試合で使えるコーチングメソッド
こんにちは、inasuの國正です。
コーチングによるアプローチは非常に時間がかかります。なぜならば、相手の対話・キャッチボールが必要だからです。また、コーチングが個人にフォーカスをするという前提において、俯瞰してゲームを捉える必要がある指導者的立場からすると、非常に活用が難しいと考える方も少なくないでしょう。
試合という一瞬の判断がフィールドにいる選手に求められる状況下で、いかに選手の主体性を引き出せるかが指導者の腕の見せ所です。
今回は試合前と試合中に分けてお伝えさせて頂きます。
オリエンテーション(試合前・試合中)
オリエンテーションとは、チームでの約束事を伝え、認識を揃えることです。
試合中に出来ることは限られています。その為、目の前のゲームの目標や何にフォーカスするのか。試合前に思考を整理し、アンコントロールなことではなく、コントロールできることに意識を向けさせることで、パフォーマンスを高めることに寄与することができます。
前日までに試合にミーティングを行う際に、何を伝えていますか?伝えたことによって選手やチームにどんな行動を促していますか?
指導者がこのミーティングの目的と目標を定める必要があります。
「ゲームメイクにおける戦術を再確認する」
「相手チームの特徴を伝える」
「スタメンを発表する」
チームによってやることは様々かと思います。
とはいえ、チームとして目指すこと(目標)を全員で認識を揃える必要があります。引退のかかった試合とシーズン最初の試合では、意味合いが全く異なるはずです。
指導者として、試合の位置付け・意味付けを選手に伝え、何にフォーカスして試合に臨むのかの認識を揃えることがオリエンテーションです。
例えば、野球において守備でのミスが続いているチームがあるとします。
ここで、「失点をしないこと」をチーム目標とすると、やるべきことがたくさんあり、行動に集中することは難しいです。
どんな約束事をするか。これは選手次第だが、
投手:テンポを意識して、野手にミスが出たら、自分から野手に声をかける。
野手:カバーリングを怠らない。チャレンジをしたプレーの結果のミスは、拍手で鼓舞する
などが出てくるかもしれない。
指導者は上記ができているかどうかをしっかりと見てあげることが大切であり、それに加えて技術的に至らない部分があれば、適宜フィードバックをすることで成長促進されていくはずです。
また、これは試合中でも有効で、指導者から見て行動目標が達成できているかを確認するコミュニケーションも必要である。
ペップトーク(試合直前)
試合に向けて、テンションを最高潮に高めるコミュニケーションの一つです。
大学選手権9連覇を成し遂げた帝京大学ラグビー部の岩出監督も日本一を決める試合直前で選手を鼓舞しています。(私も何度も見ていますが、魂が奮い立たせられる動画です)
▼帝京大学ラグビー部のペップトーク
https://youtu.be/B5snfT_KMA
構造は以下。
①受容
→相手の方が絶対強いと言われる状況でも、立ち向かわなあかん時がある。松下電工の方が強い。マスコミがゆーてるだけや。
②承認
→フットボールの内容・チームワーク。どれをとってもお前たちのほうが上や。お前たち一人一人の力がある。お前たちならできる。
③行動
→チーム全員で力を出し尽くす
④激励
→今日は絶対に勝つんや!絶対に勝つ!
して欲しい行動だけ伝えても、テンションは上がりきりません。まずは受容(事実を受け入れる)すること。そして承認(捉え方の変換)を行うこと。これによって、組織全体のコップの向きが上向きになり、伝えたいことがしっかりと浸透していきます。
ぜひ、実践の中でもコーチングを活用して、チームで掲げる目的や目標を達成し続けて欲しいと思います。
次回は年末ということで、今年の振り返りと来年の抱負を近日中に書き綴りたいと思います。
終わり
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