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ダイヤモンドスマイル

なにわ男子の「ダイヤモンドスマイル」という曲が好きだ。


先日発売されたなにわ男子のファーストアルバムに収録されており、
彼らがデビュー前から歌ってきた曲だ。


僕がこの曲に出会ったのは、なにわ男子のデビュー前。


YouTubeのジャニーズJr.チャンネルに投稿されているのを
偶然見つけた。


そして、その瞬間から
なにわ男子の、そして「ダイヤモンドスマイル」の虜になった。


この曲の良さは、
なんといってもその歌詞である。


なんとも、チグハグなのだ。


言っていることはわかる。


だが、一文一文が繋がっていないのだ。


そして、それがいいのだ。


今日のため息 振り向いた 明日の君
またあたしなんてってセリフ
君には似合わないよ

ほらワンカラットのeyes
覗き込めば 吸い込まれそうさ 
ぎゅっと つないだ手を また握りしめた


言いたいこと分かる。どんな歌かもわかる。


でも、ものすごくチグハグしていて
冷静に読むと違和感がある。


だって、そもそもワンカラットの目って
くそちっちゃいもん。


ワンカラットは重さの単位なので0.2g、
一方平均的な成人の眼球は7.4g。


仮にサイズの話だとしても
ダイヤワンカラットは大体6.5mm、
眼球は24mm。


どう考えてもワンカラットのeyesは小さい。
(複数形なのも気になるところだが)


でも。


でも、それがいいのだ。


僕たちはいつも、頭を使いすぎる。


毎日 言葉を読み 言葉を聴き 言葉を書き 言葉を話す。


今、僕がこうしてnoteを書いているのも
言葉の呪縛に囚われている作業だ。


言葉は良い。思考を整理し感情を伝える。


でも、その分言葉は誰かを傷つけたり
誰かの負荷になることもある。


言葉は凶器にもなる、というが、
言葉という凶器は、持っているだけで、観ているだけで
疲れてしまう。


それくらい、重くて
堅いものなのだ。


そんな言葉に着かれた脳に風穴を開けるのが、
「ダイヤモンドスマイル」だ。


Oh ダイヤモンドスマイル
Your ダイヤモンドスマイル
一秒先はもっともっともっと輝く
愛しちゃって愛しちゃって愛しちゃって
いいじゃないかmore
永久に煌めけ


ほらね。


ものすごく、脳が喜んだでしょ?


この曲の作詞・作曲者は、
Jazzi’n parkという音楽ユニットだ。


他にも、なにわ男子の初心LOVEや
King&Princeのkoi-wazurai、恋する月夜に君思ふ
SnowmanのD.D.などを提供している。


それらの楽曲すべてに、
意味の分かるようでわからない、
そして脳が幸福を感じる文がちりばめられている。


そして、歌詞のチグハグ感と
メロディー、コードの王道さが一つになったとき、
アイドル曲としての”キラキラ”が生まれる。


そんなふうに分析をしながらも、
課題に追われる学期末。


忙しくてイライラして
ストレスでつぶされそうな日々。


久しぶりにTSUTAYAに行った。


音楽のサブスクでは落語まで聴けるこの時代、
TSUTAYAに行く理由は一つ。


なにわ男子のアルバムを借りるため。


久しぶりにCDを開き、
パソコンに取り込む。


そして、パソコンとスマホを同期させ
スマホの中になにわ男子を迎え入れる。


スマホから流れるダイヤモンドスマイル。


何度聞いてもチグハグだし、
それでいて最高だ。


でも、ちょっと油断すると、
実に素敵な文を滑り込ませてくる。


プラチナのジェットに乗って
気まぐれな奇跡によって
” 瞬きが終わるころ 僕だけの君でいてね ”


瞬きという瞬間的な動作にも神経が集中するさま、
そして彼女を見えなくなる瞬きの一瞬さえも惜しく、
それでいて不安だという彼女への愛、
瞬きの前後で大して世界は変わらないという認識さえ
信じられないほど、目の前の奇跡を愛しているさま。


こうやって、彼らは馬鹿なふりしてとんでもない
一行をぶちこんでくるのだ。


そんな曲が、今、僕のスマホの中にある。


サブスクで、今、
全ての楽曲があるといってもいいこのスマホに、
足を使わないと得られない3分の音の集合がある。


そして、その事実は、驚くほどに
明日の僕の一日を、キラキラと装飾している。


この現象を作りだしたすべての人を
アイドルと呼びたいと、心の底から強く思う。













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