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マーブルな共生のかたち-マレーシア留学日記4

多文化共生って、マーブルみたいだ。

マレーシアにきてそう思うようになった。

隣り合い、溶け合い、でも、私の色はこれだ!って、それぞれが自分の一番大切なものを守ってる。
わたしの色とあなたの色とが少しだけ染まりあって、ひとつの模様をつくりだす。

風が吹くと、模様は揺れ動き、変わっていく。
全く違う文化や思想をもつもの同士が共に生きることにある種の不安定さが伴うように。

安易にかき混ぜて仕舞えば、その先に見えるのは灰色の世界だ。
洋服屋さんでつい黒や灰色の服ばかり手に取ってしまうように、同じである方が無難だけど、全部いっしょじゃつまらない。

クアラルンプールを歩けば、至る所におおきなショッピングモールがある。
どこに行っても目に入るH&Mに哀しさを感じるのは、その向こうに灰色の世界が見えるからかもしれない。


"ダイバーシティー"なんて、そんな格好いいものではないのだな、とおもう。
たまたまマレーシアという土地に呼び寄せられた人、生まれた人たちが、ある意味で仕方なく一緒に生きている。

マレーシアの街並みは鮮やかだけど、マレー系の地域と中華系の地域、インド系の地域は割とはっきりと分かれているように感じる。
わたしの今通っている大学の中でさえ、周りを見渡せば同じ民族同士で話している人がほとんどだ。

公立小学校では、民族ごとに分かれて教育が行われるそうだから仕方ないのかもしれないけど、一緒に生きるって思った以上に難しいのだなと感じる。


マレーシアは、この不安定なマーブルのまま成長していくのだろう。

ここでわたしが出会う人は、みな普通の、すてきな人だ。
でも、変化に政治的な考えや利権が絡んでくる時、それぞれが友であっても違う民族同士は「敵」になってしまうのだろうか。

共に生きる。


響きはいいけど、そんな甘いもんじゃないよ。

そう言われているような気がした。


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