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春巻き

梅の季節が始まると、何も手がつかなくなる。

梅は完熟すると自分で落ちる。
完熟=タネが成熟→子孫を残す準備ができた
ということなので、梅は完熟すると樹から離れて土へ着陸する。
梅の生存戦略である。

自然の中ではとても理にかなっているこの行為。
しかしながら、農家にとってはこの落ちるのが厄介だ。

樹の上で完熟するのを待てば、フルーティーでトロッとした食感の梅干しになる。
しかし収穫のタイミングを間違えば、梅は全て落ちてしまって今年の梅干しはなくなる。

だから梅畑が梅の香りで充満してきた頃から収穫を始めて、毎日様子を見ながら収穫をし、選別をして梅を漬ける。

この繰り返しの日々に忙殺されて、何も手がつかなくなるのがこの時期である。

昨日、ようやくその作業がひと段落した。

その間も毎日食事はしていたのだが、ゆっくりと買い物などできるはずもなく、家にあるものでなんとかしのいでいたが、昨日はゆっくりとスーパーを見て回って、お惣菜コーナーで見つけてしまった。

春巻き。

この食べ物は、みんなが大好きなのに、いつも忘れてしまうやつ。
外食をしても、「今日は春巻き食べに行くぞ!」などとは絶対にならず、たまたま行ったお店のメニューに「春巻き」とあれば注文するくらいのもの。

こんな主役級のうまさなのに、影が薄すぎる春巻き。

今日はそんな春巻きをご紹介しよう。

僕とひかりと咲多の春巻き

材料
・春巻きの皮    10枚(1袋)
・筍水煮      1袋
・椎茸       小2個
・もやし      袋半分
・ひき肉      拳の半分くらい
・塩こしょう    適量
・オイスターソース 2まわしくらい
・水溶き片栗粉   大さじ3くらい

作り方
①筍と椎茸を細切りにする。(筍は食感が良いので厚めに)
②具材を全て炒める。
③ひき肉に火が通ったら調味料を入れて最後に水溶き片栗粉でとろみをつける。
④春巻きの皮に、粗熱をとった③を乗せ、春巻きの皮をゆるく巻く。
⑤150度くらいの低温の油で揚げて完成。

春巻きの皮は、ギチギチに巻きがちだが、ゆるく巻いたほうが良い…とどこかの料理人が言っていたので、それを守っている。
春巻きの皮が重なっているよりも、皮と皮の間に空間が開いているほうがパリッと仕上がる。

春巻きの最大の武器は、あのカリカリの皮だ。
フニャッとした春巻きなど、春巻きではない。
夏と秋を通り過ぎた、冬巻きだ。
ここさえ間違わなければ、中の具などどうでも良い。

春巻きは皮さえ美味ければうまいのだ。

妻がやっている韓国料理教室とキムチはこちらから↓


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