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この世は眠いところです
さくらさくらこの世は眠いところです 松永千秋(『現代女流川柳鑑賞事典』)
どうしても人と比べて悩んでしまったりすることがある。悩んでも仕方ないんだけれど。
わかってて悩む。わからなくても悩む。
「うーん、いいとか悪いとかじゃなくて。殴れ、って思ったらいいんじゃない。なんか。ただそう思う。殴れ、って。
『無門関』っていうお坊さんが悟るための謎々ばかりの本があるんだけれど、なんかあるたびにたいてい殴るんだよね。謎々出されたら殴るんだよ、突然。
いやいやそれ答えじゃないし、と思うけど、でも答えなんだよ、なんにも言わずに殴ることが。
それってきっといいとか悪いとかじゃないからなんだよ。
いいとか悪いとか、これが正しいとか間違ってるとか、こっちが答えだとか思ったら負けになっちゃうからだと思う。
いや、勝ちとか負けでもないんだよ。
ただ殴るんだよ。その気持ち」
「まあでもあとひとつ。
悩んでも人って眠っちゃうんだよ。
悲しくても人って眠っちゃう。
殴ったように殴られたように眠っちゃう。
どんなに悲しくても、どんなに人が好きでも、眠るんだよ。
びっくりするよね。
大好きな人から別れて眠っちゃうんだよ。隣にいたとしても。ずっと起きてればいいのにね。せっかくそんな人に会えたんだから。
おかしいよね。おかしいけど、そう考えるとなんか幸せなような気もする。
さっと神が頭を撫でた人から眠っていくんだよね、どんどん。
夜は眠ることが流行るよね。そういう時間。
いいことをしても極悪なことをしても、みんな、眠るんだよ」
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