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『コンサル一年目が学ぶこと』大石哲之

2年ほど前に読んだが再読。業種・職種問わず、ビジネスマンとしての基本が詰め込まれていると感じる。 新卒から5年間外資系IT企業で営業をしている私は、言及されていることは仕事の基本で出来て当然との感覚を持った。 だが、仕事の基本を理解していることと実際に100%実行出来ていることは違う。2年ぶりに本作を再読し、改めて日々の仕事を内省するいい機会となった。 先日の転職活動で営業としてハイパフォーマンスを上げる心掛けを問われ、以下のように答えたことを思い出した。 「お客様の

    • 『グレート・ギャッツビー』スコット・フィッツジェラルド(村上春樹 訳)

      ・ということは、あの六月の夜に、彼が熱いまなざしを送っていた相手は、空の星だけではなかったのだ。その瞬間、彼は意味なき散財という体内をすっと抜け出し、僕の眼前で血肉ある存在となった ・その願いのあまりのつつましさに、僕は言葉を失ってしまった。彼は五年間わきめもふらず彼女を待ち受け、豪華な屋敷を買い求め、そのへんの行きずりの蛾たちに星明りを気前よく分け与えてやったのだ。 ・彼は創造的熱情をもって、その幻想に全身全霊を投じていた。寸暇を惜しんで幻想を補強増大し、手もとに舞い込

      • 『わたしを離さないで』カズオイシグロ(土屋政雄 訳)

        主人公たちの冗長なやり取りが長く続き退屈な本だと思ったが読了後は「一生のうちに出会えてよかった本」の一冊となった。 緩やかに、逆らうことなく、決められた悲しい運命に身を委ねる登場人物に心を動かされた。 私が感動を覚えたのは、物語の展開が終始穏やかに進むことが大きな要因と感じる。アクション映画のようなスピード感や急展開はないが、それがこの物語の雰囲気とマッチし、唯一無二の読了感に繋がっているのではないか。 序盤中盤の冗長とも感じられた登場人物たちのやり取りのテンポで「提供

      『コンサル一年目が学ぶこと』大石哲之

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