わたしの好きな場所
セピア色とはいわない
夕日が強めに入るその場所は
わたしの宝物が眠る場所
もうない空間も
意識でなら飛べる
時々 読みたい本を探しに
大好きなぬいぐるみが
なぜ難解な本棚に置いてあったのかは
いまになっては誰もわからないけれど
二つの石膏の顔を目指して
意識する
今日はあの本を読もう
ガラスの扉を開いて
音を立てないように
そっと そっと
あの頃のように
ゆっくり本に手を当てる
主人公の声が聞こえる
気が済むまで
本に手を当てて
夕日が沈み始めるまで
まだ時間はある
わたしの好きな場所
いつでもいける
地球宇宙図書館
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