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銀河鉄道のホームで

銀河鉄道のホームに置いてある脚立  赤松ますみ(『セレクション柳人1』)

『スター・ウォーズ』を観ていたら、バブ・フリックというとてもちいさなひとが出てきて、ロボットの C-3PO に一生懸命自己紹介していた。

「私の名前はバブ・フリックと言います。思い出をすべて失う前のあなたに一度会っています。でも私は私の名前をもう一度言います。私の名前はバブ・フリックです。あなたに会えて今とても嬉しいです。私はあなたの友達なんです」

こんなに広い銀河でも、多分、誰かは誰かに会ったとき、自己紹介をする。
「こんにちは。あなたに会えて嬉しいです。古くから知っていたような気もします。でもなんにせよこうやってまた会えて嬉しいです。あなたのことが好きなんです」

今度から、駅で会社でたまたま会ったり、図書館でふっと声をかけられたりしても、それらを全部宇宙に置き換えて、こんなふうに思うことにしよう。
「やあまたこの宇宙で出会えるなんて、なんというか私とても嬉しいです」

毎日毎日宇宙で誰かとたまたま出会ってる。

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