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半年でeNPSが15pt向上したコミューンの、組織とひとが融け合う道中記

こんにちは、コミューンで人事マネージャーをしている塚本です。
この記事はコミューン Advent Calendar 2023の7日目の記事です🎅🎄

今回は、普段はなかなか表に情報を出すことのない、「コミューンは組織課題とどう向き合ってきたのか」について、eNPSをテーマにして書きたいと思います。(まだまだ課題はたくさんあるので「道中記」としています🦵)

本記事は、経営者や人事責任者、特に「組織の求心力の高め方」に興味のある方に読んでいただけると嬉しいです。
そして、あわよくば多くの方にコミューンの組織のリアルを知っていただき、興味を持っていただけると嬉しいです。(そして応募してください)


コミューンの組織状況

2023年12月時点で140名ほどの社員数にまで拡大しています。
2022年は一時期採用をストップさせた影響で社員数の増加は停滞したものの、2023年はありがたいことに事業の成長に伴い採用も加速した1年間でした。

社員数変遷

そんな組織の中で私の立ち位置は、People部(人事部)のマネージャーで、採用〜エンプロイーサクセス〜組織開発など、労務以外の人事領域を管掌しています。

今日は、特にeNPSを活用した組織課題への向き合い方について、コミューンの半年間の軌跡をベースにお話ししたいと思います。

最初に結論をお伝えすると、、、

eNPS調査をするのは簡単だけど、

大事なのはスコアからどうやって論点を抽出して、具体的にどんなアクションをとるかなんだ!

そして、そのアクションを決めるまでのプロセスもめちゃくちゃ大事なんだ!!です。

※本記事では、実際のeNPSのスコア値については言及しません。

eNPSとは
「自分の職場で働くことを、親しい人に勧めたいかどうか」を数値化し、従業員の会社に対する意識を測定する指標です。他人には悪いものを勧められない心理が働くことから、従業員の本音が現れやすいという特徴があります。

https://media.unipos.me/enps

eNPSは組織の健康診断

コミューンでは2020年6月からeNPS調査を実施しています。
運用開始当初に、今はCorporate Acceleration部のマネージャーである廣野さんが執筆した記事はこちらです。

誰がeNPSをリードするかは紆余曲折ありボールが浮いてしまう時期もありましたが、2023年4月からは私が主管を務めています。

組織課題の抽出の仕方は、あるべき組織の姿との差分で抽出する方法と、社員の声や組織の現場で起きている課題を拾い上げる方法があると思いますが、eNPSはボトムアップで組織への求心力を高めるための課題を抽出するのに適していると考えています。

コミューンにおけるeNPSの運用

社員の皆さんには、3ヶ月に一度eNPSの回答を依頼しています。
また、eNPSの結果を踏まえて、次の3ヶ月で解決すべき課題と、具体的なアクションを明示しています。(経営会議内で合意した内容を、サマリー動画として録画して全社に共有しています。)

調査からアクション明示までのステップ

まず大切にしているのは、調査から社員へ具体的なアクションを明示するまでのリードタイムを極力短くすることです。

組織はナマモノなので、調査してから1ヶ月、、2ヶ月、、と時間が経ってしまってはそもそもの課題の論点も変わってしまうことがあります。そして何よりも社員の皆さんからの信頼を失います。(せっかく回答したのに、待てども何も返ってこないと不信感に繋がると思っています)

なので、私の中で、許されるリードタイムは2週間だと決めています。
2週間の間に、スコアを集計して、マネジメントに共有して、論点を決めて、課題に対するアクション案を作って、経営会議で意見をもらい、合意案を作って社員に共有できる形にします。(自分で自分にプレッシャーかけてます)

具体的なステップも記載します。

1.スコアを集計する

6つのセクションに準じた設問と、eNPSの回答をしてもらっているので、セクション別に過去のスコアとの比較ができるように回答データを集計します。

セクション
・業務について
・職場の仲間について
・メンタル面の状態について
・給与 / 福利厚生 / 働き方 / オフィス環境について
・Vision / Valuesについて
・総合的な評価(会社の魅力)

