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マネジメント論

成否の鍵

 「部下やメンバーに"任せきる"」こと。

 やっていると言う人は多数いますが、実際にできている人は僅かです。
任せきることができると組織は大きく伸びる可能性が高くなります。

 マイクロマネジメントをしている組織は限界点が非常に低く、組織としてまず伸びません。限界点は、マイクロマネジメントしている人の6-7割、よくても9割が上限だからです。

任せきる際のポイント

 任せきるポイントは、責任は任せた側が取る姿勢です。これが明確に伝わっていれば間違いなく現場やメンバーは思い切ったことができます。新規事業では躊躇してしまうことが失敗要因の一つですから、その要因を取り除くために必須です。

 疑心暗鬼を生み出すような対応はマイクロマネジメント以下です。丸投げして問題発生時に梯子を外すのは論外です。これらはマネジメント職に向いていない人ですから、早期に入れ替えた方が良いでしょう。
 これらをやっている人をよく見かけます。そういう人に限って、部下の不平不満が多い傾向があるようです。部下に対する不平不満を言う幹部がいたら気をつけた方が良いでしょう。責任を部下に押し付けている行為そのものですから。

 人によっては最初に手取り足取り意識や考え方を伝えたり見せることは必要かもしれませんが、組織を伸ばしたいのであれば、初期導入で十分に手取り足取りやった上で、基本は全て任せきることです。任せ切って結果責任は任せた人が取る。これに限ります。

任せきった結果

任せきることで人の成長も生まれ、例えその人が外の世界に転出することがあっても組織にとってマイナスどころかプラスに作用します。一時的な戦力ダウンは起こりますが、不思議と恒常的な戦力ダウンにはならずその人が抜けたことで別の人が奮起するという相乗効果が生まれます。連鎖して辞めてしまうのはマネジメントの不備です。幹部は自らを振り返って改善しましょう。

任せきれない幹部のいる組織の末路

 任せきる勇気のない幹部が幅を利かせている組織に未来はありません。トップがこけたら幹部は真っ先に逃げ出しますし、誰も責任を取らず現場に丸っと責任が飛んできて終わりですから。

 マネジメント職が不足していると言われていますが、組織を機能させるためのマネジメント論を持つ人は幹部にせず、管理型の人を幹部にする組織が多いのですから当然です。"幹部"が"患部"になるという負のスパイラルです。

信頼の力

 任せきるためには誰よりも他者を信頼することが大切です。裏切られることを恐れていては任せきることはできません。
 任せきるにあたり、必要なことを包み隠さず伝えておくことです。秘密主義の人が失敗するのは、必要な情報すら隠したり、直前まで伝えなかったりするからです。"先に言えよ!"、"今更言うなよな・・・"と言う現場の不満が生まれたらアウトです。

 普段から密度の濃い共有を幹部から現場やメンバーにすることが鍵になります。余程のトップシークレット以外の情報は、オープンにすることが大切です。
 言うほど機密事項になるような機密事項は世の中にありません。国家的な軍事情報や諜報機関の情報、会社であればM&Aの情報くらいでしょう。ビジネスモデル云々言う人がいますが、誰でも後から真似できることは機密とは言わないものですし、機密としているのとの多くは、単に不都合だったり、勝手に機密と思い込んでいるだけだったりします。特に、想いの要素が含まれる場合は、情報として開示したところで真似されてもうまくいきませんから。真似されてうまくいくことは、そもそも大したノウハウでもありません。

信頼が問題を解決する

 任せきる人が増え、伸び伸びと動ける環境が増えれば、組織問題の半分は解消するのではないでしょうか。

 マネジメント課題についてのご相談はお気軽にどうぞ。


著者:原田光久(ひかりば 代表 / コミュニケーション・プランナー) ●社会問題解決アドバイザー、新規事業開発・地域創生・経営支援 ●行政・教育機関・民間企業で研修・講演・IT推進をサポート ●連絡先:harada@hikariba.com