「本当の幸せ」

「今、自分が幸せだと思う?」

「うん!わたし幸せだよ!」

笑顔で胸を張って言った。でも、一瞬、あなたの目を逸らし下を見た。

私には彼氏がいる。

彼は面白いし、一緒に居て楽しい。

私に優しくしてくれる。

仕事も週に6日、一生懸命働いている。

日曜日彼は休みだけど、彼は友達がたくさんいるから、デートはほとんどしたことない。

でも、わたしは人ごみが嫌いだし、めんどくさがりだからそれでいい。

わたしが彼と会う時は、わたしのお家。
彼はいつも仕事終わりに来て、「ビールある?」
と聞く。

だから、わたしはお酒とご飯を用意して待つ。

寝る前にはわたしを、たくさん愛してくれて朝方には家を出ていく。

わたしは、その前に起きて服を着て、弁当を作り彼に渡す。

彼からプレゼントを貰ったこともないけれど、彼はいつも「お金がない」と言うし、見返りを求めてる訳でもないから気にならない。

わたしは、そんな日々でも幸せだ。

あなたは、私の話しをいつも「うん、うん」と聞いてくれた。

そして、いつも最後に、

「今、自分が幸せだと思う?」
と、聞く。

ある日、いつものようにカレに話しをしたあと、いつもの質問に答える。

「うん!わたし幸せだよ!」

「じゃあ、なんで今泣いてるの?」

その日はなぜか目から溢れでる涙を止められなかった。

その数日後、私は彼にLINEで、

「会いたい。話しがあるの。」

メッセージを送った。

「別れ話し?」

「、、うん。」

「分かった。今までありがとう。」

それ以降、彼から連絡が来ることはなかった。

あれから、家も引っ越して、仕事も変えて、髪型を変えたり、メイクも変えた。

久しぶりに会う友達からは、「明るくなったよね」なんてよく言われる。

「寒いから外でたくなーい。」
彼女が愚痴を言っているカップルとすれ違う。

寒さなんて気にならない。わたしは足早に歩く。

今日は思いっきりお洒落して、お気に入りの服で外に出た。

そして、待ち合わせたカレと一緒にデートする。

楽しんだ帰りに、夜景を見ながら話しをする。

あなたは、私の話しをいつも「うん、うん」と聞いてくれる。

その後に、

「俺、君を幸せにできてるかな?」

と、聞く。

わたしは、カレの目を真っ直ぐ見て、

「うん!わたし幸せだよ!」

と、彼に飛びついた。

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