見出し画像

稲刈りしてきた。で、思うこと。

ままにやで取り扱っているお米は全て自然栽培米。
品種は現在
イセヒカリ
コシヒカリ
亀の尾
ササニシキ
の4種です。

そのほか、古代米MIXの縄文米も。
こちらは黒米・赤米・緑米・イセヒカリの玄米が混ざっています。

古代米は大分県でつくってくださっており
6月に田植えや草取りをしてきました。

小雨降る中、補植

9月に入り
台風が来たり、雨風が強かったり
なかなか稲刈りの日が定まらなかったのですが
6月25日決行の連絡が来て
26日に行ってきました。


行ったら半分終わっていました!w


ままにやのイセヒカリを作ってくださっているのは
千葉県南房総市で有機農園を営む根岸さん。
南房総市になる前は「安房郡三芳村」と言われた地域で
1973年から有機栽培を始めた、いわばオーガニックの先駆けと言われる有機農三大地域のひとつです。

今年は9月に入ってから雨風が多くて
稲刈りのタイミングが本当に難しかったようです。

無事刈れてよかった!!!!

シャイ?無愛想?な根岸さん笑


昨年は142kgの収量だったのですが
あっという間に売り切れてしまったので
今年は3倍の収量を見越してつくっていただきました。

脱穀はまだなので
果たしてどれくらいになるか。
ドキドキします。(量もだけど売れるのか、とかも!)


そして作業を終えて
生産者さんと晩酌しながら来年の話なんぞするのですが
わたしにとってこの時間が本当にありがたくて楽しくて貴重な時間なんですよ。
学ぶこと多いし
わたしがお付き合いさせていただいている生産者さんはみんなまっすぐで氣持ちいい。

そしてやっぱり、というか。
年々自然栽培でお米や野菜、豆類をつくるのって大変になっているそうです。
(大変を楽しんでいる姿、真摯に探究する姿もまたリスペクトだし刺激を受けるんですよ)

数字で考えてみる

有機栽培のお米の収量の目安は
一反( テニスコート(シングルス)の5倍)で6.5俵(一俵60kg)
テニスコート5面で390kgとれたら一応採算とれる、ってところ。

ただしこれが
自然栽培となると収量は7割から5割になります。

慣行農法なら
1.2倍くらいになるのだろうと思います。

そして古代米になると
そもそもつける実の量が違うので、もっと減ります。
(だから白米の品種が開発されてきたんでしょうね)

もちろんこれらの数字は
天候や災害、その他いろいろで上下しますので一概にはいえませんが
この目安となる数字をみただけでも
同じ田んぼの大きさで
慣行農法の方が量がたくさんとれる=1kgあたり安く売れる
自然栽培の方が収量が少ない=kgあたり高くなる
というのはわかりますよね。

そしてお米は重さで値段が決まりますので
1粒あたりが大きい方が得です。
だから収穫直前にわざわざ実を太らせる肥料を入れたりする農家さんもいます。
慣行農法はもとより、もしかすると有機農家と謳っている方でもJAS認定のそういった薬とは言われていない肥料という名の薬を入れているかもしれません。

草取りもそう。
除草剤バン!の方が人件費も手間もかかりません。
田植え終わって除草剤バン!したらそのあとは何もしなくていいんです。

だけど有機栽培や自然栽培の場合、
草取りはすごく大切な行程になります。
お天氣みながら暇さえあれば猛暑の中草取りです。

よく自然栽培で《野菜》を作っている方が
草取りしなくていいのが自然栽培、って言っている方いらっしゃいますが
少なくともお米はそれ絶対ダメだと思います。

稲が育たない(収量に影響します)
虫が付きやすくなる(こなくていい虫も寄る)
さらに稲刈りの時めちゃくちゃ大変になります。(雑草まで一緒に刈ると脱穀がめちゃくちゃ大変)
(なのでわたしは野菜も草取りしなくていいとは思わないです)

そういった背景もあり
一反あたりの手間と収量を考えると
1kgあたりの値段がどれくらいになるか、農法によって変わるのはわかりますよね。
農法によって値段が変わるのは当然なんです。


消費者の方が買いやすい値段
バイヤーさんや卸さんが言う値段
ってわけにはいきません。

いかないはずなのに
農家さんによっては
一括買取で足元見られてることなんてよくあることです。
だから、肥料代と機械のローン払ったら手元に残らないなんてのはよくある話。

「自然栽培高いから」

当然なんですよ。

この大変動の気候の中で
薬や肥料に頼らず
お米を膨らませ、瑞々しくしてくれるのに
どれだけの観察と寄り添いと手間がかかっているのか。

バン!したら手を抜けるところを
あえてやらない選択をしたものを作ってくれている方たちなんですよ。

安全でおいしい米を、野菜を、穀類をつくる。

それだけのために時間と労力を費やしてくれているんです。

安全でおいしいものを安心して食べられる

これにどれだけの価値と豊かさがあるか、思い出してほしいなぁ。


みなさんだって
これだけやったけど手間賃これだけね、って言われたら嫌でしょ?

