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濃厚濃縮ワンダーランド、鳴尾浜

どうも。1983年(昭和58年)、小学校に入学したら貰えた下敷きに「阪神タイガースの歌」の歌詞がフルコーラスで載っていた、尼崎市出身で現在も在住の“ひきまは。“と申します。特技はトーマス・オマリーのモノマネで六甲おろしを歌う事です(えー

前回、「関西のスポーツ興行を現地で観まくって、レポートしてやる!」と意気込んだわたし。

いよいよ、今回より放浪開始です。最初の目的地は、我が家より一番近い会場で、周りには行った事のある人が居なかった、阪神鳴尾浜球場での阪神タイガースのウエスタンリーグ公式戦です。「ファームの公式戦」という、世間的にはマニアックな現場に、一体何が待ち受けているのか……。

いざ!西宮!(自宅から15分)

2023年6月20日(火)、わたしは照りつける太陽の元、兵庫県西宮市に足を踏み入れていた。自宅より一番近い会場ということで、徒歩です。本日、阪神鳴尾浜球場で行われる試合はウエスタンリーグ公式戦の阪神タイガースvsオリックス・バファローズです。そうです、「阪神とオリックスの試合ならニ軍の選手でも大体知ってるやろ……」という打算も働いています。打算戦隊ダサンダー。

マンション群の向こうが目的地

武庫川沿いを南へと歩く。この辺りの土地勘はそれなりにあるので、一番近いスーパーである阪神電鉄武庫川団地前駅近くのマックスバリュで安く食料と飲み物を確保。鳴尾浜球場の北側は武庫川団地という、バブル期に完成した西日本最大の住宅団地があります。入居が始まって40年ぐらい経つということで、御多分に洩れず高齢化が進んでいるようで、福祉施設がたくさん。当時20代で新婚入居しても、今は60代後半か……時の流れですね。

駅から南へしばらく歩くと鳴尾浜臨海公園という大きめの公園が現れます。そこを通れば、目的地へショートカット出来ます。勢いよく階段を駆け上り、見えてくる野球場は目的地……ではなく、臨海公園の野球場。すると、球音と共に「カシャカシャカシャカシャ」とカメラのシャッター音が聞こえてくる。そして、大泉バズーカのような望遠レンズが付いたカメラを抱えて走りゆくカメラマン達。首からぶら下げていたのは、メディア証……「よもや?」と球場を覗くと、タイガースの選手達が練習していました。スタンド……というには、質素な場所ではこれまた大泉バズーカを持った……女性?タイガースのユニフォームやらタオルを身につけた彼女達は明らかにマスコミではない。ただのファン、ですねぇ!(ケイスケ=ホンダ)

臨海公園野球場での練習風景

寄り道になるので、いそいそと鳴尾浜球場へと向かう。今の時刻は9時45分。鳴尾浜球場での観戦ルールは「全席自由席で観戦料はタダ!入場整理券は9時から配布!定員は約500人!配り終わったら入れないよ!!」である。試合開始は12時30分。「試合開始3時間半前に配布とか、サッカーの試合なら横断幕搬入の時間やんけ……」と愚痴りつつ、いざ阪神鳴尾浜球場へ。

タイガース・デン

やっとのことで到着した阪神鳴尾浜野球場。「タイガーデン」と言ってたら、タイガー魔法瓶さんにツッコまれて、「タイガース・デン」となった阪神鳴尾浜野球場。午前10時でしたが、整理券は無事入手しました。良きかな、良きかな。

燦然と輝く“禁酒禁煙“

グラウンド上では、阪神の選手が練習中。選手が近い!そして、エグいカメラを持っている人、多すぎぃぃ!これが逸般人……

練習を見守る和田豊ファーム監督

屋根が全くなく、近隣にも何も無い鳴尾浜。最初は徒歩十数分のスーパー銭湯で休もうかと思ったのですが、プロ野球選手の練習光景が想像以上に面白かったので、ただ観続ける。

阪神の練習が終わると、次はオリックス・バファローズの練習が始まる。

バファローズ練習開始

なるほど。チームやら監督によって練習内容が変わるのも、サッカーと同じなのか……結構色が出てて面白い。というか、内野のボールまわしを見るだけでも楽しい。この「練習見ているだけで、楽しい気持ちになってしまう」というのは、延々と野球……いやタイガースの洗脳を続けてくる、関西メディアのせいなのか?考えようとするが、容赦なく降り注ぐ直射日光がその余裕を削ぐ。おい!まだ6月だぞ!自重しろ!!

