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14宇宙の館「進む道、後退する道」

ヒカリ「ねー、私にはなぜ羞恥心が強いのかな?羞恥心がなければ、もしくはもっと低ければ、きっと私はもっと堂々と生きてこれた気がするよ。そして今も。」

門番「フンっ。周りを気にしているからだよ。羞恥心はある程度、皆持っている。無くしたら人間として終わりだよ。周りと比べ、自分が劣っていると感じ、それが恥ずかしいと思う。そもそも周りと比べる時点で、歪みが生じている。」

ヒカリ「いや、でも、秀でている事に対しても、目立ちたくない!ひっそりとしていたい!という気持ちもあるよ。」

門番「それは目立ちたくないという性質を持っているという事。人間は、よく感情を混ぜる。目立ちたくないと、羞恥心が強いとは、別物だ。俺から見れば、全然違う感情だよ。」

ヒカリ「そうなの?じゃー、羞恥心は性質とは違うって事?」

門番「そう。思い込みによるもの。意識次第で、羞恥心を取っ払う事はできるぞ。しかし性質は変えることは出来ない。性質とは、人間で言う血液型のようなもの。変えたいからといって、変えられるものではない。努力で多少隠す事は出来たり、無理してそうでない自分を取り繕う事は可能だが、本質の性質は変わりはしない。」

ヒカリ「なるほどね。じゃー、羞恥心はいわば、ネガティブというか、自己否定から来ているもんね。そこをポジティブに変えたり、自己肯定感を高くしていけば、取っ払う事が出来るんだね。羞恥心を無くしたいな・・・」

門番「完璧は目指すな。前より成長していたら良しとみなせ。その繰り返しで、3年も経てば、成長している自分に気づくだろう」

ヒカリ「3年って長くない?なんかせめて1年ぐらいで成長しないのかな?」

門番「その羞恥心を植え付けるのに、お前は何年費やしたんだ?30年近くだろ?それを1年で取っ払えると思うのか? 1日一歩ずつ植え付け、30年分の階段を登ってきた。それなら、これからは1日一歩ずつ降りていけばいい。なぜ降りる時だけ、1日10歩ずつ降りることが可能だと思うんだ? 都合の良い考え方だけは立派だな」

ヒカリ「・・・」

門番「これから進みたい道、そしてこれから後退していく道を判断しろ。同時に進めていく事で、成長は格段に早くなる。進みたい道を一歩進み、後退したい道を一歩降りる。合わせて2歩分成長している事になる。それを同時に3つも4つも取り組んでいけ。そして毎日それを繰り返していくんだ」

ヒカリ「うーん、じゃぁ、英語の勉強も入れておこうかな?」

門番「好きにするがいい。進みたい道、後退したい道、それぞれ進んで行け」

ヒカリ「まずは道を振り分ける所からだね。早速取り掛かります!」

門番「フンっ!」

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