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⑤宇宙の館「何もない空間から、始まる」

門番「さぁ、着いたぞ」

ん?ココ?ヒカリは、何もない空間をキョロキョロしていた。

門番は、ココから自分で知りたい情報を読み取れと言っている。

ヒカリ「私が読み取るの?」思わず聞き返した。

門番「そうだが・・?」

ヒカリ「私はてっきり・・、地球に発信する情報を教えてくれるものだと思っていたんだけど・・・」

門番はため息をついて、続けた。

門番「ここにある情報を、ダイレクトに伝えても、今の地球人には上手く伝わらないだろう。お前が地球人にわかりやすく変換するのだ。そのためにお前は、何十年も地球人として生きてきて、地球人の心をわかっているだろう?」

ヒカリ「まーね。今もまだ地球人よりだね、私は」

門番「それでいい。そうじゃなければその役割は務まらない。どっぷりと地球独特の感情に浸かり味わう経験も、無駄ではなかったぞ。」

門番がいなくなりそうな気配を感じ、ヒカリは唐突に質問した。

ヒカリ「ねぇ、私のことについて聞きたいんだけど。私は今、何をしているんですかね?私は何で、ここにたどり着いたの?」

門番「『魂が望む道を歩かせて下さい』と願っただろう?」だからここにいる」

ヒカリ「これが私の魂の計画通り!?」理由を聞いても、すぐに納得できなかった。門番は続けた。

門番「だからと言って、ここがゴールではないぞ。」

ヒカリは頭に衝撃を食らったような気がした。そうだ、そうなんだ。ここにたどり着くことがゴールではないが、せっかくここまで来た。ようやっとここに着いたのに、ここがゴールではないと言われるのは、非常に切なくやりきれない。労いの言葉があるわけでもなく、次々に課題を与えられる。

ヒカリは「ここに来て、情報を読み取り、それを発信する」とつぶやき、同時に、「何のために?報酬は?」と求めてしまう、欲深い自分に幻滅している。

それを読み取った門番は

門番「自分に課せられた役割のため。報酬はたんまりでいいのかな?」嫌味のある顔をして言い放った。続けて

門番「上手くやろうと考えるな。ただ発信するばいい。あとは受け取った人たち各々が、自分流に解釈し、行動を起こしていくから」

ヒカリは、なるほど!と思った。完璧なものでなくていい。私は情報を発信し、それをどう地球で応用していくかは、各々がやるべき課題なのだ。

ヒカリの心に少しやる気が出てきた。

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