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『すっぴん』のない朝

NHKラジオ第一で朝8:30~放送していた『すっぴん』というラジオ番組が先週で終わってしまいました。

私が山梨に帰ってきたのは2010年8月の終わりで、そこから1年ほど家の仕事を手伝うことになったのですが、20代になってからは殆ど聴かなくなっていたラジオを、その時に再び聴き始めたのでした。ちなみに、当時は28歳でした。

その時、NHKラジオ第一で午前中に放送していたのが『ラジオビタミン』。村上信夫アナウンサーと神崎ゆう子さん(ゆうこおねえさん)が担当していて、ここで新しいカルチャーにたくさん触れることができました。(ちなみに私の住むところでは、NHKと山梨放送以外はなかなかクリアな音声で聴けないのですよね。今はラジコで快適なラジオ生活を送っていますが。)

このラジオで鎌田實さんのことを知って、村上信夫さんと鎌田實さんが祝日に放送していた『鎌田實 いのちの対話』の公開生放送が山梨で行われたときは、友人と一緒に参加して、会場で書いた投稿も読んでもらったのを今思い出しました。

私がラジオビタミンを聴き始めてから約半年後、東日本大震災が起きた月、震災発生から少しお休みしていましたが、ラジオビタミンの放送を再開してくれて、現地のリアルな声もたくさん聴いたことも、よく覚えています。

そんな混乱の中でも、番組が終わってしまうことを知って、次に始まる『すっぴん』は、なんだかだいぶにぎやかで雰囲気が違うなあ・・・と思っていました。

『ラジオビタミン』は、お便りテーマが一週間同じだったんですよね。『すっぴん』は毎日違うお便りテーマがあって(こちらの方がラジオとしては主流かと思いますが)それについて藤井彩子アナウンサーが放送開始から最初の週に、こんな投稿を読んでいたのを覚えています。

『「毎日お便りテーマが違って、まるでお便りのテーマパークのようです(怒ってるふう)」って、うまいこと言いますね~!』というような内容だったのですが、藤井アナウンサーが気丈にふるまっている様子が感じられて、ああ、同じ時間にラジオ番組を引き継ぐってとてもとても大変なことなんだなあと思いました。

でも、すっぴんを聴いているうちに、すっぴんの新しいポップな雰囲気にも慣れて、ラジオビタミンロスだった私も、毎日の放送がどんどん楽しみになってきました。

2011年の11月から、私は外で働き始めたので、それまでのようにはあまり聴くことができなくなりましたが、休みが主に平日だったので、休日にはよく聴いていました。

20代はラジオから遠ざかっていましたが、再びラジオというメディアの深さに触れるようになったのは、ラジオビタミンとすっぴんのおかげでした。

2013年4月からは、私の大好きな津田大介さんがパーソナリティに。津田さんの曜日は全部録音して聴いていました。2年で出演が終わってしまったときは残念だったな。。。

2017年からは仕事を辞めて再び家で働くことに。また、毎日すっぴんを聴く日々が復活しました。そして、2011年の頃からは考えられないほどに、リスナーと番組の絆が厚く深くなっていたことに感銘を受け、また新たなすっぴんライフが始まりました。

高橋源一郎さんが紹介していた書籍をよく購入したり、ユカイさんおすすめのアーティストを聴いたり、川島明さんの笑いでいつも元気になったり。最後の一年は、なんと私の大好きなサンキュータツオさんがパーソナリティーになったり。能町みね子さんのニッチな旅の話にはほんとうに想像が膨らんで。

そういえば、マキタさんもプチさんも出演があったんだよね。楽しかった。

タブレット純さんを知ったのもすっぴんでした。かなり初期から出てましたよね。

春日太一さんと高橋ヨシキさんも、いつも楽しみだったな。

添野知生さん、飯間浩明さん、大友良英さん.....

他にもほんとうにたくさんのたくさんの方に、多くのことを教えていただきました。何より、藤井彩子アナウンサーの奮闘、センス、強さ、やさしさ、に励まされ、明るく楽しく毎日を過ごすことができました。私の一部は『すっぴん』でできているんじゃないかと思います。

すっぴんを聴く習慣ができて、他のラジオも以前よりずっと聴くようになりました。豊かなメディアに救われる日々でした。そして、これからも私はラジオに助けられていくのだと思います。

すっぴんの皆さま、贅沢な時間を、どうもありがとうございました。

いろいろな方にインタビューをして、それをフリーマガジンにまとめて自費で発行しています。サポートをいただけたら、次回の取材とマガジン作成の費用に使わせていただきます。