いやいや相場はこんなもんだから、みんなこんなもんで我慢してるから、
って言われて納得できます?
できないじゃないですか。

そしたらもう手を抜きたくなりませんか?


だからね
安全なお米、出来るだけ安く売ってください!
なんて簡単に言えないと思うのですよ。
相応の代金支払わないと。なんなら言い値で支払わないと。

かといって
農薬使ってるのでもいいから安くしてよ
って買い叩くのもおかしな話し。
だから農業続かないんじゃ?

じゃ、ダイレクトに買って「あげる」選択がいいのか?

「農家さんから直接買ったらいいですよね」
実はそういうことでもないんですね。

近くの、歩いて、もしくは車で10分くらいで行けるくらいの農家さんならいいんじゃないでしょうか。農家さんのタイミングでお伺いできるような距離感なら。

だけどわざわざ5kgのために
冷蔵庫から出して、計って、精米して、袋につめて、宛名書いて・・・をやる「農家」さんの立場になってみたらどうでしょう。

しかもそれ、1人分じゃないとしたら?

本来の農作業する時間削って
5kg10袋つくるって、本末転倒じゃないかと思うんですけど、どう思います?
意外と手間かかるんですよ、袋つくるの。

それをまず買って「あげる」なんて言ったら失礼極まりないです。

そしてね
少し高くなりますけど◎◎で売ってますからそこから買って欲しいです、って言われたらそうしましょう。
その人のつくるお米を手にしたいのなら。

「え、高くなるじゃん」
そうですよ。

何のために仲介の人がいるんだと思います?
米屋だったり、販売店だったりね。

野菜でもお米でも同じで。
つくることが仕事ならそれに集中してもらうことが一番大事なんです。

そのために問屋や仲介する人間の仕事は何か?

品を見極め、味や品質を、一番使い頃が良い最適な状態で
お客様に最適な品質の品を
それぞれのご要望に合わせて選別して届けること。

これが橋渡しをする仕事人の存在意義だとわたしは思っています。
それでお金を頂くんです。

わたし自身は飲食のプロの方を相手にはしていません。

家庭の台所を預かる方達と家庭の食事を豊かにすることをしたい。
そのためのお米や塩、海苔を販売しています。

そもそもね
飲食店に提供できるほど収穫のない貴重なものばかり、というのもあります。

いわば「消費」するものではないから。
毎日の家庭のごはんを通して、こころと体に「投資」するような食材ばかりです。

だからふと思ったのは
お客様とお会いする時
毎回毎回
ご家族の様子や嗜好を伺うことをしていきたいと思うのです。
どんなお料理が好きですか
どんなおかずをよく作りますか
それならこのお米
それならこんな炊き方
そんなことをお伝えしていきたいと思うのです。

そして同時に
このお米はね、こんな人がこんな場所で作ってるんですよ
こんなことが問題になっていてね
だから私たちでもこんなことをしていきましょう
そんなご提案もしていきたいと思うのです。

そうやって
「●●さんのお米が食べたい」ってファンがついてくれたらいいな、と思います。

そうしたら
毎日のごはんが小さな革命を起こせる存在になるんです。

この人に作って欲しい、作り続けて欲しい
そんな思いでとった行動が
その生産者さんを支えることになって
たとえばそれが自然栽培農家さんだとしたら
農家さんがしている自然への寄り添いに自分も賛同して実践しているのと変わらないことになる。

誰を選ぶか。
誰に作り続けてもらうか。

それは小さな革命にもつながるんです。

私たちは地球市民。

そしてわたしは生産者さんと消費者さんを繋ぐ役割を担うものとして
暮らしや生き方に投資したいと思って頂ける食材をお渡ししたいと思いますし
革命を共に起こせるようないのちに響く食材をお届けしたい、と今年改めて思いました。

そして近いうちに
ぜひそんな思いを共感しあえる仲間を募って
千葉や新潟へ行きたいと思っています。




今のあなたのために。あなたの次世代のために。採種や栽培、堆肥づくりに必要な資材を買ったり、本当に心地よい環境にするために使わせて頂きます! 応援ありがとうございます♡感謝します☺︎