きこもりニートなんていなかったんや。

こんな感じでニートは少しづつ社会性を回復させていっている。
最後に少しだけ、長文で最近の私について書いて終わろうかなと思う。

最近祖母の付き添いで出かけた。ちょこちょこと面識のない人と話して、また祖母と帰宅した。帰った後に、自分では気づかないかもしれないけれど、前よりずっとしっかりして偉くなったと祖母に言われた。正社員として働いていた頃よりニートがしっかりしてるなんて、なんだか不思議な話だ。

実はこの一連のオーディションの話は、絵描きとして有名になったら、そのときにしようと思っていた。絵を練習していたからね、有名になって、私の話を聞いてもらう価値ができたら誰かに私のことを知ってもらいたいなって。でも時間が経てば経つほど、当時の自分の気持ちが思い出せなくなっていく。いろいろ心境の変化があって、一度この話をまとめて振り返っておこうと思った。

絵はサボる時もあったけれど、割と継続的に練習していたよ。

これは俺の叶

イラスト6_2

じゃなかった俺の描いた叶

叶くん好きなのかっていったらそりゃあ全人類は叶と結婚したい。
宇宙に思いを巡らせると、地球という母なる大地を通じて俺は叶と同棲している。銀河系に、太陽系に、地球に、日本に叶がいるということは実質同棲よ。ありがとう宇宙船地球号。みんなも地球を通じて叶と同棲しよう。
いやだって他人が大好きで寂しがり屋でかわいいじゃん。

この叶くんは私の本体のPixivにもTwitterにも投稿していない。そんなPIBGのプレイ時間のスクショでバレるみたいな真似しないよ。売名するつもりもないし、Pixivの最大ブクマ数が28の底辺なんてさすがに見つからんやろ。まぁどこかでこの絵にピンときたらフォローしてくれ。もしそれが私じゃなくても、底辺は一人にフォローされるだけでにこにこよ。あと万が一本垢に凸って来られても、絶対に私はヒキニートとは認めないよ。

余談だけどTwitterは、ライバーは基本誰もフォローしない方針を取っている。だって好きなエロ漫画家とか、作家とか、ライバーが自分からフォローするものやん。お前が勝手に俺のファンになれ、話はそこからだ。というスタンスを取っていたのだけど、まさかのモイラ様にフォローされてあっさり敗北したよね。いまだに美兎ちゃんも詩子さんも夢追もフォローしてないのに。くぅーんくぅーん。

さて、結構練習したんだけどね、最近の私は才能の限界を感じてきた。

絵は才能ではなく、練習でうまくなるものだから、誰だって努力次第でうまくなれる。それはたしかにそうかもしれないのだけど、努力でどうにもならない分野というものが存在する。描きたいという情熱だ。

ライバー描きたくないんかって言ったら、描く意味がわからなくなってくるんだよね。だってどんなファンアートより、動いている本人が好きなんだもん。
犬山たまき君が「ちんぐり返しの絵を描こうとしなければ、ちんぐり返しの絵は描けるようにならない」と言っていたのだけど、まさにそれ。描きたいと思う最初のきっかけ自体が、にじさんじに入りたいという、かなり歪んだものだった。男性の体にも女性の体にも、さほど興味がない。長尾もずいぶん変わった経歴をしていそうだけど、彼には歌でがんばりたいという情熱があるもんな。
もちろん人によってちんぐり返しの絵を描く必要のある人ない人があるだろう。でもそういうことではないんだ。ひとつひとつは小さな出来事でも、積み重なることで大きな差につながる。

私はAVもエロ漫画も見たことがない。緊張してる?というのがインタビューの枕詞であるというのは知っているけれど、実際には見たことがない。ふーんえっちじゃんはわかるけれど、テニスの王子様は見たことがない。そういう小さい行動力の差とか、これを描きたいという細かい情熱の差とかは、技術ではない気がするんだ。春はあけぼの、やうやう白くなりゆく山際。旧暦の春、今の時代だったら冬の、実際の風景なんて見なくても、枕草子詠唱はできちゃう。でもそれで得られる感情の動きは、そりゃあ限定的だろうなって。AVやエロ漫画以外にも、差がつくことはたくさんある。

それに仮に今からとんでもなく絵がうまくなったとして、私のことを見つけてもらえる可能性、私を選んでもらえる可能性ってどのくらいあるんだろうね。言ってしまえば絵が上手ければ、誰でもいいんだもんね。

最近、いくつか就職を支援してくれる事業所の見学に行ってきた。
結局まだ就職できていないだろカスニートと思われるかもしれないけれど、就職する見通しがついた。現実として遅かれ早かれ、たぶん私は社会に復帰する。だって事業所って仕事だからね、私のやる気が下がったり、不安で行動が鈍ったりしたら応援してくれる。もともと頭だけはいいからね、適正にあったところに行けば、私は爆発的に高い能力を発揮できる。たぶん私また働きはじめるよ。

事業所の説明を聞きながら、実感をもって、あ、これ私働き始めるんだな、と思うとともに、いつか話したいと思っていたこと、つまりこの話をするのには良い機会かもしれないと思った。

いやー。自分がニートって全世界に表明するの、本当に嫌だったな。ただ、いつか話したいと思っていたことを全部書いた。頭はすっきりした。もしかしたら叶推しまんさん怪文書を公開してしまうとか、5chとかまとめサイトとかに晒されるんだろうか。まぁ俺を晒しても、俺の本垢は無傷なんだけど。俺を晒すのはいいからライバーさんの名前は出さないで欲しいな…ごめんな…叶愛してるぞ。

ちゃんと働き始めたら、これまで買えなかったボイスだって買えるようになるかもしれない。スパチャをすればほんの少しだけ私の方を見て、反応してくれるかもしれない。配信見て元気をもらった人が、応援の気持ちを表す手段は必ずしも絵がうまくなることではない。

どうしようもないときに、配信者に元気をもらったという人は私のほかにも無数にいて、だからきっとこれはその1ページ。

モノクロだった人間が虹に触れて、ほんの少し色がつく。世界は180度変わることがなくても、3度くらい変わる。そんなセカイ系のエロゲみたいな落ち、剣持が好きそうだね。


この文章を読んで、良かったと思う人が少しでもいたら、うれしいなと思う。結局はなんの成果もなかったとしても、私とにじさんじの物語としてはきっと良い幕引きなのだろう。だから最後はありがとうって言って終わりたい。


んなわけあるかバカがよお!

嫌だね!

やだやだやだこの文章書く前はたしかに、もうさっぱり辞めた方がいいかもなとか思ったけど、やっぱり嫌だね!

そりゃあもちろん!できることなら!にじさんじライバーと出会い厨したい!したいとも!だって好きとか推しとか、そんなかんたんな言葉で片付けられないくらい、本当に大好きなんだもん!なんならこの文章がバズってにじさんじライバーが配信で話題にしたり、DMしてこねぇかなって思ってるもん!俺は直結厨だ。

締まりが悪い?うるせえケツの穴は処女だ。話をきれいに締めるために生きてるわけじゃねえよ

きっといつか、どこかのタイミングで何かしらの納得をするとしても、今はまだ嫌だ。まだもう少しだけ夢を見ていたいの


だから、きっとまた、どこかで会おうね




2021/07/03 続編執筆しました

https://note.com/hikini_ito/n/n403b661c3731

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