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金閣寺

アロマセラピスト(求職中) たまいです。
金曜は読書記録。
#今決めました
今日は、明日の“考える読書会”のテーマ本です。
#前回は1週間間違えてた

『金閣寺』三島由紀夫/新潮文庫

はじめてこの本に出会ったのは大学生の時だった。
中学の頃、太宰治という思春期麻疹にかかり、完治していなかったので、三島由紀夫=太宰批判というイメージから避けていたのだが、久々に会った幼馴染みが「三島はすごい」と熱っぽく語るので、なら読んでみるかと手に取った。

「幼児から父は、私によく、金閣のことを語った。」
この一文で引き込まれた。
通学中の電車のなかで読みはじめ、降りても本を閉じられず読みながら歩いて電信柱にぶつかった。
マンガの表現などである、頭をぶつけて目から星が出るというのは本当だった。

そして今年、20年ぶりに『金閣寺』を読んだ。
横浜読書会主催の“考える読書会”のテーマ本だったからだ。

「幼児から父は、私によく、金閣のことを語った。」
最初の一文で鳥肌がたった。
美しい。

「私は、その男の写真を三葉、見たことがある。」
同じように読点で区切られた簡潔な文だけれど、太宰の人間失格は情に訴えてくる。それに対し、金閣寺は美術品のような洗練された美しさを感じる。
もう、並んだ活字が美しいのだ。おそらく万年筆で書かれた手書きの原稿は、きっと更に美しいのだろう。勝手な想像だけれど。

ものすごく美しく、耽美な文章で綴られた、厨二病小説だ。
文章の美しさは、眼福。美術館に行きたいと思っていた気持ちが少し満たされたような気がする。

もう一度読むきっかけをくれた、横浜読書会に感謝。



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