何故みんな狂わないのか
この世は絶望に満ちています。
何をいきなり中2病みたいなことをと思われるでしょうが、実際この世は絶望的です。例えばよく言われていることですが、人間は必ず死にます。この一つの事実をとって見てもこの世は絶望的に思われますよね。
人間はどんなに頑張っても必ず死にます。いえ、もしかしたら私が知らないだけでこの世には不老不死の人間もいるのかも知れませんが、普通の一般的な人間なら必ず死にます。それは誰もが逃れられない運命です。どんなに健康だろうが、どんなに金持ちだろうが必ず死にます。そう考えると人生がとても虚しく思えてきますよね。生きている間にどんなに一生懸命学ぼうが死ねば全て消えて無くなります。どんなにお金を貯めようが死ねば使うことは出来ません。どんなに物を集めたところであの世には持って行けないし、遺族に適当に処分されるのがオチなので意味はありません(そもそもあの世があるのか分かりませんが)。全ては死ねば終わりなのだから全くの無意味です。虚しいですね。
フィクションなんかではよく「人間は限りある生だから美しいんだ!」とか言う綺麗事を宣うシーンが良くありますね。確かにこれは一面では真実だと思います。その通りです。人間は限りある生を一生懸命生きるから美しいんです。限りある生だからこそ死力を尽くしますし、もがきます。限りある生万歳ですね。
しかし私の場合はこの言説に素直にうなずくことが出来ません。確かに限りある生を生き抜くことは美しいかも知れませんが、こんな綺麗事は若いからこそ言える台詞なのでは?と思ってしまいます。歳をとっていくと体がじわじわと弱っていきます。要は死に向かっていると言うことです。しかもその劣化は急にくる物では無くゆっくりゆっくりと訪れます。これは考えようによっては悪いことでは無いのかも知れませんが、見方によってはなぶり殺しのような物です。じっくりじっくりじわじわ死に向かって体を弱らせていくわけですから、ある意味マンガの悪役より恐ろしい鬼畜の所業です。
ふとした瞬間鏡を見たときに自分の老化した顔を見ると憂鬱になります。そこには少しずつ老けていく無残な自分の姿があるだけです。とても「人生は短いから美しい!」とか言えません。こうして人は死んでいくんだなと絶望的な気分になるだけです。
これだけの事実でも人生は絶望的で狂うに値すると思います。しかしほとんどの人は狂いません。そしてかくいう私自身も狂っていません(と本人は思っています)。でも最近ふとした瞬間にこのようなことを考えて絶望的な気分になります。どうしようも無い気持ちになります。自分の人生も平均寿命で考えると半分は過ぎたのでもうすぐ死ぬんだなと思います。恐ろしいです。狂うに値します。でも狂いません。メンタル弱々な自分でもこの絶望的な事実を前に狂わないんだから人間とはふしぎな物です。まあ社会的な意味ではすでに狂った存在なんですけどね(独身、低所得、人付き合い0)。
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