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幾何学模様に囲まれて。〜自由学園明日館〜

自由学園は、婦人之友社の創業者である羽仁吉一、もと子夫妻によって創立された学校。
設計は帝国ホテル旧日本館のイメージ強めな、フランク・ロイド・ライトだ。

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見学に行ったのは、季節は寒い寒い1月。
自由学園明日館は池袋駅から徒歩5分。

途中、本当にここの近くにあるの?と不安になる位、住宅街の中にある。
広い芝生が広がる中央に、まるで地面と一体化したように建っている。

中央棟の窓がとても美しい。

控え目な見た目がまた良い。
後ろに見えるビルがなんだか不思議な感じ。


まずは、全校生徒が集まる食堂へ。

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とても目立っている大きな照明。

釣り金具は設計時には無く、工事着工後に見に来たライトさんが「天井が高すぎた」とその日のうちにデザインをして現在のかたちになったそう。

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納得いくまで精神。

明日館の顔でもある、大きな幾何学模様の窓。

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窓越しのきれいに手入れされた芝。

ホールではそんな素敵な風景を見ることができる。
限られた工費の中で、計算されてデザインされた窓。
1周回ってシンプル好きにはたまらない。


そして、戦争中に上から漆喰を塗って隠されていたという当時の生徒たちが描いたホールにある壁画。
修復工事の際に発見されたという。

状態がとてもきれいでとても驚いた。

漆喰が守ってくれてたんだ。生徒の気持ちを知っていたのかな。

様々な巡りあわせを感じる。

なんだか、色々考えるとうれしい気持ちと切ない気持ち…ちょっと複雑な気分になる。

静かだけど、寒々しくない、どこか温かさのある建物だ。

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三角形がとにかく多い自由学園明日館。

教室の天井も三角形。

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決して高いとはいえない天井の高さ…しかし圧迫感が無いのだ。
これは三角形効果なのか。

きっと私なんぞがわからないような計算がされているのだろう。

中央棟の幾何学模様の窓、天井…そして当時の生徒さんが座っていた椅子のモチーフも三角形。

この椅子はデザイン、サイズ感といい本当に可愛らしい。
レプリカも販売されていた。
ちょっとお高いけれど他にないデザインで、さりげない「ライト感」に惹かれてしまう。飾っているだけで絵になる椅子。

当時の教室には照明がついていなかったそう。
窓も大きめだし、ちょうど日中に読み書きする分には困らない明るさかもなあ と思ったりもしたけれど 実際はきっと「今日は雨だからちょっと暗いね」なんて話していたかもしれない。そんな想像(妄想)も楽しい。

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そういう状況も楽しんで、きゃっきゃしてたのかな。

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敷地の南側には講堂がある。


とっても見たかったけれど、私が見学に行った時期はちょうど工事中。(現在は見学できる)

先日撮影した講堂↓↓
(講堂外観)

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幾何学模様の扉、こんにちは。

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統一された濃いブラウンの空間、両脇の席が斜めになっている。


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明日館は結婚式やコンサート、展示会など、イベント関係も多く行われている。


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(階段を上がった先には…)

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講堂にもおなじみの幾何学窓があった。


以前開催された、「コエドビールと暖炉を楽しむ夜」…。行きたかった…!!
また開催される事を願うばかりだ。

春にはお花見、夏にはビアテラス、秋はコンサート、冬はクリスマス…と、どの時期に行っても建物と季節を楽しめる。


1度行って見れたから満足。は無く、どの建物も何度だって通いたい。


それがしやすいのが自由学園明日館なのかもしれない。
派手、豪華という建物では無いけれど何度でも帰ってきたくなる魅力的な建物だ。

私の心を掴んで離さない。


好きよ、明日館。

自由学園明日館

■東京都豊島区

■大正10年(1921)

■設計 フランク・ロイド・ライト・遠藤新

■国指定重要文化財 


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