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庄内の風と土と祈り 8月
この土地では、ふとした所でよく鳥居を見かける。
田園の中にポツンと建つこの小さな社(やしろ)は、まるで庄内の遥かなる大地と大空の広がりを象徴しているようにも見える。
この象徴に手を合わせる時、遥かなるもの、果てしないものとどこかでつながる気がする。
それは私たちが、遥かなるもの、果てしないものの側からやってきたからなのだろうか。
庄内平野の広がりと奥行きは、このレンズの画角に納まりきらない。また、言葉でも語り尽くせない。自分自身を含めたこの遥かな広がりを私たちはすべて見渡すことができない。
だからこそ、小さくても古くても、具体的に形があり名前があるこのような社を見つけると、大いなるものへと心を繋げてくれる気がして、どこか私たちの気持ちをホッさせ、落ち着きどころとなる。
心の中にあるかたちのない漠然とした不安や願いが、神仏への祈りになっていくように、この社もまた遥かなる大自然へと心を繋げるアクセスポイントとして造られたのであろうか。
※こちらの文章は庄内の無料地域情報誌「BLOOM」2022年8月号に掲載されました。
https://www.bloom-net.jp/
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