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ちょっと不思議なお話⑥


 数年前。

 知り合いの家で話をしていた時のこと。


♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪

 

 昼間で窓から太陽の光が入ってきて、部屋は明るかった。

 「あなたは○○みたいだね」

と言われて「○○って何ですか?」と尋ねた。

「あなたは疲れた魂を癒す人って感じがするなぁ」

「そうなんですか?」

「うん。それで、みんな元気になって自分の場所に戻っていく……」


 椅子に座ってぼーっとしながら、そんな会話をしていた時だった。急に足元に風が吹いた。

窓を見る。窓は閉まっている。


 また話しが続く。


 また風が、今度は前の方から。そっちには窓はない。おかしい。

じっと、風が吹いてくる方を見つめた。普通に白い壁だ。空気孔もない。


なんで?!


風はどんどん強くなる。


 「あの、風きません?」

 「だよね……」


 わたし達はその壁をじっくりと見つめた。

 やっぱりそこから。しかも、どんどん穴が開いていくのがわかる。ブラックホールみたいだ。

風はこちらに吹いてきているようで、だんだん吸い込まれていきそうになる。

気がつくと直径1メートルくらいの穴になっていた。

このままでは部屋ごと飲み込まれてしまいそうだ。


 「大丈夫ですか?」

 「わからないね……」


わたしは、その穴が塞がることをイメージし続けた。

異次元に繋がってるのかな?でも、あちらに行ったら戻ってこれないかも。

どこに繋がっているんだろう?

よくわからない現象の中で、家に帰れないかもと普通のことを同時に考えていた。


 謎だ。


 穴からの風は収まらない。でも、このままじゃまずそうだ。


 

 どのくらい経ったのだろう。

 穴は突然小さくなり、風も止み始めた。

そして、消えてしまった。


 

 後にも先にも、あんな経験はした事がない。

 今、思い出しても不思議でしょうがない。


 



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