フリーペーパーひきだし
紙の時代のバックナンバーより、「ムラコのコラム」を再録してお届けします。
ひきだし発行人LとマダムFの往復メール
「今、本当に書きたいことを書いてください」。 お題は、それだけ。 書くことを生業にする人も、そうでない人も、 どうかひとつ、ひきだし開けて
東京で暮らす人に、故郷のこと、故郷をとおして見た東京についてうかがいます。
このフリーペーパーは、感じたことや考えていることを何でも入れることができる “ひきだし” です。 中身は三つ。 -コラム/ムラコのコラム ふだんの肩書を取り除き、自分のなかの “ひきだし” をひとつ開けて。いま本当に書きたいことをのびのびと書けるようになります -往復書簡/LとF いましかできない自然発生的なおしゃべりが、思いがけないストーリーを生み出します -インタビュー/東京望郷 東京などの都会に暮らす人たちに、みずからの故郷や、いま暮らしている街について語っても
〈フリーペーパー 1 段目(2013 年 2 月 25 日発行)「ムラコのコラム」の再録。筆者の職業は当時のまま〉 ロマンチックの本質 姜 尚美 昨年の秋、雑誌の取材でフランスを訪れた。かの地へは学生の頃に留学し、その後何度か行き来して、最後に訪れたのは通過のフランがユーロになる直前だった(ユーロ換算電卓付きキーホルダーなるものが配布されていた)から、およそ 10 年ぶりの渡仏である。 そんなひさびさのフランス滞在
L・・・岩井理紗(ライター) 1976年生まれ。京都出身。福岡、東京と移り住んで現在ソウル在住4年目。夫、2児の4人暮らし。 F・・・フワンソワーズ・コマゴメ(主婦) 1974年生まれ。兵庫県西宮市出身。主に関西で育ち、現在東京在住11年目。日本人の夫と2人暮らし。 * On Jul 8, 2019, Françoise wrote: リサさま 東京はもう3日だか4日だか梅雨空が続き、低気圧と湿気と強烈な南風で、濁った水槽の底に沈んだみたいに身体が重いです。ソウルに
市井悠人/いちい・ゆうじん 今回このコラムの執筆を依頼されて何を書こうか考えた。コピーライターでありながら文章を書くことが苦手。SNSはやらないし本もほとんど読まないから、驚くような情報も知識も持ち合わせていない。でもせっかく誌面を割くのだから読者の心にさざ波くらいは立ててみたい。困った、どうしよう。こうなったら腹をくくって「ふつうの話」を書いてみよう。 「普通」という言葉にあなたはどんなイメージを持っているだろうか。「若い人は個性がない」と言われて久しいので、もしか
今回の「東京望郷」は場所を韓国に移し「ソウル望郷」をお届けします。 ◇ 池多亜沙子さん 1976年生まれ。石川県金沢市出身。書家。韓国・ソウルの弘大(ホンデ)で夫でライターの清水博之さんとともに[雨乃日珈琲店]を営む。北陸中日新聞にて夫婦で「雨乃日珈琲店 ソウル・弘大の街角から」を連載中。 ◇ 私の故郷は石川県金沢市の南端にある街です。金沢の中心部からは車で約20分。隣町には白山麓(※1)の玄関口があり、のど
L・・・岩井理紗(ライター) 1976年生まれ。京都出身。福岡、東京と移り住んで現在ソウル在住3年目。夫、2児の4人暮らし。 F・・・フワンソワーズ・コマゴメ(主婦) 1974年生まれ。兵庫県西宮市出身。主に関西で育ち、現在東京在住11年目。日本人の夫と2人暮らし。 * * * * * On Oct.19,2019, Lisa wrote: フランソワーズさん ソウルに来て2年が経ちました。先日、韓国では秋夕(チュソク)という旧暦のお盆休み
金 泰均/キム・テギュン 先日、仕事を通して知り合った日本人の友人の結婚式に出席するため、ソウルから石川県小松市に行って来た。 日本の結婚式には出席したことがなく、「ぜひ招待してくれ」とせがんだ。 ソウルから小松までは羽田空港での乗り換えが必要だった。7歳の長男を連れての「長旅」だったのだ。失礼にならないようにと、今まで日本のドラマや映画などで見てきた結婚式の風景を何度も頭の中で繰り返した。 挙式当日の土曜日の朝。ホテルの部屋で退屈している長男のため、テレビをつけた