見出し画像

【ひかさの温泉感情論】#3「長湯温泉」

はじめに
「ひかさの温泉感情論」とは、温泉入浴指導員ひかさが あえて温泉分析書や医学的な話をせずに感じたものをそのまま感情に従って書くシリーズです。詳しい泉質の話などを聞きたい方はYouTubeチャンネル「ひかさの憧憬日記」でご紹介しますので、お楽しみに!

ご覧いただきありがとうございます!
先日温泉収めをしたと思われるひかさです。

さて、以前「武雄温泉」「嬉野温泉」について投稿してみましたが、
いかがでしたか?




今回は、その九州旅行の締めとなった「長湯温泉」をお伝えします。

旅の始まりは「別府」

武雄→嬉野の流れのあと、別府に泊まったんです。
なので長湯に行こうと思うとですね、大分から豊肥本線で豊後竹田まで行って、そこからバスなんですよ。

温泉関係ないですけど1ついいですか?
「豊後」をぶんごって一発では読めないって。

そんなことはまあいいとして、
実は、JRは使わずバスにしたんですよ。

大分バスを大分駅から乗れば長湯温泉まで一発なんです。

でもね、知らなかったんですよ。
この利便性の神であるバス、なんとコミュニティバスだったんですよ。
わかりますか?
地域だけで走っているような小さなバス。
これに1時間半乗るんですよ。

観光バスだと思っておにぎりかったのに…


長湯といえばあそこでしょ

さて、目を覚ましたら「道の駅 ながゆ」バス停。
月曜日でしたので人はほぼいませんでした。

長湯温泉のバス停

皆さん、長湯温泉っていえばどこを思い出します?
やっぱりここでしょ。

かに湯

川湯と呼ばれる、無料で入浴できる温泉です。
まあ、川の端にある超オープンなところですから視線が気になる方にはお勧めしません。

そういえばこういうところって湯あみ着OKなんですかね。

それはさておき、
長湯温泉の泉質は「炭酸水素塩泉」

これは、日本によくある泉質なんですが、
長湯温泉の凄さは「炭酸」の量なんです。
別にあわあわが見えるわけではないんですがね。
炭酸泉の湧出量が日本一。
炭酸は低い温度の場所がメジャーですが、ここは平均温度46度と高温にもかかわらず炭酸の濃度が高い。どうやら花王のバブの7倍だそうです。

ここには入りませんでしたが、このかに湯(ガニ湯)は長湯温泉の象徴でもあります。


体が泡まみれ⁉天然温泉ではありえない光景だった。

さあ、そんなかに湯を離れ、最初に向かうのがここ。

ラムネ温泉の入口

イラストがかわいすぎんか。
でも、絵の通り、名前の通り、
ラムネのしゅわしゅわのような泡が温泉に出ているのです。
気になるよぇ。

入口に入ると売店になっています。
かわいらしいグッズがたくさん売っていますので、
気になる方はぜひ。

そして、売店を抜けると目の前にはこんな光景が広がります。

ラムネ温泉の施設内

右の建物が家族湯、正面の建物の右が女性、左が男性。
この写真の左の位置には飲泉スペースがあります。

飲むやんね。
ガス成分が多いのか、コーラやサイダーをぐっと飲んだ時のあの喉の感じ。
これが炭酸だぁ!!

ちなみに長湯温泉は飲泉も盛んなんですね。

さてこの浴室内。
写真、特別に使用させていただけるとのことですので、ご紹介します!

©ラムネ温泉館 ※特別に使用許可を頂いております。

男性の内湯です。

このモダンな感じ!
そして温泉はやや茶色と言いましょうか。
臭いもしますよちゃんと。鉄なのかなぁ??
この内湯の温度は大体40度というところでしょうか。

おいおい、ラムネ温泉館だからあわあわを期待してるんだ。
この内湯なんて入らねぇ!と思った皆様。
この内湯が実はとても大切な役割を果たすのです。

さあ、露天風呂へ。
広い庭のようになっていて、外にはサウナと外湯があります。

外湯に入ると…

©ラムネ温泉館 ※特別に使用許可をいただきました。

凄くないですか、このあわ!!!!!!!!!!!!!!!
入ったらすぎにこれですよ!?
こんな天然温泉は見たことがない。

ちなみに、めっちゃ寒いです。
温度が32℃くらいなんですよ。
先ほどもお伝えしたように、炭酸は低温に多いんですよね。
しかもこのように泡が見えるのはこの低温がゆえにです。

さっきの内湯の意味はこれ。
外が低温なので、しっかりと内湯で保温効果を感じる必要があるのです。
※という勝手な解釈をしています。

また、ここにはすごく不思議な掲示があるんです。

「顔をつけてください」

このようなことがあってはならぬ!!
温泉関連資格を持つ者として、顔をつけるなんて!!
でも、推奨されているんですよ。

それは、殺菌作用だそうで。
自分も顔をつけてみました。

すると10秒も入れていられないようなくらいピリピリするんです。
でも、これがクセになっちゃうんです。
他の方がいらっしゃらなかったので居座っていましたが、
混雑時にはぜひこの湯舟は交代して皆さんで楽しんでください。


