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【07】独学者をなめてはいけない/30歳の女は海外で暮らしたい

やっと見つけたネイティブ・ブリティッシュ・スピーカー、、、

彼の名はトム。

特技は相手のヤル気を一瞬で消し去る赤字での英文添削だ。


さて今回は、そんな彼との英語学習について書いてみようと思う。

まず彼から英語を教えてもらい始めたのは、留学するちょうど1年前頃からだ。初めのうちはメールだけでのやり取りだった。理由は単純である。

私が英語を話せないからだ。笑

スカイプを使えばいつでも会話できるが、当時私が話せる英語と言えば、、、言うまでもなく、たかが知れているのである。汗 ただ画面を見つめてダンマリするのは目に見えていた。どう考えてもお互い時間のムダである。

さらに彼も私も、1つ同じ考えを持っていた。それは「自分で英文を作れないなら英語は話せない」だ。そうなのである。確かに英語を話すためには、積極的に会話しようとしなければいけないが、その前に本当に基礎となる英文法を理解して文章を自作する必要があるのだ。

そんな意見の一致もあり、最初は文章のみのやり取りで、ただひたすらに彼にメールを送り続けた。その日の出来事や観た映画、仕事のこと、家族のこと、日本のこと、イギリスのこと、とにかくどんなことでも全て英文にしてメールを送った。

まぁ~それは気の遠くなる作業だったのを覚えている。

以前訂正された部分は同じ間違いをしないよう、正しい答えを参考にしながら新たな英文を考える。

主語を一人称から二人称・三人称にして文を作り変えてみる。

動詞は過去・過去完了・現在・未来など変化をつける。

知らない単語は都度辞書を引いて語彙を増やす。

たまに疑問文もいれてみる。


こんな基本的なことを毎日毎日続けた。

食事やお風呂といった最低限の日常的な活動を除いた全ての時間を、ただ英語学習のみに費やしていた。もちろん、仕事が忙しくなれば勉強をする時間がとれない。残業だってバリバリあった普通の会社員だ。だから最初の頃は1週間かかってやっと1通のメールが送れるか送れないか、の状態だった。

そして彼は、私の血と涙と汗の結晶であるそのボロボロの英作文を、さらにボロボロのズタズタにすべく、容赦なく赤字で修正をして送り返してくるのである。返信がくるのはだいたい2~3日後だ。

こんなメールでのやり取りを半年ほど続けた。
さすがに半年間も同じことを繰り返していると、シンプルな英文なら自然と作れるようになるのである。本当に。疑っている方がいたら、ぜひ騙されたと思ってやってみて欲しい。「her」を「ヘア」と読んでいた女ができたのだから、大抵の人にはできると思う。

そして渡英までいよいよ半年となった頃、ついにスカイプを使って会話の練習を始めた。もちろん最初はド緊張である。汗

Hi, how are you?
I'm good! How are you?

本当にこんな会話から始まったのを覚えている。
ちなみに、この「How are you?」であるが「本当のネイティブは使わないぜ!」なんて言う人も多くいる。しかしイギリスでは誰でも普通に使うのである。友人同士、久しぶりに会う家族、お隣さん、同僚…大人同士の会話では当たり前に使う。だから「教科書に載っている英語なんて活きた英語じゃない!」なんて、バカにしてはいけない。

このスカイプ英会話(笑)を始めるにあたって、文法の勉強と同時にリスニングとスピーキングの勉強もしたのは言うまでもない。

そうなのだ。ある程度英文法の基礎が身についたら、今度は英語の発音練習が必要だ。簡単な英語のフレーズを何度も何度も聞いて発音を真似してみる。使った教材については過去記事でご紹介したが、まさにあの教材を使って英語を口に出す練習をした。

もちろん最初は上手くいかない。「え?今なんて言った?」なんてことは常で、一発で聞き取れないこともよくある。それでも何度も何度も聞いていくと耳が英語に慣れるらしい。気が付けばしっかり聞こえてくる。聞こえるということは練習すれば発音できるということだ。

ここまできたら、色々な英語を聞いてひたすら真似してみるのみ。初心者にはテキストがある音源がサイコーだ。英語教材でもいいし映画の英語字幕でもいい。とにかく自分が興味のあるもので続けられそうなものを、ひたすら聞いて真似する。

でも1つ気を付けなきゃいけないことがある。

それは文章を暗記しないことだ。定型文みたいなのを暗記しても、日常会話ではあまり役に立たない。英作文は自分で作れるレベルなのだから、単語と単語がつながった時の発音とか、単語や熟語そのものの発音を練習するに留めるべきというのが私の自論だ。

そんなスピーキングの練習をしつつスカイプ英会話でアウトプットしていった。

初めは色々な質問に短く答えるだけだったが、そのうち細かな説明ができるようになった。さらに自分からも質問できるようになる。そして相手の答えに対して自分の意見が言えるようになるのだ。

間違っていた発音などは実践で自然と修正された。実際のネイティブの発音はやはりCD音源とは違うのである。独学であればCD音源だけで完璧な発音はできないと思って間違いない。やはり最終的にはネイティブとの会話から正しい発音を身につけるということだろう。

私は週に1~2回、3時間程度のスカイプ英会話を渡英ギリギリまで続けた。トムは英語教師ではないが、とても辛抱強く私の英語を聞いてくれた。私の英語が徐々に良くなっていくのが楽しかったらしい。とんだ変態である。

とにかくだ(あームダに長い記事になった)、自力で見つけたネイティブ・ブリティッシュのトムとの英語学習のおかげで、なんとか独学で日常英会話を話せるレベルにはなったのだ、、、信じられないが。笑


そしてついに渡英3か月前になり、ボランティア先を決める時がやってきた。正直、イギリス全土のことなんてこれっぽっちも理解していなかったから、どこに派遣されても同じだと思っていた。

…でもな、である。

やっぱりロンドンの近くがいいな、、、

田舎は嫌だな(自然が苦手。笑)、、、

楽そうな所がイイな、、、

人間、選択肢が与えられるとこんな欲が出てくるものなのだ。