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「ゆっくりで大丈夫」余白の大切さを教えてくれた山梨旅
5月上旬、夫と愛犬と一緒に2泊3日の山梨旅へ出かけた。訪れたのは、山中湖と河口湖。なんだかここ最近ずっと、湖に行きたかったのだ。
以前、看護師として働いていたころは、休暇を楽しむために仕事をしていた。がむしゃらに働き、溜まったストレスや疲れを年に数回の長期休暇で癒す。そして休みが終われば、またすぐに走り出す、この繰り返し。
でも今回の山梨旅では、これまでとは少し違う感覚になった。
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車を走らせて2時間ほどで、山中湖に到着。
しとしと雨が降る中、霧に包まれた湖畔のカフェでお昼を食べた。
テラスから見える湖の水面には、まるで鏡のように木々が映っている。風が吹くと水面が静かに波立ち、水面の木々は見えなくなる。風が止むと、また木が姿を現す。
その様子をしばらく眺めていると、自分の中の時間の流れがゆるんでいくのを感じた。
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次の日は快晴。山中湖のまわりを散歩した。ちょうど新緑が美しい季節で、木漏れ日のなかを歩くのも楽しい。野生の鹿や白鳥にも会えた。
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湖は変わらず、穏やかに漂っている。深呼吸をすると森の香りがして、とても心地よかった。
旅行前は、少し心配だった。
休んで大丈夫だろうか。誰かに迷惑をかけないだろうか。仕事は予定の期日までに、間に合うだろうか。
やらなきゃいけないことがたくさんある気がして、休んでいる暇があるのかと不安になる。だけど、休む前にしっかり準備をして休暇に入れば、意外と大丈夫だった。
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本当は根詰めなくても、時には休んだり、速度を落としたりしながら働いてもいいはずなのに、気づけば自分にやることを課し過ぎてしまう。
そんな自分に、今回の旅が「ゆっくりで大丈夫、休みながらでも大丈夫」と教えてくれているような気がした。
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早くなり過ぎたペースがゆるみ、やらなきゃいけないことでいっぱいになった頭や心に余白が生まれていく。
旅が終わってからも、元のペースに戻るのではなく、もう少しゆっくりでも大丈夫かもしれないと思えた。
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急ぎ過ぎている。
頑張りすぎている。
求めすぎている。
もう少し、ゆっくりでも大丈夫。
静かに揺れる湖の水面を眺めながら、そう思った。
そういえば、数か月前から行きたいと思っていたカフェは、毎月予定を立ててみるのに「今は忙しいから」といつも後回しになってしまっていた。
日常にも、今のゆったりした気持ちを連れていこう。そして、あのカフェに行こう。そんなに急がなくても、きっと大丈夫だから。
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