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じゃあわたしはどうしたらいいの(ひきこもりのこどもを持つ親)

はじめまして、ひきこもごもと申します。

メディカルソーシャルワーカーを中心としたひきこもり支援に関する任意団体「ひきこもごも」と申します。 支援者目線と、元当事者のメンバーによるひきこもりの状態にある方のいまと、気持ちを一緒に考えています。
いままでひきこもりの方、その家族、現行の支援とその課題、支援者のあり方を発信してきました。

ここでは親がしてはいけないこと、と銘打ちひきこもり状態にあるかたの気持ちを考えています。

結局わたしはどうしたらいいの

あらゆる支援機関や相談窓口で家族の現状を語り、一生懸命に伝え続けることに疲れてしまっているかもしれません。現状をしっかりとひとに伝えるためには、見つめたくない現状や場合によっては認めたくないことと向き合わなくてはいけません。たくさんの支援機関に、自身の困っているいまを伝え続けるのは非常に体力のいることです。
しかしどの支援機関も画期的な結論をあなたに与えてはくれません。
むしろそんなものがあればひきこもりとその対策としてのノウハウが周知され、こんなにも多くの人を長期間悩ませません。
万人に当てはまる結論は存在しないということです。
しかし全体を見て、傾向や対策を専門家が体系的にまとめています。
今回は理論や調査を抜きにして結論だけを端的に発信していきます。

あなたが自分らしく輝く

親のエンパワメントということばがあります。あなたはご自宅にひきこもる家族がいて、どんな気分になっていますか?もしご家族が生き生きと自分らしく輝いていたら、あなたも上向いた気持ちで過ごせるかもしれません。
それはご家族に対するあなたの影響にも当てはまります。
こどもがつらい気持ちになっている、うまく生きて行けていないのではないか、という思いから、なんだか自分だけが遊んでいてはいけない気がする、と一緒になって陰鬱として過ごされる親御さんが多くいらっしゃいます。その気持ちは愛であり、共感であり、親心なのですが、ことマクロ的な視点では、親が自分らしくかがやいて過ごしている当事者の方が社会復帰や家族関係、本人の状態など全体的に改善が早い傾向があります。

必要に応じて医療機関と繋がる

ひきこもりの生活のなかで、本人やご家族にうつ様の症状があることがあります。不眠や食欲不振、過食や希死念慮等、一見うつ病のように見える症状がある場合があります。自宅で様子をみようとされることが多いですが、できるだけ早期に医療機関に関わることで長期化を防いだり、うつ以外の中核症状を発見する場合があります。
一般に発達障害などの生きづらさは学生時代に課題として把握する機会が多いのですが、20代前半、社会に出てから見つかるケースも多いです。
なかなか自己判断で疑いを持つことは難しいので、医療機関できちんと困りごとを伝え、専門家の目から自分の特性を把握することで生きづらさを軽くするきっかけをつかめることがあります。

社会保険労務士事務所に相談することも検討する

日本は被雇用者の福祉は先進国のなかで実は非常に充実しています。
しかし手続きは非常に煩雑でとてもうつ状態でできるような手続きになっていません。またミーシーさに欠けていて、制度の硲に落ちる人を見捨てている現状が正当化されています。
とはいえひきこもりが始まってから間もない状態であればできる手続きがある場合がありますのでぜひ1度相談してみてください。着手金を設定している事務所がほとんどで、相談は無料の場合が多いです。
またその際に主治医の意見書や診断書などを必要とする場合がありますので前項の医療機関の早期受診と共にできると受けられる支援が多くなります。

同じ支援機関や相談窓口、医療機関にこだわらない

これは残念な事実ですが、十分な知識や視点をもっていない専門家がたくさんいます。とてもまともとは思えない判断が行われることがあります。
「いままでのお世話になっているから」「全部伝えてきたから」といつまでもひとつの窓口や医療機関にこだわってしまうかたがいらっしゃいます。
しかし多くのリカバリケースを事例で振り返ると、大きな転換期として相談先の変更をきっかけとすることが多いです。

焦らない・気にならない鈍感力

いままでの全項目でお伝えした、寛解ケースの多くで見られた傾向を実施した上で、まだ改善傾向を感じられない場合も、焦らずに腰を据えて見守ってあげてください。回復期は坂道ではなく階段状やリアス状になる場合がほとんどです。改善や停滞、悪化や改善を繰り返しながら徐々に変化を見せます。会話が増えた、笑顔を見れた、散歩に行くようになった、リビングで食事をするようになった、筋トレをはじめた、などちょっとした変化が見られるようになっていきます。
お子さんの状態で一喜一憂しないでご自身は自分らしくいきいきと過ごしてください。お子さんの背中を押すのではなく、あなたの背中を見せるつもりで前向きに輝いてください。

親の孤立とひきこもり

こちらでは親のエンパワメントがなぜ重要なのか、親にありがちな試練についてお伝えしました。

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