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ぜんぶつながっている



ココ・シャネルの有名な言葉がある。
20歳の顔は自然の贈り物。30歳の顔はあなたの生活。50歳の顔はあなたの功績。」というものだ。

この言葉の本質は「経験の積み重ねや努力、思考を止めないことや、日々の行動がひとの見た目を変えて行く」という内面的な変化をも網羅した意味合いだと認識しているつもりだ。

だが、20歳のわたしが読んでも「ふーーーん」としか思わず、30歳の時も「ほーーーん」と酒を飲んでいた。

しかし、ここ最近"わたし"とちゃんと向き合いはじめて、この意味を徐々に理解しはじめた、気がする。

いまのわたしのからだは、すべて過去で出来ている。
当たり前のことだが、わたしはその積み重ねの意味を最近ようやく意識できるようになった。
今まで呆れて笑えてしまうくらい、無頓着であった。

まず、体型である。
二年ほど前からゆるい食事制限(脂質制限)と、散歩という有酸素運動でなんとか4キロほど痩せた。有酸素のみで筋トレをしなかったので、胸はサイズダウンしてしまったが、上半身はなんとかUNIQLOのSサイズがちょうどよいサイズ感になった。(しかし筋肉がないので、締まりのないボディだ。とても美しいからだとは言えない)

そして、下半身である。
太いどころでない。全部がパンパン、セルライトまみれ、固い肉がある。しかも絶対筋肉じゃない。なのに固い。最悪である。
散歩は脚やせをするというので積極的に取り入れたのに、下半身に全く変化がない。

なにこれ?ボンレスハムなんですけど。
わたしは夏に麻のハーフパンツとジャケットのセットアップを颯爽と着こなしたい人生だったんですけど?
 という有様。

「絶対痩せる脚やせトレ3選」
「脚やせしたいひとこれだけやって!」
「筋トレより効く!脚やせストレッチ」

インスタで見慣れたショート動画を眺めていると、整体師の方のものがひとつ紛れていた。

骨盤が歪んでるひと、痩せません!」みたいなタイトルの動画で、なんとなく心のどこかに心当たりがあったわたしはその動画を見た。

動画のなかに"わたし"がいた。

はーーーーーん!理解!
わたしは骨盤が歪んでるから痩せないのか!

びっくりした。そこに真実があったのだ。
なるほどね〜と思っていると、その動画に興味があると判断したインスタは次々と"わたし"の存在を紹介してくる。

「猫背のひと、痩せません!」
「ふくらはぎが太いひと、ジーンズのここがまわっていませんか?」
「反り腰をなおさないと意味がありません!」
「浮き指になってませんか?痩せません!」

などなど。
よくもまあ、こんなにも「わたし」の体型を集めてきたものだ、と感心するほど自分の症例がずらっと並んでいた。

つまり、わたしが痩せないのは
歩き方が悪く、扁平足で、姿勢が悪く、骨盤が歪み、腰が反り、変なところに力が入っているから余計な部分に肉があり、肝心なところに筋肉がなく、肋骨が開きっぱなしで、呼吸が悪い。 ということだった。

いや、待ってくれ。
もう、人生。これ、わたしの人生じゃん。

わたしの三十数年間、意識もせずに生きてきた人生そのものが、「わたしのからだ」になっているのだ。

いや、当たり前なのだけど。
当たり前のことなのに、はじめて聞いた、みたいな気持ちだった。

まーじで? びっくり。
いや、え?歩き方って!そんなの教わらないじゃん!

はじめて歩いたときから、「ふふ、骨盤が歪むからまっすぐ踵からつま先をちゃーんと使って歩こうっと♡」なんて思わないじゃん!

他責である。
悲しいくらい自分に責任がある(むしろ自分にしか責任がない)のに、ぜんぶ他責にしたい。そのくらい衝撃があった。
(姿勢に関しては小学校のときに猫背にならないように背中を定規で当てられるとかあったな、と思い出す。だからきっと歩き方も教わっていたのに、きっといつものように「ほーーーん」とスルーしていたのだろう。全く自業自得である)

そうして今の顔にあるシミ、そばかすたちも同様である。
わたしが日焼け止めをベタベタするから使いたくない等とほざいてサボった高校生時代の日常がちゃんと形になって現れている。

とんでもねえ話だ。

ココ・シャネルの話でいくと、わたしは50歳になったら「とんだ体たらくな顔・からだ」になっていることだろう。

いや〜〜〜 人生!
ぜーーーんぶつながる!
過去が未来になる。いやになるほどに!



わたしはこの年になるまで、そんなことに全く気付かず生きてきた。なにかに気付くたびに、毎回この反省に出会う。

noteを書こうと思うたびにこの着地になってしまうが、ほんとうにわたしは「なにも考えないで」生きてきてしまっているんだろう。

けれど、気付けた今日がスタートラインだ、とようやく思えるようになってきた。一種の開き直りでもある。

ひとによっては「遅すぎる」と思われる年齢だろう。けれど、逃げずに考える、向き合う、と自分で決めたので、少しずつ頑張りたい。

脚やせは「もはや寝返りからやり直した方が早いじゃん……」と、どこから着手したらよいのか分からないレベルなのだが、まずはメンタルも強くなると話題の筋トレをしてみようかな、と思う今日この頃。

今日も生きているな、わたし。
そして今日が明日になって、未来になるんだなあ。

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