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「梟の城」を読んだ中三女子の感想
「燃えよ剣」「竜馬がゆく」の有名な二作に続けて読んだのですが、「梟の城」。
さすが司馬遼太郎さんだな、という心情描写でした。
忍びの心の動きとか考え方とか、今の人とは違うところの説明が納得できる。
「忍びになったことがあるんですか!?」と訊きたいくらいです。
主人公は葛籠重蔵という伊賀の忍者で、織田信長によって両親と妹を殺されたことを恨んでいます。
この恨みにも色々な心情が絡んでいるのですが、この重蔵が豊臣秀吉の命を狙うようになるというところからこの小説は始まります。
この重蔵が、格好いいんですよ。
忍びの生き方を全うしようとする姿勢で、他人を圧倒してしまうようなところが「すごいな」って。
格好いいし、憧れます。
忍びの生き方はりぼてみたいなものだという重蔵の心情は繰り返し出てくるのですが、それでも、一つのことを貫き通す「凄み」があると思うんですよね。
その「凄み」が身についている人って、人間が出来ている人だったりするのかなと思って。
だから重蔵は、秀吉とも対等に話せたのかな、と。
ただこの「生き方」は哀しくもあるんです。
というか、重蔵やその兄弟弟子の五平もそういうことを言っています。
だから、重蔵が伏見城に忍び込むシーンでは悲しい場面でもないのに泣いてしまいました。
「有終の美」とか、そういうものなんだろうなと思います。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、ただ、この話はハッピーエンドです。
一番、誰にとっても幸せな終わり方なのかなと思いました。
それによって損をした人はいますが、まぁ、重蔵や小萩にとっては。
それにしても伊賀忍者の重蔵と五平って、実在するものなんだな、と思って驚きました。
あとがきに書いてあったのですが、伏見城に忍び込んだ二人は実在したそうです。
伏見城に忍び込める人がいた、ということもすごいですし、その二人からこの物語を作れる司馬遼太郎もすごいです。
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