両軍の選手や監督達も一緒に片付けを行う部活感

タイガースの選手の試合前練習も終わり、12時半にプレイボール。気が付けば、スタンドはほぼ満員。立見やら階段に座って観ている人もいる。「昭和の映画館か!」と思いつつ、周りを見渡す。聞こえてくる会話は
「湯浅にサイン貰った」
「しっかり投げんかい!これやから勝たれへんねん」
「相手、知らん選手だらけや」
「そういえば、京セラドーム見難いやんな?」
……うん。応援と野次こそないけど、これは昔から感じている甲子園球場の空気です。ド平日のデーゲーム。500人強しか入れない鳴尾浜は、完全にタイガースファンを濃く煮詰めた感じでした。しじみパワー!

わたしはバックネット裏という、プロ野球の試合だとなかなか手の出ない価格帯の席で観ていたのですが、ここから見る150km/hのボールは本当に早く感じる。今のプロ野球、平気で球速が160km/h以上のピッチャーがいるのですが、一体何者やねん……アスリートの凄さを再認識する。

こんな良い席で野球はなかなか観られない

それにしても、静か。ボールを投げる音、ミットの音、アンパイアの声、両ベンチからの選手への掛け声、カメラのシャッター音……。元来、野球というものは静かだったのだ。そして、飲食と応援を伴わない観戦は、スポーツ興行として成立していないような。だから無料なのか……まぁ、二軍戦でも有料のスタジアムあるけど。そしてグルメや各種イベント、応援団による応援といった副産物をプラスすることで、スポーツ興行として成立している……って、コト?野球はルールもややこしい方なので、甲子園球場という大会場に平均4万人以上入る阪神タイガースというコンテンツが凄いことを、改めて思い知るのでありました。

一方、わたし自身ですが屋根の無い炎天下のスタンドで、南京町の焼き豚の如く綺麗に焼き上がっていきました。

南に向いているスタンドで〜
 焼けあ〜が〜る〜 野球〜ファ〜ン〜
【ジュディ・オング『魅せられて』】

真昼の蜃気楼とか言ってる場合じゃ無いねん!リアルにフラッときたわ!(熱中症の疑い)「晴天下での野球観戦こそ、原点だし最高に楽しいんだぜ!」とはアメリカの野球ファンがよく言う事ですが、この暑さの中でただ野球を観るのは、正直辛い体験でした。そんな中で自分の頭じゃなく、カメラにタオルをかけて写真を撮り続ける女子達の明日はどっちなんだろう……

試合は逆転に次ぐ逆転。まさにシーソーゲーム。勇敢な恋の歌。それはMr.Children。結局、4時間ゲームになってしまい、わたし自身がタイムアップ。野球の「いつ終わるのか分からない」のも難点ですよね……。魅力っちゃあ魅力なんですが。そういえば、延長Vゴールの頃のJリーグも困りましたわ。打ち上げの店の確保とか。かくして、試合終了を見届けられずに、球場を後に。

流石に一試合程度では何も見つけることができなかった。ただ、野球の原点を見られたのは大きな収穫。もしかしたら、他のスポーツをたくさん見ることで、阪神タイガースの人気の秘密やら、街の人々が他のスポーツに目を向けてくれるヒントがあるのかもしれない。関西のスポーツを観る旅は、始まったばかり。次は、長らくJリーグ空白地だった街に生まれたクラブは、どの様な姿になっているのか?という事で、奈良クラブを観に行きます。今週末のアスルクラロ沼津戦……って、明日じゃん!次回も、執筆頑張ります。

満席の鳴尾浜

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