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クリエイターとファンと支援

佐々木さんのこの記事を読んで、本文には出てこないけれど、支援ということについて考えた。

【登場人物】
・人気だけど薄利多売のうどん屋。(本人は現状で満足。)
・うどん屋さんは正当な対価を受け取っていないと思っているうちわ職人。(伝統工芸のうちわが売れない自分の現状に不満?)
・うどん屋さん本人がいいと言っているのだから問題ないと言う、うちわ職人の妻

うどん屋さん本人が「現状で満足」と思っているなら、それでいいじゃんという思いもありつつ、ほんとうに深層心理でよいと思っているのかなあ、無理してるんじゃないかなあという気もしてしまう。

うちわ職人さんの、うどん屋さんに対する「もっと評価されてもいいのに」という気持ちはすごくわかる。

でも当の本人は、値上げをするつもりはない。

うどん屋さんが募金箱(クラファン,ポルカ)を置いてくれたら、きっと常連さん(ファン)がお金入れてくれるんじゃないかなあと思う。でも、このうどん屋さんはやらないだろうなあ。

そして、うちわ職人さんの話で思い出したことがある。

今、プロを目指しているけれど、半人前だから格安でお仕事お受けしますみたいな準クリエイター(?)を集めたサイトはたくさんあるんだよね。

デザイン、イラスト、写真など様々なジャンルで。

プロのクリエイターの1/3以下の値段で受けたりしていて、その価格破壊困る、いや、今までのプロの価格が高すぎたんじゃないですか?という抗争。

私はこれもすごく難しい問題だなあと思っている。こういったたぐいの問題については、もう何年も考えていて、自分の中では正しい答えがまだわからない。

発注側の求めるクオリティ(今の時代に求められるクオリティ)に沿って、自分の営業形態を変えていくなど、そういった時代の中で生き残るすべを模索しないことが悪い

こういう考え方も分かる。

でも、たとえば時に、尊い技術が時代の中で消えていくかもしれないことは、時代にのれなかったクリエイターが悪いで片付けてしまっていいのかはちょっと分からない。

いや、やっぱりだめなんじゃないのだろうか。

うどん屋さんに対しても、うちわ職人さんに対しても、ファンがいたらファンが救えるやり方はあるんじゃないかなあと思う。

本人が(例えば)ポルカをやってもいいし、助けになりたいと思うファンが勝手にポルカをやってもいいかも。

ブログなどで宣伝したり、もちろん、定期的に通ったり、購入したり。うちわはそんなにいらないか。うん、ファンの間で考えよう。

これからの時代を生き抜くにあたって、クリエイターが時代に求められる形態に自分の技術を変換させていくことは必須なのかもしれない。

でも、そうすることでクリエイターとして大事な何かを失ってしまうことも、あるかもしれない。

ファンの存在があれば、そしてファンが「このお店なくなってほしくない」とか「この商品をずっと買い続けたい」と思えるような場所や物であったら、ファンにもその場所や物を守ろうという意識が芽生えたら、もしクリエイターが困っていたとしたら、救うことができるかもしれない。

閉店セール、閉店パーティー、廃線イベントの時になって初めて「好きだったのに残念」ていうならもっと前から通っててよ

の、先回りができたらいいんだよなあと思う。

クラウドファンディングというものが、かなり一般的に浸透してきた感じはあると思うけれど、その時によく使われる『支援』という言葉が、更に広く深く世浸透したらいいのになあと思う。

『支援』が良い・悪い以前に「そんな発想がない」という人がまだ大多数なんじゃないかなあと思う。

あんまり時間が無い気がするのだけれど、自分も自営業の身として、また好きな場所や人や物がたくさんあるファン側の人間として、どんなことができるのかなあと考えている。

お金について考えてみた図。この話は永久に終わりそうにないので、ひたすら「続く」だなあもう。

 

いろいろな方にインタビューをして、それをフリーマガジンにまとめて自費で発行しています。サポートをいただけたら、次回の取材とマガジン作成の費用に使わせていただきます。