コミューンにおけるeNPS調査の設問セクション

2.集計スコア・フリーコメントを眺める(そして傾向を掴む)

まず、一人でコーヒーを飲みながら心を穏やかにします。
そして、全てのデータとコメントを眺めます。
しばらくの間眺めて事実ベースの変化を把握し、どのような組織傾向にあるのか自分なりの仮説を構築します。

(毎回スコアを見るときはかなり緊張します。)

3.マネジメントチーム(経営会議参加者)にスコアと傾向をSlackでレポート

スコアのサマリと、前回調査との差分(各セクション±何ptか)、スコアから見る組織傾向について共有します。

共有する上で大事にしているのは、「生データ含めて目を通してもらうこと」「全員にスレッド内でコメントをもらうこと」です。

事前に共有・コメントをもらっておくことで、経営会議に持っていく論点に大きな方向性の違いを生まないこと、全マネジメントに組織課題を解決するためのアクションに参与してもらうことができるので、このステップはとても大事にしています。

4.3でもらうコメントも踏まえながら論点を絞る

大体5つぐらいに絞るようにしています。論点を絞るときに大事なのが、バランス感覚だと思っています。

・経営視点と社員視点のバランス
・全体最適と個別最適のバランス
・マジョリティの意見とマイノリティの意見のバランス など

論点が絞れたら、いくつかアクション案を考えて、重要度・緊急度・実現度と整理しながら、各論点に対して2~3つのアクションに絞っていきます。

5.経営会議でマネジメントメンバーに論点とアクション案への意見をもらう

経営会議は毎月1回実施していますが、特にeNPS調査を実施した後の月の経営会議では、時間の半分ぐらいを使って議論しています。
さまざまな視点から意見をもらい、最終的に実行すべきアクションを決めて具体施策に落とし込みます。

6.社員向けに共有する資料清書と動画を撮影する

社員の皆さんに、今回のeNPSの結果サマリと、結果を受けて具体的に次の3ヶ月で何をするのか、何をして欲しいのか共有をしています。
資料だけではなく、説明している様子を動画で撮影して共有することで、少しでも理解してもらいやすくなるように意識しています。

3ヶ月に一度、コミューンマネジメント合宿も実施しています

実際にこの半年間で出てきた論点とアクション

ここまではプロセスについてご説明しましたが、実際にコミューンがどんな組織課題を認識してアクションしてきたか、一部ご紹介したいと思います。

同じように社員100~150名の組織課題(特に組織の求心力をどう高めるか)で悩まれている経営陣・人事責任者の方の少しでも参考になると嬉しいです。

★経営方針を理解する機会が不十分なのではないか

仮説:社員が、マクロ環境や、経営方針・課題・戦略について理解できておらず、納得感を持てていないのではないか

アクション:複数接点で経営方針のインプット機会をつくる
CEO高田さんの社内ラジオを配信する(愛犬ソルくんとお散歩しながらその週のホットトピックを話す) etc

ソル散歩chの様子

これまでのテーマ例
・「高田さんが語るマクロ環境 〜スタートアップ環境どうなっているか、これからどうなるか、我々はどうするべきか〜」
・「高田さんが語るコミューンの戦略の背景、〜なぜ我々は非連続の成長をすることを考えているのか・なぜ我々は新しいチャレンジを模索しているのか〜」
・「コミューンのステークホルダーサクセスへの考え方」
・「グローバル(US)市場について」
・「ビジョンを実現した世界の話」
・「競合企業との向き合い方」
・「ロマンとそろばん,意思決定の難しさ」
・「我々はなぜ成長しないといけないのか?どれだけの成長スピードが必要なのか?」
・「コミューンの組織課題について」

