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moonlight shadow


月の光が差すアパートに引っ越した。

開きっぱなしのキャリケースが気怠い。

机も椅子もない部屋に布団を敷いて壁にもたれる。

極度の疲労が残る夜って眠れない。

何かを書きたい気分だけど何を書けば良いかわからない。
とりあえず、月の光が差す部屋に引っ越したからタイトルは”moonlight shadow”.

広げてみようか。

別に“moonlight shadow”を匂わせる文章を書くつもりではない。普段私は、タイトルは文章を書き終わった時のデザートに取っておく。

書き終わった詩や散文のタイトルを推敲する時間が1番楽しい。私は本文とミスマッチなタイトルをよくつける。特に理由はないけれど何か広がる気がする。”何か”は分からない。

けれど今日はデザートから食べてみた。

<唐突な話題1>
ある人が、アートは自己完結だって教えてくれた。

自分が書く文章も基本的には自己完結していて、誰かに伝えたい事があるから書いているわけではない。

自分の中にある、灰色がかった曖昧な感情の輪郭を縁取るために書いてる。

実体の掴めない感情を言葉によって上書きする事への不安は少しあるけれど、忘れてしまうよりは残したいと思ってしまう。

だけど、誰かに知って欲しい寂しさもあるから此処に残し始めたんだと思う。

とりあえずは


<唐突な話題2>

小さい頃から自分の中に一貫性がないことがずっと不安だった。一貫性がないってことは自分の中にたくさん矛盾があるってことなんだけど、それが心地悪かった。

今までしてきた選択に後悔はないけれど、それに伴う心情や言動の辻褄が合わないことがよくある。だから時々自分が自分じゃないような気がして少し怖い。自分は強い自我をもってるって言い聞かせてたんだけどね。


最近、“大豆田とわ子と3人の元夫”というドラマを観た。既にサブスクで4周している。

心に残したい言葉をたくさん見つけることができたんだけど、特に第10話のまーさんの言葉が腑に落ちた。

主人公とわ子が、母(つき子)のかつて愛していた女性(まーさん)に会う場面。とわ子は、母が自分の事を愛していなかったのではないかと不安に思っていた。

家族を愛していたのも事実

自由になれたらって思っていたのも事実

矛盾してる

でも、誰だって、心に穴を持って生まれてきてさ、それを埋めるためにジタバタして生きてるんだもの。

愛を守りたい。恋に溺れたい。1人の中にいくつもあって、どれも嘘じゃない。

どれも、つき子。

大豆田とわ子と3人の元夫、10話

そうか、全部自分なのか。自分が感じたこと、自分が取った言動。矛盾はあったとしても全部自分なのか。


だから自分の中にある矛盾をそのままにしていてもいいし、じっくり向き合ってもどちらでもいいんだなって一旦落ち着いた。まあ自分はどうしても向き合ってしまうんだろうけど。

とりあえずは


そんな事をつらつら書いていたら月の光はもう違う家に差してる。

読み返してみたらやっぱり一貫性のない文章だったから、自分だった。

今日はデザートから食べてしまったからルール違反か

おやすみなさい。


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