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正庁公開イベントへ〜神奈川県庁本庁舎〜後編


受付を済ませ、レトロなエレベーターに見とれたあとはいよいよ正庁へ。

正庁とは…
『正面の大広間・表座敷という意味を表す。三大節(元旦・期限節・天長節)拝賀式場及びその他の儀式に使用する部屋で、天皇・皇后の御真影を掲示し、参拝する場として使用されていた。』


整理番号を職員の方に確認してもらい、部屋の奥へと進み「1番」の椅子へ座る。

正庁内は少し薄暗く「なんだこのムーディーな空間は」と思ったら、このあとシャンデリアの点灯式があるらしい。それで暗いのね。

ずらーっと綺麗に並ぶパイプ椅子。
なんだか取材に来たような気分になる。気分は調査員のような記者のような気持ちだ。

時間になり、まずは開会の挨拶。

1番前なので、から騒ぎの最前列のお姉さんのような座り方を意識してしまう。

そしていつもより上品に拍手をする。
厳かな雰囲気のまま「シャンデリアの点灯式」へ。

洋室のような、和室のような部屋にマッチした煌びやかなシャンデリアだ。

日本の建築様式である格天井もめちゃくちゃかっこいい。

室内は明かりが消され真っ暗になる。

そして、下から一段ずつ順番に点灯されていく。

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う、美しい・・・。

使用されている棒ガラスに光が反射してゆらゆらきらきらと輝いている。
ムービーも撮って見たけれどやっぱり実際に見る美しさには敵わないな、となぜかその場ですぐに消してしまった。

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点灯式のあとは『神奈川県立川和高等学校』の生徒さんによる演奏会。

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・エルガー 愛の挨拶

・モーツァルト ディベルティメントK.136

・マスカーニ カヴァレリア ルスティカーより間奏曲

の3曲が演奏され、実にしっとりとした優雅&贅沢タイムだった。

こんな場所で演奏できるなんて素敵な経験だよなあ、と リコーダーもまともに吹けない私は生徒さん達をダブルの意味で羨ましく思った。


先行公開イベントは想像していたより内容が満載だ。

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そして、『専門家(総務局参事の村島正章氏)よる正庁の説明』が始まった。

スライドが映し出され、修復方法や工事の様子…現在までどのように部屋が使用されてきたか、など沢山の写真とともに正庁についての説明があった。
このデータを小冊子にしてくれたら絶対に買う、と思うくらい丁寧かつ濃ゆい内容。すごい。記録は大事。

最後に説明にもあった室内の見どころを穴が開くんじゃないかという位じっくり見て、写真に収める。

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欄間、壺台、照明・・・全てがうまく上品に融合されていて美しい。


天井の高さ、窓からの景色、どれも特別なものに感じてしまう。

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「沢山の方に知ってもらいたいのでSNSにもどんどんアップしてくださいね」と村島氏。

時代だなあ・・・、なんてガンガンにSNSを活用していながらそんな事を思った。

(発信の方法、アップする際の注意など今一度考えていかなくては)

今後、こういった限定のイベントなども積極的に参加していきたいと強く思った。

そのくらい満足感があり、イベントの余韻に浸りながら自分の誕生日ケーキを買いに行ったのである。

おめでとう、私。

(帰り、外観を撮ろう思い見上げたら正庁の輝くシャンデリアが窓から見えた。)

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■〒231-8588 神奈川県横浜市中区日本大通1

■小尾嘉郎神奈川県内務部、建築顧問 佐野利器

■竣工 1928年(昭和3年)10月31日

■地上5階、地下1階


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