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チャーリー・ブラウンに幸せが

チャーリー・ブラウンの巻き毛に幸せな雪  野口る理(『しやりり』)

よく気にかかっていることのひとつに、チャーリー・ブラウンはあの後幸せになれたのか、というのがある。
のび太のことはそんなに気にならないのだが、ブラウンの方は気にかかる。

人に聞いたりもする。
「あの、なんでもない質問と思って聞いてもらいたいんだけれど、チャーリー・ブラウンはあの後幸せになれたのかね」
「ちゃーりー、なんだって? 幸せってなんの話? なんか始まるの?」
「いや、いいんだけれど」
風。

スヌーピーの名言でよく思い出すのは、「けれど手持ちのカードで勝負するしかないだろ」ということばだ。
どんな状況だろうと、今ある自分で勝負するしかない。
いいことばだ。
でも私もブラウンもたびたびそうなんだけれど、カードが0枚のときがよくあるんだよなあと思ったりする。
私はブラウンと話し合う。
負けることはわかっている。これは負けいくさだ。
どうするか。
だったら、どう負けるかを考えよう。

或いは、と私たちはさらに話し合う。
夜明けは近い。人を呼ぼう。その人に聞こう。その人がわからないと言っても、とりあえず孤独じゃなくなったことを喜ぼう。負けたときはその人に、こんな風に私は失敗したんだよと、できれば少し気の利いたユーモアを交えて話をしよう。その時一緒に食べるブルーベリーパイが美味しかったらいいね。美味しそう。私たちの話し合いはもう終わりそうだ。
朝が近づいている。

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