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仕事の教育とは?阿部一智先生とフレネ教育と森と畑の子どもキッチンプログラム

先日、息子達が通ったけやの森学園(幼稚園)で雑談対談会に呼ばれ参加してきました。

阿部一智先生のこと

今回、大学で教鞭をとられ多くのフランス語訳の著書をお持ちの阿部一智先生も御同席されての雑談会でした。けやの森学園と阿部先生のご関係はというと、昨年夏にけやの森学園がプロデュースして出版されたヴァンスのフレネ学校 学校形式の再構築に向けてというアンリ・ルイ・ゴ氏(仏ナンシー大学准教授、フレネ教育研究者)の著書を訳されたのが阿部先生というご関係。阿部先生は小学校評議員も兼任されていて、子どもの教育環境へのご関心も高くフレネ教育に触れるためフランスのフレネ学校へ訪問もされています。

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フレネ教育の理念のひとつ「仕事の教育」とは

けやの森学園の教育の柱のひとつに”自然体験教育”があります。(上記写真が子ども達の活動の場である林)そしてそれを支えている環境づくりの指針になっているのがフレネ教育です。

フレネ教育とは集団生活の中で自分を発揮することを目的にしています。けやの森の子ども達って個々がすごくキラキラしているんですよ。「子ども」じゃなくて「○○ちゃん」「●●くん」という個がひかっています。そして子どもたちだけでなく、親も自分へ還ってゆくような、再生してゆくような、そんな6年間を過ごしました。

この雑談対談会では、フレネ教育の在り方の土台ともいうべき「子ども主体」という教育環境や教育の在り方について、わたし自身(母親として、森と畑の子どもキッチンプログラム主宰者として)の体験や見解を先生方と意見交換したりおしゃべりしたりさせて頂きました。

すごくすごく充実した時間でした。

さらに教育の専門家の方々が、フレネ教育の環境のひとつである”仕事の教育”への関心が高く、それを実践しているわたしとの対話をとても興味深く聞いてくださったのもあります。


日本で「仕事の教育」というと、小中学校の仕事見学や仕事体験、高校生や大学生のインターンシップを思い浮かべるでしょうか。

フランス人は日常会話で「仕事」と「勉強」を同じ単語(travail)で表すのだそうです。母親が子どもに「トラヴァイユは終わったの?」と聞くとそれは勉強の意味だし、子どもが母親に「パパは今日トラヴァイユ?」と聞けばそれは「仕事」の意味。仕事と勉強は深いところでおなじなのだという概念が文化として根づいていることがわかります。


阿部先生が「フレネ教育の”仕事の教育”」についてこんな風に解説してくださいました。

そういう活動って
すごくね
たくさん意味があると思うんですよ

一番大きいのは楽しいってことでしょうね。
子どもってごっこ遊び好きですから。
ままごととかね。
おとなの真似するのがそもそもすきなんだけども

それ以上に子どもって
おとな世界をどのように見上げているかっていうと

おとなというはどうも仕事をするようだと

僕たち、私たちはまだやってないけど

私たちがやっているのは
勉強とか遊びなんだけど

おとなっていうのは仕事をするんだと

僕やわたしもやがてするんだろうなぁ

ただ、

うまくできるかなぁという
漠然とした期待と不安のようなものがあるんですよね

おとな社会を見る眼差しの中に。


そしたらあらかじめね
それをちょっとやらせてみる
予行練習をさせてみるというのは
子どものモチベーションすごく高まると思うんですよね


仕事の本質とは何かというと
自分がつくった商品なりサービスなりのクオリティをあげていくということですよね。

これは自分がいいと思ったからみんながいいと思ったに違いないと思うんじゃなくて

たくさんの仲間たちと
何が一番いいのかそういうことをちょっと話しながらね
改良に改良を重ねていくってところですよね


自分がつくった商品なりサービスなりのクオリティを、仲間と共に改良に改良を重ねていく
このプロセスに悦びを感じて生きていきたい、と多くの人が思っているわけですよね。

仕事でも勉強でもいい。いわゆる”トラヴァイユ”的フィールドで、達成感や満足感、さらには自己充足感というものを得たい。

だったらそれを、仕事なのか勉強なのかわからないような子どものうちから味わせてしまったらいいじゃないか、ということですよね。

勝手に勉強するようになる、勝手に仕事をしたくなる、勉強が仕事になったり、仕事が学びになったり、というのは、そういった経験やプロセスあってこそです。

それが「仕事の教育」といわれる由縁です。



森と畑の子どもキッチンプログラムと”仕事の教育”

実はそういった意図をもって運営しているのが森と畑の子どもキッチンプログラムです。

今回、わたしの仕事内容をお話させて頂いた経緯もあり、阿部先生から《森と畑の子どもキッチンプログラム》が、フレネ教育実践の重要な環境のひとつ”仕事の教育”に通じるものがあると太鼓判を頂きました。

光栄です!

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森と畑の子どもキッチンプログラムは全11回を通して「本物の肯定感が根づいてゆく」流れを組み立てています。


肯定感が根づく根拠は

1:自分たちの手で商品を生み出す
2:商品のクオリティーを仲間と共に改良していく
3:プロフェッショナルへプレゼンテーションをして企画を通し販売へこぎつける
という勉強(学び)と仕事を交えながら実践するコンテンツであること。

さらに自分の創造性を開放しながらも「仲間と共に改良する」というプロセスの中で、感情や氣持ちをシェアし合い、人と人がリアリティをもって関わりあえる場であることが挙げられます。

開放や関わりの中で大切にしているのは「自由」を履き違えないこと。
集団の中であることはもちろんですが、いずれ出る「社会」では自分がよければいい、は通用しません。客観的な自己評価、他者評価を含めた議論を重ねられる、安心して個性を発揮できる場を自らもつくり出す責任も感じられるようになります。


その結果、無自覚につくりあげてきた ”どうせ…” ”ねばならない” ”だって…” という前提条件をそれぞれのペースで書き換えながら、何者かを目指すのではなく、何かができることを目指すのではなく、『自分を生きてゆく』という力を信じられるようになることを目指しているのがこのプログラムです。


このプログラムがそういったコンセプトを成し遂げることができるのは、土台に、子ども扱いはしてもらえないけれど誠心誠意全力で受け止めてくれるおとながいるから。
全力で臨むことができる安心な場でチャレンジしてみた!
この達成感はおとな顔負けです。


森と畑の子どもキッチンプログラムは、子ども達の自分のいのちの「そうなりたい」「そういきたい」を感じられる自己信頼と体感覚、感性を育む。
そしてここで経験したことが近い将来「悦びに繋がる仕事」へ続いてゆく。

そうわたしは信じて開催しています。


阿部先生からの太鼓判、大きな共感は大変勇氣になりました。

阿部先生、ありがとうございました!



森と畑の子どもキッチンプログラム〜TANE〜 3期生募集中です(6月末迄)

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