見出し画像

DREAM TRAIN

僕を構成する諸要素は、
ラジオから始まっている。


音楽も、舞台も、
いろんな「好き」は
ラジオをきっかけにしていることが多い。


今では、SNSやYouTubeが
その役割を担っているけど、
高校生くらいまではラジオだった。


僕の好きなものは
ラジオが教えてくれた。


でも、ふと思い出してみる。


僕は、なぜラジオを聴き始めたのだろう。


僕が最初に聴き始めたラジオはなんだったっけ。


オールナイトニッポンだったっけ。


いや、違うな。


最初はTOKYO FMのスクールオブロックとかも
聴いてたな。


でも、それは一番初めじゃない。


最初はJ-WAVEだったんだ。


あれ、何の番組だっけ。


あ、思い出した。


「DREAM TRAIN」だ。


そう。


僕が初めて聞き続けたラジオ。


なんとなくではなく、
しっかり聞いたラジオ。


DREAM TRAIN。


この番組は、J-WAVEなどで放送されていた、
秀島史香さんが毎週様々な分野からゲストを招き、
その分野ならではの仕事の話を聞く番組。


確か、3年くらいで終わってしまった。


フーンと思うかもしれない。


でも、この番組の最大の特徴は
放送時間だ。


この番組は、
21時50分から、22時までの
たった10分間の番組なのだ。


いわゆる、音のソノリティ的な
一社提供のなんてことない番組。


今考えると、不思議だ。


もっと、人気長寿番組かと思った。


でも、思い返すと、僕の人生は
このたった10分のなんてことない番組から
広がっていったのだ。


うん。思い出してきた。


前後の番組も聴かず、
21時50分ぴったりから、22時までの10分間だけ
ラジオを付けた。


やっぱり変だ。


でもこれが、僕の青春の夜だった。


懐かしいな。


これを書いている今、21時50分を過ぎた。


あの時の僕が、
未来の音を聴き始める時間である。


大丈夫。


合っているよ。


今は、なんでこんな10分番組聴いてるんだろ、
と思うかもしれない。


でもね、その10分は
僕を素敵な未来へ運んでくれる列車だ。


大丈夫。


懐かしくなって、
YouTubeで探してみた。


その音源は、出てこなかった。


残念だったけど、
それでいい、と思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?