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8月1日

私の祖父は、2021年8月1日にお隠れになりました。
それ以降、毎年この日には必ず祖父のことを考えてしまいます。

今日は午前中に三回忌の法要をしてから、NSCの授業を受けました。

祖父はお笑いが大嫌いだったので、この現状を知れば怒り狂ってお盆が終わっても家に居座り続けるかもしれません。

絶対に茄子に乗っけて追い返そうと思います。


2021年8月1日 / お通夜
ヘビースモーカーだったおじいの部屋は、今や線香の香りだけが充満している。部屋の中は白と黒の服を纏う人ばかりで、住職さんのお経と木魚の音だけが響いていた。手を合わせながら薄ら目を開けると、ガラス越しに見える緑の色があまりにも鮮やかすぎて、私たちだけ世界から突きはなされたような気がした。

iPhoneのメモ

お通夜なのに真昼間にやったような記憶があります。
よく分かりませんね。

身近な人を亡くすという経験が初めてだったので、どうにも自分事だと思えませんでした。

しかし、祖父の亡き骸は本当に亡き骸で、そこにいるのにどこにもいないということを痛感しました。

何より、形が無くなることが一番恐くて、でも写真を撮るのはあまりにも不謹慎だし、そもそもカメラロールに残すのは普通に嫌すぎたので、ただひたすらに、目に焼き付けていました。

気を抜くと涙が出てしまう日々が続き、心が不安定になっていたのですが、その約2週間後に子猫を保護しました。

悲しんでいる私たちを見て、祖父が連れてきてくれたのではないかとご縁を感じ、一緒に暮らすことになりました。

それからは目まぐるしく時が流れ、
寂しくも温かい、新しい日常が始まりました。

また、ずっとオスとして大切に育ててきた子猫は、半年後に行なった病院での診察の際にメスであることが発覚しました。

そういえば、なんでこの子のことをオスだと思ったのかが分かりません。思い込みの恐ろしさを身をもって知りました。

しばらくは祖母の家でご飯を食べていました

2022年8月1日 / 一周忌
集まった親戚は他人の話ばかりしていて、お前は大学を出てまで何をしているんだと言わんばかりの視線と薄ら笑みに身を刺された。居心地が悪くてあいつらがいる部屋から抜け出しておじいの部屋に行くと、ガラス越しに見える緑の鮮やかさが去年とあまりにも同じすぎて、今度は抱き寄せられたような気持ちになった。おじいはそこに居たのだろうか。

iPhoneのメモ

親戚が苦手です。

何かにつけてマウントを取り合い、
「自分の方が上だ」「お前は下だ」ということを証明しようとしてくるからです。

それも、自分のスキルや知識で勝負するのではなく、自分の子供や孫のことで優劣をつけてこようとするので非常に厄介です。

私は「大卒にも関わらずフリーター」ということで
馬鹿にされています。

学生時代は成績も運動神経も良かったからなのか、ペコペコしてきていたくせに、この肩書きが付いてからはずっとこうです。

心底どうでもいいのですが、人を悪く言うときの人間の顔は本当に醜いということを知っておいてほしいです。

一周忌の法要は、そんな親戚が集まりました。

祖父のことを考えたいのに、そんなことはお構いなしで終始マウントの取り合い。なんだか、生きていることの方がよっぽど虚しいように感じました。

大卒フリーターは週1で東京通いでした

2023年8月1日 / 三回忌
亡くなった一年後の法要は「一周忌」と呼ぶけれど、丸二年後からは数え年の要領で「三回忌」になるらしい。そんなことも知らなかった。おじいのいない日々に慣れてしまい、煙草で枯れきったカスカス声を思い出すのにも少し時間がかかるようになってしまった。それが寂しいことなのかどうかも、もはや分からない。最初の一年は気を抜くと涙が止まらなかったのに。しかし、今でもたまに夢に出てくるおじいの姿は鮮明で、声や仕草、表情はあの頃と全く変わらない。なんだかんだ言って、私がおじいを忘れることは一生ないんだなと思う。

iPhoneのメモ

よくよく考えてみると、この3年間、8月1日は晴れが続いています。なので気温や外の景色の見え方が毎年同じで、余計にセンチメンタルになります。

祖父は生前、「選挙の投票は絶対に行け!」と口酸っぱく言っていました。

それもあってか、いや、それしかないのですが、選挙前になると高確率で夢に出てきます。

しつこい

いつものメビウス

そんなこんなで、今年も8月1日を迎えられました。祖父がいなくても何にも変わらない薄情な世界ですか、明日からも頑張って過ごしていこうと思います。

馬場光

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