飲泉所を見に行こう

日本では温泉のマークというと、
温泉から湯気が出ているもの、又は人が温泉に入っているもの
ですよね。

しかし、ドイツだったと思いますが、
温泉のマークはなんとコーヒーカップのようなコップの絵なんです!
それだけ飲泉がベースなんですね。

この長湯温泉はドイツの町との連携をしていることもあり、
飲泉が盛んなわけです。


飲泉所

この立派な建築物!!
この中心が飲泉所で、温泉が流れています。

味は…先ほどのラムネ館とほぼ同じです。

そしてこの建物の壁には多くの方のメッセージがあります。
バーデンバーデンの観光局長だったかな。のコメントがあります。
こういうところに書いている名前なんて誰が知ってるんだよって
今まで思っていましたが、
とうとうテンションが上がる日が来てしまったようです。
まあ、勉強の成果ですね!


飲泉所の湯口


さあ、帰る前には「御前湯」!

さて、長湯温泉は国民保養温泉地でございます。
環境もですし、泉質も素晴らしい場所なんですよね。
そんな中、こんな表記があります。

「温泉利用型健康増進施設」って書いています。
これは、僕の資格「温泉入浴指導員」のワンランク上、
「温泉利用指導者」が置かれている必要がある施設。
温泉だけでなく、健康に関する施設も常設する義務があるのです。
実際このような場所に行くと、
温泉入浴の相談をできるようなシステムになっています。

僕も資格的には「温泉利用プログラム型健康増進施設」であれば
そのようなアドバイスをできるような立場ですので、
いつかそんなこともできたらなと思っています。


御前湯

さて、「御前湯」に行きますとこんなことを言われました。
「今日、極端に冷たいんですけどいいですか?」

なんの脅しだよ!!!

なんせ天然温泉。
その日の気温や湯量でこういうこともあり得ます。

でもね、入ってもそんなに冷たくなかったですよ??

残念ながら中の写真は現在許可を取っていないのでないですが、
雰囲気を。

思っていた以上に天井が高く、正面に噴水のような形で円形の湯船。
その奥には小さいですが冷泉スペース。
さらに露天風呂が1つです。

円形の内湯は温かい感じ。最初と最後にしっかり入りたくなる感じです。
入口に書いていましたが「泡は出ません」。
そうなんですよ。でも謝ることじゃないんです。

本来炭酸泉は目に見える泡ではなく、
目に見えないレベルの泡に意味があります。

だから謝らないで!!!

茶色っぽい湯、そこから臭う鉄のようなにおい。
それだけでこちらは癒されているんです。

そしてなんといっても「冷泉」!!!!
僕大好きなんですよ。

温冷交代浴って言いますよね。
まあ、厳密には高温と低温の差があればいいので、
1・2度くらいの差でもOKですが、
冷たい温泉に入ってから熱い温泉に入ると体への刺激が良いんですよね。
※わかるかな、この気持ち。

冷たいと言ってもキンキンの水風呂レベルではありません。
10分入るのは寒いかな?くらいの温度です。

そして露天風呂!
こちらは長湯温泉の山側を一望できます。
その景色で入れる温泉って本当に好きです。
温度は低めと言っても37度くらいじゃないんですかね…
これくらいの温かさで外を空気を楽しめるのが露天風呂のいいところ。
熱すぎより全然こっちの方が好きです。

中に戻って、もう一度円形→冷泉→円形→露天を繰り返し、上がります。
最後に円形に入らないと寒いですから!!

でも、冷泉だし、露天だし…
どこが冷たすぎて入れないんだろう…
そんな場所はなかった気がするのですが…


長湯温泉から激動の帰阪

ということで、帰りは九州横断特急で大分まで戻ります。

九州横断特急 (豊後竹田駅)

この駅、1時間に2本とかで、しかも半分が特急みたいな駅。
それなのに待合室には多くの学生が待っています。
高校生たちかな、特急に乗って通学ってそんなに大変なことをしていることに尊敬です。


豊後竹田駅

雰囲気良かりけり。 (形容詞連用形+過去の助動詞終止形)

夕方5時ごろに出て、ほぼ最終で大阪に到着。
合計4か所(武雄、嬉野、別府、長湯)という弾丸温泉旅は
こうして幕を閉じるのでした。


新大阪駅


毎回、到着時には新大阪は閑散としています。
お店は閉まってばかり…
つまり、旅は時間ぎりぎりまで楽しんでいるのです。


ひかさ / Hikasa
YouTube動画クリエイター、温泉ソムリエ、温泉保養士、温泉観光士、温泉入浴指導員、日本温泉地域学会会員。人々に憧れてもらえるような旅を提供することをモットーに活動。個人的な趣味である温泉の知識を極めようとしている変人。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?