★経営陣への評価が曖昧なのではないか

仮説:取締役へのフィードバック機会が不在がゆえに、適切な評価ができていないのではないか

アクション:経営陣へのフィードバックの仕組みをつくる
・四半期に一度、取締役サーベイを実施し、フィードバックセッションを実施する
・取締役3名で同期で話す目線合わせmtgを定期実施する

★サービスの価値貢献ストーリーの伝達は強化の余地があるのではないか

仮説:サービスの理想の使われ方や、どのような価値を生み出す想定なのか等、ストーリーの伝達は強化の余地があるのではないか

アクション:セールス/カスタマーサクセスストーリー・プロダクトの価値提供ストーリーをPush型で共有していく
・全社員参加必須の会議体(Weekly Checkout)で確実に時間を確保して発信する
※11月から、週ごとにテーマを決めて30分前後各リーダーに話してもらっています。

★社員同士が共働に必要な関係構築をする機会が不足しているのではないか

仮説:マネージャー⇔メンバー間のコミュニケーションが不足しているのではないか。また、部門を跨いだメンバー同士の関係構築機会がなく、新入社員と既存社員が融け合う機会提供もできていないのではないか。

アクション:共働しやすい関係構築ができる仕組みを作る
・エンプロイーサクセスサービスを導入し、マネージャーがメンバーの状態に合わせたコミュニケーションを取れるようフォローする
・社内ラジオ・部活動などインフォーマルコミュニケーションの機会創出を推進する

📻社内ラジオ(コミュラジ)のテーマ例
・ボクらの時代〜 一軒家から始まったコミューン〜
・ボクらの時代〜CSMの歴史に迫る〜
・リファラルさんいらっしゃい
・教えて!あなたのおすすめコミュニティ!
・コミュコミュ子育て
・じっくり聞いタロウ
・パパトーク!!!!!

また、オフラインのコミュニケーション施策も復活させました。
社員がカジュアルにオフラインでコミュニケーションを取れる機会として、毎月1回の出社日には、Drink Hourの運営もしています🍻🍹


★Visionを実現した未来の共通イメージが不足しているのではないか

仮説:Vision「あらゆる組織とひとが融け合う未来」は壮大ゆえに抽象度が高く、各社員が自らの想像力で具体的にイメージするには限界があるのではないか

アクション:Visionを実現した未来のイメージを言語化・共有する
・ソル散歩ch内で高田さんにVisionを実現した未来について語ってもらう。文字起こししてドキュメントとしても全社に発信する。

高田さんに、アドベントカレンダー1日目でも発信してもらいました!

また、今回のアドベントカレンダーの全社共通テーマを、ビジョンに出てくるワード「融け合う」に設定したのも、日頃の仕事がビジョン実現とどう結びついているのか、記事を執筆する皆さんはもちろんのこと、記事を読む社員の皆さんにもイメージを深めてほしい、という意図があります。


などなど、、
思い返せば、この半年間でたくさんの試行錯誤を重ねてきました。

最後に

eNPSとの向き合い方、そしてコミューンがどんな仮説を持って組織課題に向き合ってきたかを少しだけご紹介しました。

「組織の求心力を高める」というテーマは、組織の成長に合わせて常に向き合う必要があります。

私は、コミューンが300人、500人、1000人、、、と規模が大きくなっても、複雑になっても、大切にしているValuesが薄まらない組織にしていきたいと思っています。

詳細はHow Commmune Worksを参照
Values体現者を称賛する「Commmune Values Heroes」という取り組みもしています

そして、そんな組織であり続けるためにも、「人と組織の課題」に真正面から向き合う、誠実で、強さと柔軟さを兼ね備えた人事組織を作っていきたいです。

とはいえ、人事だけではいい組織をつくることはできないので、これからも社員のみなさんと一緒にいい組織をつくり続けたいと思います!(皆さんよろしくお願いします!)

大事


最後まで読んでくれたみなさん、コミューンのこと、ちょっとだけ気になってくれましたか?

ちょうど今日12/7(木)この後12:30~会社説明会を開催するので、気になる方はラジオ感覚で聴いてみてください😃👂
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